STEP 8:折れ線グラフと推移分析

📈 STEP 8: 折れ線グラフと推移分析

時系列データを可視化!トレンドを読み解く折れ線グラフをマスターしよう

📋 このステップで学ぶこと

  • 折れ線グラフとは何か、いつ使うのか
  • 棒グラフとの使い分け
  • 時系列データの折れ線グラフ作成方法
  • 複数系列の折れ線グラフで比較分析
  • マーカーとラベルの追加方法
  • トレンドライン(傾向線)の追加と読み方
  • 折れ線グラフのカスタマイズとベストプラクティス

ゴール:時系列データを折れ線グラフで可視化し、トレンドを分析できるようになる

📈 1. 折れ線グラフとは

折れ線グラフの定義と特徴

折れ線グラフ(Line Chart)は、データの推移や変化を線で表示するグラフです。特に時系列データ(時間の経過とともに変化するデータ)の分析に最適です。

棒グラフが「各カテゴリの大きさ比較」に適しているのに対し、折れ線グラフは「時間の流れに沿った変化の傾向」を見るのに適しています。

📝 身近な例:体温の変化

体温計のグラフを想像してください。点を線で結ぶことで、体温の上がり下がりの傾向が一目でわかります。

体温(℃)
38 ┤ ●
37 ┤ ● ●
36 ┤ ● ●
35 ┤ ● ●
   └─────────────
    月 火 水 木 金 土 日

ポイント:線の「傾き」を見ることで、上昇傾向か下降傾向かがすぐにわかります。

✅ 折れ線グラフが適している場面
場面 具体例
時系列データ 日別売上、月別売上、年別売上の推移
トレンド分析 売上は増加傾向か、減少傾向か
連続的な変化 気温の変化、株価の変動、心拍数の推移
複数系列の比較 今年と去年の売上を同時に比較
❌ 折れ線グラフが適さない場面
場面 理由 代わりに使うグラフ
カテゴリ間の比較 商品間に「つながり」がない 棒グラフ
全体に対する割合 構成比を見たい 円グラフ
相関関係 2つの数値の関係を見たい 散布図
📊 棒グラフ vs 折れ線グラフ 比較表
比較項目 棒グラフ 折れ線グラフ
得意なこと カテゴリ間の比較 時間経過の変化
データの種類 離散的(個別の値) 連続的(つながった値)
視覚的な強調 各値の大きさ 全体の傾向・トレンド
商品別売上ランキング 月別売上の推移

📊 2. 時系列データの折れ線グラフを作る

準備:サンプルデータの作成

まず、Excelで以下のサンプルデータを作成してください。日付列は必ず日付型にしてください。

📝 サンプルデータ(monthly_sales.xlsx)
日付 売上
2024-01-01 100000
2024-02-01 120000
2024-03-01 115000
2024-04-01 135000
2024-05-01 145000
2024-06-01 155000
2024-07-01 170000
2024-08-01 165000
2024-09-01 180000
2024-10-01 190000

注意:日付列が「📅」アイコン(日付型)になっていることを確認してください。

📊 折れ線グラフの作成手順
手順 操作内容
1 Tableau Publicを起動 →「Microsoft Excel」を選択 →「monthly_sales.xlsx」を開く
2 データソースページで日付が「📅」アイコンになっているか確認
3 「Sheet 1」タブをクリックしてワークシートに移動
4 「日付」を列シェルフにドラッグ(デフォルトで「YEAR(日付)」になる)
5 「YEAR(日付)」の右側の「+」をクリック、または右クリック→「月」を選択
6 「売上」を行シェルフにドラッグ
7 マークカードで「線」を選択(自動で線になるはず)

完成!月別売上の折れ線グラフが表示されます 🎉

💡 日付の粒度(単位)を変更する

列シェルフの日付フィールドを右クリックすると、表示する単位を選べます:

粒度 使いどころ
長期的なトレンド(5年、10年の推移)
四半期 四半期決算の比較
月次レポート、季節変動の分析
週次の売上変動
日次の詳細な変動
🟢 日付を「連続」にすると滑らかな線になる

デフォルトでは日付は「離散」(青いピル)ですが、「連続」に変更すると線が滑らかにつながります。

手順 操作内容
1 列シェルフの「MONTH(日付)」を右クリック
2 「連続」を選択
3 ピルが青からに変わり、グラフがより滑らかになる

📊 3. 複数系列の折れ線グラフ(比較分析)

複数系列とは

複数系列の折れ線グラフは、1つのグラフ上に複数の線を表示して比較するグラフです。例えば、「今年と去年の売上」を同時に表示できます。

これにより、「去年と比べて売上は増えているか?」「どの月に差が大きいか?」といった比較分析ができます。

📝 追加サンプルデータ(yearly_comparison.xlsx)

※ スマートフォンでは横スクロールで表全体を確認できます

日付 年度 売上
2023-01-01 2023 80000
2023-02-01 2023 85000
2023-03-01 2023 90000
2023-04-01 2023 95000
2023-05-01 2023 100000
2024-01-01 2024 100000
2024-02-01 2024 120000
2024-03-01 2024 115000
2024-04-01 2024 135000
2024-05-01 2024 145000
📊 複数系列の折れ線グラフ作成手順
手順 操作内容
1 データに接続(yearly_comparison.xlsx)
2 「日付」を列シェルフにドラッグ(月単位に変更)
3 「売上」を行シェルフにドラッグ
4 「年度」を色マークにドラッグ

完成!2023年(青線)と2024年(オレンジ線)が同じグラフに表示されます 🎉

📊 複数系列グラフの読み方
見るポイント わかること
線の高さ その時点での売上額(高いほど売上が多い)
線の傾き 増加傾向か減少傾向か(右上がり=増加)
2本の線の間隔 2023年と2024年の差(間隔が広い=差が大きい)
交差点 2つの値が同じになった時点(逆転ポイント)

🎯 4. マーカーとラベルの追加

マーカー(点)の追加

マーカーは、線上の各データポイントに点を表示する機能です。データが正確にどこにあるかわかりやすくなります。

🔵 マーカーの追加方法
方法 手順
方法1:マークタイプ変更 マークカードで「線」の横の▼をクリック →「線と形」を選択 → 線上に点が表示される
方法2:色から追加 マークカードの「色」をクリック →「マーカー」タブを選択 → サイズや形を調整
🏷️ ラベルの追加方法
手順 操作内容
1 「売上」を「ラベル」マークにドラッグ
2 各データポイントに売上金額が表示される
3 「ラベル」マークをクリック → フォントサイズを調整
4 「マークラベルの許可」で「すべて」を選択(重なりを許可)
⚠️ ラベル表示の注意点
問題 解決策
ラベルが重なる 重要なポイントだけにラベルを表示する、またはツールヒント(マウスオーバー)を活用
ラベルが小さい 「ラベル」マークをクリック → フォントサイズを大きくする
一部しか表示されない 「マークラベルの許可」で「すべて」を選択

📈 5. トレンドライン(傾向線)の追加

トレンドラインとは

トレンドライン(傾向線)は、データの全体的な傾向を示す線です。データが増加傾向か、減少傾向か、一目でわかります。

個々のデータポイントの上下動ではなく、「全体としてどの方向に向かっているか」を見るのに役立ちます。

📈 トレンドラインの追加手順
手順 操作内容
1 メニューバーから「分析」をクリック
2 「トレンドライン」を選択
3 折れ線グラフ上にドラッグ&ドロップ(または「線形」などを選択)
4 トレンドラインが表示される
📊 トレンドラインの種類
種類 特徴 使いどころ
線形(Linear) 直線で傾向を表示。最も一般的 安定した成長・減少
指数(Exponential) 急激な増加・減少を表現 爆発的成長
対数(Logarithmic) 初期は急成長、後に緩やかになる 成熟市場の成長
多項式(Polynomial) 複雑な曲線で傾向を表現 上下動があるデータ

初心者へのおすすめ:まずは「線形」から始めましょう。最もシンプルで理解しやすいです。

💡 R²値(決定係数)の読み方

R²(決定係数)は、トレンドラインがデータにどれだけ適合しているかを示す値です。

R²の値 意味
1.0(100%) 完璧に適合(すべての点が線上にある)
0.8以上 良好な適合(傾向をよく表している)
0.5〜0.8 中程度の適合(参考程度に)
0.5以下 あまり適合していない(トレンドラインは参考程度)
🔧 トレンドラインのカスタマイズ
手順 操作内容
1 トレンドライン上で右クリック
2 「トレンドラインの編集」を選択
3 設定パネルで以下を調整:モデルタイプ、P値・R²値の表示、信頼区間の表示

🎨 6. 折れ線グラフのカスタマイズ

見た目を調整して見やすくする

グラフの見た目をカスタマイズすることで、より伝わりやすいグラフにできます。線の太さ、色、スタイルなどを調整しましょう。

🎨 カスタマイズ項目一覧
項目 操作方法 使いどころ
線の太さ マークカードの「サイズ」スライダーを調整 強調したい線を太くする
線の色 マークカードの「色」をクリック→好きな色を選択 企業カラーに合わせる、比較しやすくする
線のスタイル 「色」→「その他」タブ→「ライン」で実線/破線/点線を選択 複数系列の区別、予測線との区別
不透明度 「色」パネルで不透明度スライダーを調整 背景の線を薄くする
📏 参照線(目標値・平均値)の追加

例:「目標売上150,000円」を横線で表示する方法

手順 操作内容
1 メニューバーから「分析」→「定数ライン」
2 行シェルフの売上にドロップ
3 値を「150000」に設定
4 ラベルに「目標」と入力

📊 7. 折れ線グラフのベストプラクティス

効果的なグラフを作るためのルール

折れ線グラフを効果的に使うためのルールを覚えておきましょう。正しいルールを守ることで、誤解を招かない、伝わりやすいグラフが作れます。

✅ すべきこと(Do)
ルール 理由
Y軸は0から始める 変化を誇張せず、正確な比率を伝える
時間軸を左から右へ 時間の流れが自然で直感的
線の数は5本以内 多すぎると見にくく、比較が困難になる
凡例を明確に どの線が何を表すかすぐにわかる
トレンドラインを活用 全体的な傾向を示し、分析を助ける
❌ 避けるべきこと(Don’t)
避けるべきこと 問題点
Y軸を途中から始める 小さな変化が大きく見え、誤解を招く
3D効果を使う 折れ線グラフには不要。読みにくくなる
線が多すぎる(10本以上) 混乱を招き、何も読み取れなくなる
似た色を使う 区別がつかず、比較ができない
時間軸が不均等 傾向が歪んで見え、誤解を招く

📝 STEP 8 のまとめ

✅ このステップで学んだこと
  • 折れ線グラフ:時系列データの推移を可視化するのに最適
  • 棒グラフとの違い:カテゴリ比較は棒グラフ、推移は折れ線グラフ
  • 日付の粒度:年、四半期、月、週、日を目的に応じて選択
  • 連続と離散:連続(緑)にすると滑らかな線になる
  • 複数系列:色マークで複数の線を表示し比較
  • マーカーとラベル:データポイントを強調し、正確な値を表示
  • トレンドライン:全体的な傾向を示す線。R²値で適合度を確認
  • ベストプラクティス:Y軸は0から、線は5本以内
💡 最重要ポイント

折れ線グラフは時系列データの分析に最適です。

売上の推移、訪問者数の変化、株価の動きなど、時間とともに変化するデータを見る場合は、折れ線グラフを使いましょう。

トレンドラインを追加すれば、データのノイズに惑わされず、全体的な傾向を把握できます。将来の予測にも役立ちます!

📝 実践演習

演習 1 基礎

1月から6月までの月別売上データを作成し、折れ線グラフで表示してください。

【データ例】
日付 売上
2024-01-01 100000
2024-02-01 120000
2024-03-01 110000
2024-04-01 130000
2024-05-01 140000
2024-06-01 150000
【手順】
1 上記のデータをExcelで作成し、Tableauに読み込み
2 「日付」を列シェルフにドラッグ→「月」を選択
3 「売上」を行シェルフにドラッグ
4 マークカードで「線」を選択
演習 2 応用

演習1のグラフに、マーカー(点)とラベルを追加してください。さらに、線の色を青色に変更してください。

【手順】
項目 操作方法
マーカー追加 マークカードで「線」→「線と形」を選択
ラベル追加 「売上」を「ラベル」マークにドラッグ
色変更 マークカードの「色」をクリック → 青色を選択
演習 3 応用

日付を「連続」に変更して、グラフの見た目がどう変わるか確認してください。

【手順と観察ポイント】
手順 操作と結果
1 列シェルフの「MONTH(日付)」を右クリック
2 「連続」を選択 → ピルが青から緑に変わる
3 変化:横軸が「1月、2月、3月…」から連続した日付軸に変わる
4 変化:線がより滑らかに表示される
チャレンジ 発展

2023年と2024年の月別売上を比較する複数系列の折れ線グラフを作成してください。さらに、トレンドラインを追加し、どちらの年の成長率が高いか分析してください。

【手順】
手順 操作内容
1 2023年と2024年のデータを用意(年度列を追加)
2 「日付」を列シェルフ(月単位)
3 「売上」を行シェルフ
4 「年度」を「色」マークにドラッグ
5 メニューバー→「分析」→「トレンドライン」→「線形」を選択

分析のポイント:

  • 2023年(青線)と2024年(オレンジ線)のトレンドラインの傾きを比較
  • 傾きが急なほど成長率が高い
  • R²値が高い方が、トレンドラインの信頼性が高い

❓ よくある質問

Q1: 折れ線グラフがギザギザで見にくいです。
日付を「連続」に変更してみてください。

列シェルフの日付フィールドを右クリック→「連続」を選択すると、より滑らかな線になります。

また、トレンドラインを追加すると、全体的な傾向が見やすくなります。
Q2: 複数の線が重なって見にくいです。
以下の方法で解決できます:

線の色を変える:はっきり区別できる色を選ぶ
線のスタイルを変える:一方を破線にする
線の太さを変える:重要な方を太くする
グラフを分割:別々のグラフにして並べる
Q3: トレンドラインが表示されません。
以下をチェックしてください:

・データが時系列になっていますか?
・日付が連続(緑のピル)になっていますか?
・データポイントが2つ以上ありますか?

日付が離散(青いピル)の場合、トレンドラインが表示されないことがあります。連続に変更してみてください。
Q4: 将来の予測を表示できますか?
はい、予測機能があります。

メニューバー→「分析」→「予測」を選択すると、過去のデータを基に将来の予測線を表示できます。

注意:データが十分にあること(最低20ポイント程度)が望ましいです。データが少ないと予測の精度が低くなります。
Q5: 棒グラフと折れ線グラフ、どちらを使えばいいですか?
データの特性と見せたいことで決まります:

時間の推移を見せたい→ 折れ線グラフ
カテゴリ間の比較をしたい→ 棒グラフ
両方見せたい→ デュアル軸(STEP 19で学習)

迷ったら、「データに時間の流れがあるか」で判断しましょう。
Q6: Y軸を0から始めないとダメですか?
原則として0から始めるべきです。

Y軸を途中から始めると、小さな変化が大きく見えてしまい、誤解を招きます。

例外:株価のチャートなど、変動の詳細を見たい場合は、Y軸を調整することもあります。ただし、その場合は「0から始めていない」ことを明記しましょう。
📝

学習メモ

BIツール入門 - Step 8

📋 過去のメモ一覧
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