🎯 STEP 3: 確率の発展
条件付き確率を極め、ベイズの定理をマスターしよう
📖 このステップで学ぶこと
統計学2級レベルで頻出の条件付き確率の複雑な問題とベイズの定理を学びます。これらは統計的推論の基礎となる非常に重要な概念です。
🎯 到達目標: 条件付き確率の複雑な問題が解ける、ベイズの定理を使って逆確率が計算できる、確率の乗法定理を応用できる、確率の総合問題に対応できる
1️⃣ 条件付き確率と独立性の詳細
STEP 2bで学んだ条件付き確率をさらに深く理解しましょう。
条件付き確率の復習
事象Aが起こったという条件のもとで、事象Bが起こる確率
記号: P(B|A)
公式: P(B|A) = P(A ∩ B) / P(A)
意味: Aが起こった後、全体(標本空間)がAに限定される
独立性の詳細
2つの事象A、Bが独立である ⇔ 次のいずれかが成り立つ
① P(A ∩ B) = P(A) × P(B)
② P(B|A) = P(B)
③ P(A|B) = P(A)
意味: 一方が起こっても、もう一方の起こりやすさは変わらない
A: 1回目が偶数
B: 2回目が3の倍数
AとBは独立か?
【独立性を判定する手順】
ステップ1: まず直感で考える
• 1回目のサイコロと2回目のサイコロは別々に振る
• 1回目に何が出ても、2回目の結果には影響しない
• → 直感的に「独立」と予想できる
ステップ2: 独立性の定義を確認
事象AとBが独立 ⇔ P(A∩B) = P(A) × P(B)
この等式が成り立つかどうかを確認します。
—
ステップ3: P(A)を計算
A = 「1回目が偶数」 = {2, 4, 6}
P(A) = 3/6 = 1/2
—
ステップ4: P(B)を計算
B = 「2回目が3の倍数」 = {3, 6}
P(B) = 2/6 = 1/3
—
ステップ5: P(A)×P(B)を計算
P(A) × P(B) = (1/2) × (1/3) = 1/6
—
ステップ6: P(A∩B)を直接計算
A∩B = 「1回目が偶数」かつ「2回目が3の倍数」
全体の場合の数:
サイコロ2回なので 6×6 = 36通り
A∩Bの場合の数:
• 1回目の偶数: 2, 4, 6 の3通り
• 2回目の3の倍数: 3, 6 の2通り
• A∩B: 3×2 = 6通り
P(A∩B) = 6/36 = 1/6
—
ステップ7: 比較して判定
• P(A) × P(B) = 1/6
• P(A ∩ B) = 1/6
一致する!
→ P(A∩B) = P(A)×P(B) が成り立つ
→ AとBは独立
—
【独立と非独立の例】
【独立の例】 ├─ サイコロを複数回振る(各回は独立) ├─ コインを複数回投げる ├─ 復元抽出(取り出して戻す) └─ 異なる人がテストを受ける 【非独立(従属)の例】 ├─ 非復元抽出(取り出して戻さない) ├─ カードを続けて引く(戻さない) ├─ 同じ人の身長と体重 └─ 1回目の結果で2回目が変わる場合
【覚え方】
「お互いに影響しない」= 独立
「一方の結果で、もう一方が変わる」= 非独立
複雑な条件付き確率
2個取り出す(非復元)とき、次の確率を求めなさい。
(1) 2個とも赤
(2) 1個目が赤、2個目が白
(3) 1個が赤、1個が白(順不同)
(1) 1/3
(2) 4/15
(3) 8/15
【まず樹形図で全体像を把握】
1個目 2個目 確率
│
┌────┴────┐
│ │
赤(6/10) 白(4/10)
│ │
┌───┴───┐ ┌───┴───┐
赤(5/9) 白(4/9) 赤(6/9) 白(3/9)
│ │ │ │
赤赤 赤白 白赤 白白
30/90 24/90 24/90 12/90
—
【(1) 2個とも赤の確率】
ステップ1: 樹形図で経路を確認
「赤 → 赤」のルートを辿る
ステップ2: 乗法定理で式を立てる
P(2個とも赤) = P(1個目赤) × P(2個目赤|1個目赤)
ステップ3: 1個目が赤の確率
袋の中: 赤6個、白4個(計10個)
P(1個目赤) = 6/10
ステップ4: 2個目が赤の確率(1個目が赤だった後)
残り: 赤5個、白4個(計9個)
P(2個目赤|1個目赤) = 5/9
ステップ5: 掛け算
= (6/10) × (5/9)
= 30/90
= 1/3
—
【(2) 1個目が赤、2個目が白の確率】
ステップ1: 樹形図で経路を確認
「赤 → 白」のルートを辿る
ステップ2: 乗法定理で式を立てる
P(赤→白) = P(1個目赤) × P(2個目白|1個目赤)
ステップ3: 1個目が赤の確率
P(1個目赤) = 6/10
ステップ4: 2個目が白の確率(1個目が赤だった後)
残り: 赤5個、白4個(計9個)
P(2個目白|1個目赤) = 4/9
ステップ5: 掛け算
= (6/10) × (4/9)
= 24/90
= 4/15
—
【(3) 1個が赤、1個が白(順不同)の確率】
ステップ1: 該当するルートは2つ
• 赤 → 白(1個目が赤、2個目が白)
• 白 → 赤(1個目が白、2個目が赤)
この2つは排反(同時に起こらない)なので足し算!
ステップ2: 赤→白の確率((2)より)
P(赤→白) = 4/15
ステップ3: 白→赤の確率を計算
P(白→赤) = P(1個目白) × P(2個目赤|1個目白)
1個目が白の確率: P(1個目白) = 4/10
2個目が赤の確率(1個目が白だった後):
残り: 赤6個、白3個(計9個)
P(2個目赤|1個目白) = 6/9
P(白→赤) = (4/10) × (6/9) = 24/90 = 4/15
ステップ4: 和の法則で足す
P(1個ずつ) = P(赤→白) + P(白→赤)
= 4/15 + 4/15
= 8/15
—
【確認: すべてのパターンの確率の合計】
赤赤: 30/90 = 1/3 = 5/15 赤白: 24/90 = 4/15 白赤: 24/90 = 4/15 白白: 12/90 = 2/15 ───────────────────── 合計: 15/15 = 1 ✓
すべてのパターンを足すと1になる → 計算が正しい!
—
【非復元抽出の重要ポイント】
1. 1回目の結果で2回目の状況が変わる 2. 全体の数が減る(10個→9個) 3. 取り出した玉の数も減る 4. 条件付き確率を使う必要がある
• 独立性の判定: P(A∩B) = P(A)×P(B) を確認
• 非復元抽出: 1回目の結果で2回目の確率が変わる
• 樹形図: 複雑な問題は樹形図で整理
• 順不同: すべてのパターンを足す
2️⃣ ベイズの定理の導出と応用
ベイズの定理は、統計的推論で最も重要な定理の1つです。「原因から結果」ではなく、「結果から原因」を推測するときに使います。
ベイズの定理とは
事象B₁, B₂, …, Bₙ が互いに排反で、その和が全事象のとき:
P(Bₖ|A) = P(Bₖ) × P(A|Bₖ) / P(A)
簡単に言うと:
P(原因|結果) = P(原因) × P(結果|原因) / P(結果)
• 事前確率: P(Bₖ) (結果が分かる前の原因の確率)
• 尤度: P(A|Bₖ) (原因Bₖのときに結果Aが起こる確率)
• 事後確率: P(Bₖ|A) (結果Aが分かった後の原因の確率)
結果を観測すると、原因の確率(信念)が更新される!
ベイズの定理の導出
ステップ1: 条件付き確率の定義
P(Bₖ|A) = P(A ∩ Bₖ) / P(A) … ①
ステップ2: 乗法定理で分子を変形
P(A ∩ Bₖ) = P(Bₖ) × P(A|Bₖ) … ②
ステップ3: 全確率の公式で分母を計算
P(A) = Σ P(Bᵢ) × P(A|Bᵢ) … ③
ステップ4: ②と③を①に代入
P(Bₖ|A) = P(Bₖ) × P(A|Bₖ) / Σ P(Bᵢ) × P(A|Bᵢ)
ベイズの定理の典型例題
箱A: 赤玉7個、白玉3個
箱B: 赤玉4個、白玉6個
サイコロを振り、1,2の目なら箱A、3〜6の目なら箱Bを選ぶ。
選んだ箱から玉を1個取り出したら赤玉だった。
この玉が箱Aから取り出された確率を求めなさい。
【樹形図で整理する】
サイコロ 箱を選ぶ 玉を取る
│
├─ 1,2の目 ──→ 箱A(1/3) ──┬── 赤(7/10) → 7/30
│ └── 白(3/10) → 3/30
│
└─ 3〜6の目 ─→ 箱B(2/3) ──┬── 赤(4/10) → 8/30
└── 白(6/10) → 12/30
—
【ステップ1: 与えられた情報を整理】
箱を選ぶ確率(事前確率):
• P(箱A) = 2/6 = 1/3(サイコロで1か2の目)
• P(箱B) = 4/6 = 2/3(サイコロで3〜6の目)
各箱から赤が出る確率(尤度):
• P(赤|箱A) = 7/10(箱Aは赤7個、白3個)
• P(赤|箱B) = 4/10(箱Bは赤4個、白6個)
求めるもの:
• P(箱A|赤) = ?(赤が出たとき、箱Aだった確率)
これは「結果(赤)から原因(箱A)」を求める問題
→ ベイズの定理を使う!
—
【ステップ2: 各ルートの確率を計算(乗法定理)】
ルート①: 箱Aを選んで赤が出る
P(箱A ∩ 赤) = P(箱A) × P(赤|箱A)
= (1/3) × (7/10)
= 7/30
ルート②: 箱Bを選んで赤が出る
P(箱B ∩ 赤) = P(箱B) × P(赤|箱B)
= (2/3) × (4/10)
= 8/30
= 8/30
—
【ステップ3: 赤が出る確率の合計(全確率の公式)】
P(赤) = P(箱A ∩ 赤) + P(箱B ∩ 赤)
= 7/30 + 8/30
= 15/30 = 1/2
—
【ステップ4: ベイズの定理で計算】
P(箱A|赤) = P(箱A ∩ 赤) / P(赤)
分子: 7/30(箱Aから赤が出るルート)
分母: 15/30(赤が出るすべてのルート)
= (7/30) ÷ (15/30)
= (7/30) × (30/15)
= 7/15
答え: 7/15(約46.7%)
—
【別解: 比で考える(おすすめ!)】
赤が出るルートだけに注目して比較:
• 箱Aから赤: 7/30 → 比率 7
• 箱Bから赤: 8/30 → 比率 8
赤が出たとき、箱Aである確率:
= 7 / (7 + 8) = 7/15
—
【解釈: 情報による確率の更新】
• 事前確率: P(箱A) = 1/3 ≒ 33%
• 事後確率: P(箱A|赤) = 7/15 ≒ 47%
「赤が出た」という情報を得たことで、
「箱Aだったかも」という確率が33%→47%に上昇!
(箱Aの方が赤が多いから、赤が出たなら箱Aの可能性が高まる)
• 樹形図: 必ず樹形図を描いて整理
• 比で考える: 分子と分母を比で計算すると楽
• 情報の更新: 結果を見て原因の確率が変わる
• 医療診断: 検査結果から病気の確率を推定
3️⃣ 確率の乗法定理
複数の事象が連続して起こる確率を計算する定理です。
乗法定理の一般形
2つの事象: P(A ∩ B) = P(A) × P(B|A)
3つの事象: P(A ∩ B ∩ C) = P(A) × P(B|A) × P(C|A∩B)
n個の事象: 順番に条件付き確率を掛けていく
3枚ともハートである確率を求めなさい。
【問題の整理】
• トランプ全体: 52枚
• ハートの枚数: 13枚(A〜Kの13枚)
• 抽出方法: 非復元(引いたカードは戻さない)
• 求めるもの: 3枚すべてがハートの確率
—
【乗法定理を使う手順】
ステップ1: 連続する事象を分解
「3枚ともハート」を分解すると:
• 1枚目がハート
• かつ 2枚目がハート
• かつ 3枚目がハート
P(1枚目♥ ∩ 2枚目♥ ∩ 3枚目♥)
—
ステップ2: 乗法定理の式を立てる
P(A ∩ B ∩ C) = P(A) × P(B|A) × P(C|A∩B)
3つの事象の確率を順番に掛け合わせます:
= P(1枚目♥) × P(2枚目♥|1枚目♥) × P(3枚目♥|1,2枚目♥)
—
ステップ3: 1枚目の確率を計算
【1枚目を引く前】 全体: 52枚 ハート: 13枚
P(1枚目がハート) = 13/52
—
ステップ4: 2枚目の確率を計算(1枚目がハートだった場合)
【2枚目を引く前】 全体: 51枚(1枚減った) ハート: 12枚(1枚減った)
P(2枚目がハート | 1枚目がハート) = 12/51
—
ステップ5: 3枚目の確率を計算(1,2枚目がハートだった場合)
【3枚目を引く前】 全体: 50枚(2枚減った) ハート: 11枚(2枚減った)
P(3枚目がハート | 1,2枚目がハート) = 11/50
—
ステップ6: すべて掛け合わせる
P(3枚ともハート)
= (13/52) × (12/51) × (11/50)
分子: 13 × 12 × 11 = 1716
分母: 52 × 51 × 50 = 132600
= 1716 / 132600
—
ステップ7: 約分
1716と132600の最大公約数を見つけて約分
1716 ÷ 156 = 11
132600 ÷ 156 = 850
= 11/850
(約1.29%)
—
【別解: 組合せで計算】
分子: 13枚のハートから3枚選ぶ方法
₁₃C₃ = (13×12×11)/(3×2×1) = 1716/6 = 286通り
分母: 52枚から3枚選ぶ方法
₅₂C₃ = (52×51×50)/(3×2×1) = 132600/6 = 22100通り
P = 286/22100 = 11/850 ✓
両方の方法で同じ答えになることを確認!
—
【非復元抽出のポイント】
• 引くたびに全体の数が減る
• 引くたびに「当たり」の数も減る(当たりを引いた場合)
• 各段階の確率を順番に計算して掛ける
全確率の公式
事象B₁, B₂, …, Bₙ が互いに排反で、その和が全事象のとき:
P(A) = P(B₁)×P(A|B₁) + P(B₂)×P(A|B₂) + … + P(Bₙ)×P(A|Bₙ)
= Σ P(Bᵢ) × P(A|Bᵢ)
意味: 「すべてのルートの確率を足す」
• 順番に掛ける: 1つずつ条件付き確率を掛ける
• 非復元: 全体の数が減っていく
• 全確率の公式: ベイズの定理の分母で使う
4️⃣ 確率の総合問題演習
ここまで学んだ内容を総合的に使う問題を解きましょう。
• この病気にかかっている人の割合: 1%
• 病気の人が陽性になる確率(感度): 95%
• 病気でない人が陰性になる確率(特異度): 90%
検査で陽性と出た人が、実際に病気である確率を求めなさい。
【なぜこの問題が重要か】
「検査で陽性」と言われたら、多くの人は「病気に違いない」と思います。
しかし、実際はそうとは限りません。この問題でその理由を学びます。
—
【樹形図で問題を整理】
病気の有無 検査結果 確率
│
┌────┴────┐
│ │
病気(1%) 健康(99%)
│ │
┌───┴───┐ ┌───┴───┐
陽性(95%) 陰性(5%) 陽性(10%) 陰性(90%)
│ │ │ │
真陽性 偽陰性 偽陽性 真陰性
0.95% 0.05% 9.9% 89.1%
—
【ステップ1: 与えられた情報を整理】
有病率(事前確率):
• P(病気) = 0.01(1%)
• P(健康) = 0.99(99%)
検査の性能:
• 感度: P(陽性|病気) = 0.95
「病気の人が陽性になる確率」(95%)
• 特異度: P(陰性|健康) = 0.90
「健康な人が陰性になる確率」(90%)
• 偽陽性率: P(陽性|健康) = 1 – 0.90 = 0.10
「健康なのに陽性になる確率」(10%)
求めるもの:
• P(病気|陽性) = ?
「陽性が出たとき、本当に病気である確率」
—
【ステップ2: 各ルートの確率を計算】
真陽性(病気で陽性):
P(病気 ∩ 陽性) = P(病気) × P(陽性|病気)
= 0.01 × 0.95
= 0.0095(0.95%)
偽陽性(健康で陽性):
P(健康 ∩ 陽性) = P(健康) × P(陽性|健康)
= 0.99 × 0.10
= 0.099(9.9%)
【重要な発見】
偽陽性(0.099)は真陽性(0.0095)の約10倍もある!
—
【ステップ3: 陽性全体の確率(全確率の公式)】
P(陽性) = P(病気 ∩ 陽性) + P(健康 ∩ 陽性)
= 0.0095 + 0.099
= 0.1085(10.85%)
つまり、100人中約11人が陽性になる
—
【ステップ4: ベイズの定理で計算】
P(病気|陽性) = P(病気 ∩ 陽性) / P(陽性)
= 0.0095 / 0.1085
= 0.0876
≒ 8.76%
—
【具体的な人数で考える(1万人の例)】
1万人を検査すると... 【病気の人: 100人(1%)】 → 陽性: 95人(真陽性) → 陰性: 5人(偽陰性 = 見逃し) 【健康な人: 9,900人(99%)】 → 陽性: 990人(偽陽性) → 陰性: 8,910人(真陰性) 【陽性の人の内訳】 陽性合計: 95 + 990 = 1,085人 うち本当に病気: 95人 P(病気|陽性) = 95 / 1,085 ≒ 8.76%
—
【なぜこんなに低いのか?】
理由: 有病率が低いから
• 病気の人はそもそも少ない(1%)
• 健康な人が圧倒的に多い(99%)
• たとえ偽陽性率が10%でも、母数が大きいので偽陽性者が多くなる
【教訓】
検査の精度(感度95%)だけ見ると「ほぼ確実」に見えるが、
有病率(基準率)を考慮すると、陽性でも病気の確率は約9%しかない!
これが「基準率の誤謬」と呼ばれる認知バイアスです。
検査の精度が高くても、病気の有病率が低いと、
陽性でも実際に病気である確率は意外と低い!
これは医療統計で非常に重要な考え方です。
📝 練習問題(20問)
このステップの理解度を確認しましょう。16問以上正解できれば次のステップへ進めます。
独立性の判定
P(A) = 0.4, P(B) = 0.3, P(A ∩ B) = 0.15 のとき、A と B は独立か?
【解き方】
P(A) × P(B) = 0.4 × 0.3 = 0.12
P(A ∩ B) = 0.15(与えられた値)
0.12 ≠ 0.15 なので独立ではない
非復元抽出
赤玉4個、白玉6個の袋から2個取り出す(非復元)。1個目が白、2個目が赤である確率は?
【解き方】
P(1個目白) = 6/10
P(2個目赤|1個目白) = 4/9
P(白→赤) = (6/10) × (4/9) = 24/90 = 4/15
条件付き確率
P(A) = 0.5, P(A ∩ B) = 0.2 のとき、P(B|A) を求めなさい。
【解き方】
P(B|A) = P(A ∩ B) / P(A)
= 0.2 / 0.5 = 0.4
カードの問題
トランプ52枚から2枚引く(非復元)。2枚とも絵札(J, Q, K)である確率は?
【解き方】
絵札は12枚(各スート3枚×4)
P = (12/52) × (11/51) = 132/2652 = 11/221
複合事象
袋に赤玉5個、白玉5個。2個取り出す(非復元)。少なくとも1個が赤である確率は?
【解き方】
余事象を使う
P(少なくとも1個赤) = 1 – P(2個とも白)
= 1 – (5/10)×(4/9)
= 1 – 20/90 = 1 – 2/9 = 7/9
ベイズの定理(基本)
箱Aに赤玉3個・白玉2個、箱Bに赤玉1個・白玉4個。どちらかの箱を等確率で選び、玉を1個取り出したら赤だった。それが箱Aから取り出された確率は?
【解き方】
箱Aから赤: (1/2)×(3/5) = 3/10
箱Bから赤: (1/2)×(1/5) = 1/10
合計: 4/10
P(箱A|赤) = (3/10) / (4/10) = 3/4
医療診断
病気の有病率1%、検査の感度90%、特異度95%。陽性と出た人が病気である確率は?(小数第3位まで)
【解き方】
真陽性: 0.01×0.90 = 0.009
偽陽性: 0.99×0.05 = 0.0495
P(病気|陽性) = 0.009 / (0.009+0.0495)
= 0.009 / 0.0585 ≒ 0.154
3つの箱
箱A(赤5、白5)、箱B(赤3、白7)、箱C(赤8、白2)から等確率で1つ選び、玉を1個取り出したら赤。箱Cである確率は?
【解き方】
箱Aから赤: (1/3)×(5/10) = 5/30
箱Bから赤: (1/3)×(3/10) = 3/30
箱Cから赤: (1/3)×(8/10) = 8/30
合計: 16/30
P(箱C|赤) = (8/30) / (16/30) = 8/16 = 1/2
サイコロと箱
サイコロを振り、1,2なら箱A、3〜6なら箱Bを選ぶ。箱A(赤6、白4)、箱B(赤3、白7)。赤玉が出る確率は?
【解き方】
P(赤) = P(箱A)×P(赤|箱A) + P(箱B)×P(赤|箱B)
= (1/3)×(6/10) + (2/3)×(3/10)
= 6/30 + 6/30 = 12/30 = 2/5
事前確率と事後確率
問題9で、赤玉が出た。それが箱Aから出た確率は?
【解き方】
箱Aから赤: 6/30
箱Bから赤: 6/30
合計: 12/30
P(箱A|赤) = (6/30) / (12/30) = 1/2
3枚のカード
トランプ52枚から3枚引く(非復元)。3枚ともスペードである確率は?
【解き方】
(13/52) × (12/51) × (11/50)
= 1716/132600 = 11/850
連続抽出
袋に赤玉7個、白玉3個。3個取り出す(非復元)。3個とも赤である確率は?
【解き方】
(7/10) × (6/9) × (5/8)
= 210/720 = 7/24
全確率の公式
P(A) = 0.6, P(B|A) = 0.7, P(B|Ā) = 0.4 のとき、P(B) を求めなさい。
【解き方】
P(B) = P(A)×P(B|A) + P(Ā)×P(B|Ā)
= 0.6×0.7 + 0.4×0.4
= 0.42 + 0.16 = 0.58
複雑な条件付き確率
P(A|B) = 0.8, P(B) = 0.3, P(A) = 0.5 のとき、P(B|A) を求めなさい。
【解き方】
P(A ∩ B) = P(B) × P(A|B) = 0.3 × 0.8 = 0.24
P(B|A) = P(A ∩ B) / P(A) = 0.24 / 0.5 = 0.48
検査の精度
検査の感度が100%でも、特異度が90%なら偽陽性が出る。有病率5%のとき、陽性者のうち真の陽性率は?
【解き方】
真陽性: 0.05×1.00 = 0.05
偽陽性: 0.95×0.10 = 0.095
P(病気|陽性) = 0.05 / (0.05+0.095)
= 0.05 / 0.145 ≒ 0.345
コインとサイコロ
コインを投げ、表なら6面サイコロ、裏なら4面サイコロを振る。出た目が1である確率は?
【解き方】
P(1) = (1/2)×(1/6) + (1/2)×(1/4)
= 1/12 + 1/8 = 2/24 + 3/24 = 5/24
ベイズの逆算
問題16で、目が1だった。それが6面サイコロから出た確率は?
【解き方】
6面から1: (1/2)×(1/6) = 1/12 = 2/24
4面から1: (1/2)×(1/4) = 1/8 = 3/24
合計: 5/24
P(6面|1) = (2/24) / (5/24) = 2/5
連続抽出の応用
袋に1〜10の札。3枚引く(非復元)。3枚とも偶数である確率は?
【解き方】
偶数は5枚(2,4,6,8,10)
(5/10) × (4/9) × (3/8) = 60/720 = 1/12
条件付き確率の連鎖
赤玉5個、白玉5個の袋から3個取り出す(非復元)。1個目が赤、2個目が白、3個目が赤である確率は?
【解き方】
(5/10) × (5/9) × (4/8) = 100/720 = 5/36
総合問題
工場A(製品の5%が不良)、工場B(製品の2%が不良)。AとBの生産比は3:7。ランダムに選んだ製品が不良品だった。それが工場A製である確率は?
【解き方】
P(A) = 0.3, P(B) = 0.7
Aから不良: 0.3×0.05 = 0.015
Bから不良: 0.7×0.02 = 0.014
合計: 0.029
P(A|不良) = 0.015 / 0.029 = 15/29
⚠️ よくあるつまずきポイントと対策
ベイズの定理で樹形図を書かない
対策: 必ず樹形図を描いて、すべてのルートを視覚化しましょう。
- 原因(箱など)から結果(色など)へ枝を伸ばす
- 各枝に確率を書き込む
- 求めるルートと全体を確認
事前確率と事後確率の混同
対策: 情報が与えられる前後で確率が変わることを理解しましょう。
- 事前: P(病気) = 1% (検査前)
- 事後: P(病気|陽性) = ? (検査後)
基準率の誤謬
対策: 検査の精度だけでなく、有病率(基準率)も重要です。
- 有病率が低いと、陽性でも病気の確率は低い
- 感度・特異度と有病率の両方を考慮
📚 このステップのまとめ
🎯 学習したこと
- 条件付き確率と独立性: P(B|A) = P(A∩B)/P(A)、独立の判定
- ベイズの定理: P(原因|結果) = P(原因)×P(結果|原因)/P(結果)
- 事前確率と事後確率: 情報により確率が更新される
- 確率の乗法定理: 連続する事象の確率計算
- 全確率の公式: すべてのルートを足す
- 基準率の誤謬: 有病率と検査精度の関係
練習問題で16問以上(80%以上)正解できたら、STEP 4に進みましょう!
ベイズの定理は統計的推論の核心です。
樹形図を必ず描いて、視覚的に理解しましょう。
医療診断の問題は統計学2級レベルで頻出です!
学習メモ
統計検定2級対策 - Step 3