📋 このステップで学ぶこと
- データの検証(入力規則)とは
- リストからの選択設定
- 数値範囲の制限
- 日付範囲の制限
- エラーメッセージの設定
- 入力時メッセージの設定
🎯 1. データの検証(入力規則)とは
なぜデータの検証が必要なのか
複数の人がデータを入力すると、表記がバラバラになったり、間違った値が入力されたりします。「データの検証」を設定すると、入力できるデータを制限して、データの品質を保つことができます。
🏠 日常生活に例えると…
アンケートフォームの選択肢のようなものです。
- 「性別」欄に自由に入力させると → 「男」「男性」「おとこ」「Male」などバラバラに
- 「男性」「女性」の選択肢だけにすれば → 表記が統一される
これがデータの検証の考え方です。
データ検証がないとどうなる?
📊 検証なしの問題例(※横スクロールできます)
【データ検証なし(問題だらけ)】
A列 B列 C列
1 名前 部署 年齢
2 田中 えいぎょう 30歳 ← ひらがな
3 佐藤 営業部 -5 ← マイナス年齢!?
4 鈴木 Sales 三十 ← 英語、漢数字
5 伊藤 営業 28 ← 全角スペースあり
【発生する問題】
❌ 表記ゆれ:営業、えいぎょう、営業部、Sales、営業(全角スペース)
❌ 不正な数値:マイナス年齢、漢数字、「30歳」(文字入り)
❌ 集計エラー:COUNTIFで「営業」を数えても一部しかカウントされない
❌ 後処理の手間:データクレンジングに時間がかかる
📊 検証ありの状態(※横スクロールできます)
【データ検証あり(統一された入力)】
A列 B列 C列
1 名前 部署 年齢
2 田中 営業 ▼ 30
3 佐藤 営業 ▼ 28
4 鈴木 開発 ▼ 35
5 伊藤 総務 ▼ 42
【メリット】
✅ 表記が統一:リストから選択するので「営業」に統一
✅ 不正な数値を防止:0〜100の整数のみ入力可能
✅ 集計が正確:COUNTIFで正確にカウントできる
✅ 入力ミス削減:選択するだけなので間違いにくい
▼ = ドロップダウンリスト(クリックすると選択肢が表示)
🔑 データの検証でできること
- リスト:あらかじめ決めた選択肢からのみ入力
- 数値範囲:最小値〜最大値を制限
- 日付範囲:有効な日付範囲を制限
- 文字数:入力できる文字数を制限
- カスタム数式:独自の条件を設定
📋 2. リストからの選択設定
リスト設定とは
最もよく使われる設定で、あらかじめ決められた選択肢からのみ入力できるようにします。セルをクリックすると▼ボタンが表示され、選択肢から選べます。
Excelでの操作手順
📋 ステップバイステップ(※横スクロールできます)
【リスト設定の手順(Excel)】
Step 1: 入力規則を設定したいセル範囲を選択
例:B2:B100(部署列)
Step 2: [データ]タブ → [データの入力規則]をクリック
※ Excel 2019以降では「データの検証」と表示される場合も
Step 3: ダイアログボックスで設定
┌────────────────────────────────┐
│ データの入力規則 │
├────────────────────────────────┤
│ 入力値の種類: [リスト ▼] │
│ │
│ ☑ ドロップダウンリストから選択 │
│ │
│ 元の値: │
│ [営業,開発,総務,人事 ] │
│ │
│ 💡 選択肢をカンマで区切って入力 │
└────────────────────────────────┘
Step 4: [OK]をクリック
【設定後の動作】
セルをクリックすると▼ボタンが表示され、
選択肢(営業、開発、総務、人事)から選べる
Googleスプレッドシートでの操作手順
📋 Googleスプレッドシートの手順(※横スクロールできます)
【リスト設定の手順(Googleスプレッドシート)】
Step 1: 入力規則を設定したいセル範囲を選択
Step 2: [データ] → [データの入力規則]をクリック
Step 3: [ルールを追加]をクリック
Step 4: 設定
┌────────────────────────────────┐
│ 条件: [プルダウン(直接指定)▼] │
│ │
│ オプション1: 営業 │
│ オプション2: 開発 │
│ オプション3: 総務 │
│ [+ 別のアイテムを追加] │
└────────────────────────────────┘
Step 5: [完了]をクリック
別セルのリストを参照する方法
📊 リストを一元管理する(※横スクロールできます)
【別セルのリストを参照】
別の場所に選択肢のリストを作っておき、それを参照できます。
【準備】E列に選択肢リストを作成
E列
1 営業
2 開発
3 総務
4 人事
【設定】
元の値: =$E$1:$E$4(絶対参照で指定)
【メリット】
✅ リストを一元管理できる
✅ リストの追加・変更が簡単(E5に「経理」を追加するだけ)
✅ 複数のシートで同じリストを共有できる
【Googleスプレッドシートの場合】
条件: [プルダウン(範囲内)▼]
範囲: E1:E4
✅ リスト設定のポイント
- 選択肢はカンマ(,)で区切る(半角カンマ)
- 別セル参照の場合は絶対参照($)を使う
- リストを追加したい場合は、参照範囲を広めに取っておくと便利
🔢 3. 数値範囲の制限
数値範囲制限とは
数値の入力範囲を制限して、不正な数値の入力を防止します。例えば「点数は0〜100」「年齢は18以上」などを設定できます。
設定手順
📋 数値範囲の設定手順(※横スクロールできます)
【数値範囲設定の手順】
Step 1: セル範囲を選択
Step 2: [データ]タブ → [データの入力規則]
Step 3: 設定
┌────────────────────────────────┐
│ 入力値の種類: [整数 ▼] │
│ │
│ データ: [次の値の間 ▼] │
│ │
│ 最小値: [0 ] │
│ 最大値: [100 ] │
└────────────────────────────────┘
Step 4: [OK]をクリック
【「データ」の選択肢】
・次の値の間 :最小値 〜 最大値
・次の値以上 :最小値以上
・次の値以下 :最大値以下
・次の値に等しい:特定の値のみ
・次の値に等しくない:特定の値以外
数値範囲設定の実例
| 用途 |
設定内容 |
入力可能 |
入力不可 |
| 試験の点数 |
整数, 0〜100 |
0, 50, 100 |
-10, 150, 50.5 |
| 年齢(18歳以上) |
整数, 18以上 |
18, 25, 65 |
17, -5, 18歳 |
| 割合(0〜1) |
小数点数, 0〜1 |
0.5, 0.85, 1 |
-0.1, 1.5, 50% |
| 数量(1以上) |
整数, 1以上 |
1, 10, 100 |
0, -1, 1.5 |
💡 整数と小数点数の違い
- 整数:小数を含まない数(1, 2, 3, …)
- 小数点数:小数を含む数(1.5, 2.75, …)
点数や年齢には「整数」、割合や金額には「小数点数」を使いましょう。
📅 4. 日付範囲の制限
日付範囲制限とは
日付の入力範囲を制限して、有効期間内の日付のみ入力できるようにします。例えば「今年度のみ」「今日以降のみ」などを設定できます。
設定手順
📋 日付範囲の設定手順(※横スクロールできます)
【日付範囲設定の手順】
Step 1: セル範囲を選択
Step 2: [データ]タブ → [データの入力規則]
Step 3: 設定
┌────────────────────────────────┐
│ 入力値の種類: [日付 ▼] │
│ │
│ データ: [次の値の間 ▼] │
│ │
│ 開始日: [2025/01/01] │
│ 終了日: [2025/12/31] │
└────────────────────────────────┘
Step 4: [OK]をクリック
日付範囲設定の実例
📊 よく使う日付制限(※横スクロールできます)
【実例1】今年度のみ(2025年度)
入力値の種類: 日付
データ: 次の値の間
開始日: 2025/04/01
終了日: 2026/03/31
【実例2】今日以降の日付のみ(予約日など)
入力値の種類: 日付
データ: 次の値以上
開始日: =TODAY() ← 関数を使用!
💡 TODAY()関数を使うと、常に「今日以降」が適用される
【実例3】過去の日付のみ(生年月日など)
入力値の種類: 日付
データ: 次の値以下
終了日: =TODAY()
【実例4】特定の期間(イベント申込期間)
入力値の種類: 日付
データ: 次の値の間
開始日: 2025/06/01
終了日: 2025/06/30
⚠️ 日付形式に注意
日付は正しい形式で入力する必要があります。
- ✅ 正しい形式:2025/01/15、2025-01-15
- ❌ 間違った形式:2025年1月15日、1/15/2025
入力規則のダイアログでは、Excelの日付形式に従って入力してください。
⚠️ 5. エラーメッセージの設定
エラーメッセージとは
不正な値が入力されたときに表示するカスタムメッセージを設定できます。何が間違っているかを分かりやすく伝えることができます。
設定手順
📋 エラーメッセージの設定(※横スクロールできます)
【エラーメッセージ設定の手順】
Step 1: データの入力規則ダイアログを開く
Step 2: [エラーメッセージ]タブをクリック
Step 3: 設定
┌────────────────────────────────┐
│ ☑ 無効なデータが入力されたら │
│ エラーメッセージを表示する │
│ │
│ スタイル: [停止 ▼] │
│ │
│ タイトル: [入力エラー ] │
│ │
│ エラーメッセージ: │
│ [0〜100の整数を入力してください]│
└────────────────────────────────┘
Step 4: [OK]をクリック
3種類のエラースタイル
📊 スタイルの違い(※横スクロールできます)
【スタイル1】❌ 停止(最も厳しい)
┌─────────────────────────────────┐
│ ⊗ 入力エラー │
│ │
│ 0〜100の整数を入力してください │
│ │
│ [再試行] [キャンセル] │
└─────────────────────────────────┘
→ 入力を完全に拒否
→ 正しい値を入力するまで進めない
→ 最も厳格なデータ管理向け
【スタイル2】⚠️ 注意(中程度)
┌─────────────────────────────────┐
│ ⚠ 入力の注意 │
│ │
│ 推奨範囲外の値です。 │
│ 続行しますか? │
│ │
│ [はい] [いいえ] [キャンセル]│
└─────────────────────────────────┘
→ 警告を表示するが、[はい]で入力可能
→ 例外的な値を許可したい場合向け
【スタイル3】ℹ️ 情報(最も緩い)
┌─────────────────────────────────┐
│ ℹ 入力のヒント │
│ │
│ 範囲外の値が入力されました │
│ │
│ [OK] [キャンセル] │
└─────────────────────────────────┘
→ 情報を表示し、[OK]で入力可能
→ 参考程度に知らせたい場合向け
| スタイル |
厳しさ |
入力可否 |
使いどころ |
| 停止 |
最も厳しい |
拒否 |
絶対に範囲外を許可しない |
| 注意 |
中程度 |
警告後に可能 |
例外を許可したい |
| 情報 |
最も緩い |
確認後に可能 |
参考程度に通知 |
💬 6. 入力時メッセージの設定
入力時メッセージとは
セルを選択したときに表示されるヘルプメッセージを設定できます。入力する前に「何を入力すればいいか」を案内できます。
設定手順
📋 入力時メッセージの設定(※横スクロールできます)
【入力時メッセージ設定の手順】
Step 1: データの入力規則ダイアログを開く
Step 2: [入力時メッセージ]タブをクリック
Step 3: 設定
┌────────────────────────────────┐
│ ☑ セルの選択時にメッセージを │
│ 表示する │
│ │
│ タイトル: [点数を入力 ] │
│ │
│ 入力時メッセージ: │
│ [0〜100の整数で入力してください]│
└────────────────────────────────┘
Step 4: [OK]をクリック
【表示イメージ】
A列 B列
1 名前 点数
2 田中 [ ] ←── セルを選択
↓
┌────────────────┐
│ 💡 点数を入力 │
│ │
│ 0〜100の整数で │
│ 入力してください│
└────────────────┘
✅ 入力時メッセージのメリット
- 入力ミスを事前に防止できる
- 入力ルールをその場で確認できる
- 別の資料を見なくても入力方法が分かる
⚠️ 7. よくある間違いと注意点
間違い1:既存データには適用されない
❌ よくある間違い(※横スクロールできます)
【間違い】
入力規則を設定したのに、既に入力済みのデータが残っている
【原因】
入力規則は「これから入力するデータ」に有効
設定前に入力済みのデータは制限されない
【対応】
✅ 入力規則設定後、既存データは手動でチェック
✅ 条件付き書式で不正データを色付けして発見
間違い2:コピー&ペーストで入力規則が消える
❌ よくある間違い(※横スクロールできます)
【間違い】
他のセルからコピー&ペーストしたら入力規則が消えた
【原因】
「値のみ貼り付け」を使うと、入力規則は含まれない
【対応】
✅ 通常のコピー&ペースト(Ctrl+V)を使う
✅ または、入力規則を再設定する
✅ 「形式を選択して貼り付け」→「入力規則」を選択
間違い3:リストの選択肢が表示されない
❌ よくある間違い(※横スクロールできます)
【間違い】
リストを設定したのに、▼ボタンが表示されない
【原因1】
「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っていない
【原因2】
選択肢の区切りが全角カンマ(、)になっている
→ 半角カンマ(,)を使う
【原因3】
セルを選択していない状態で見ている
→ セルをクリックすると▼が表示される
⚠️ 入力規則の削除方法
入力規則を解除したい場合:
- セル範囲を選択
- [データ] → [データの入力規則]
- [すべてクリア]ボタンをクリック
- [OK]
📝 練習問題
練習 1
初級
部署列に「営業、開発、総務」のリストから選択できる入力規則を設定してください
操作手順:
- 部署列のセル範囲を選択(例: B2:B10)
- [データ]タブ → [データの入力規則]
- 入力値の種類: リスト
- 元の値: 営業,開発,総務
- [OK]
確認方法:
設定したセルをクリックすると、▼ボタンが表示され、選択肢が表示されます。
練習 2
中級
点数列に0〜100の整数のみ入力できる規則を設定し、範囲外の場合はエラーメッセージを表示してください
操作手順:
- 点数列のセル範囲を選択(例: C2:C10)
- [データ]タブ → [データの入力規則]
- 「設定」タブ:
- 入力値の種類: 整数
- データ: 次の値の間
- 最小値: 0
- 最大値: 100
- 「エラーメッセージ」タブ:
- スタイル: 停止
- タイトル: 入力エラー
- エラーメッセージ: 0〜100の整数を入力してください
- [OK]
確認方法:
150など範囲外の値を入力すると、エラーメッセージが表示され、入力が拒否されます。
練習 3
上級
日付列に今日以降の日付のみ入力できる規則を設定し、入力時にヒントメッセージを表示してください
操作手順:
- 日付列のセル範囲を選択(例: D2:D10)
- [データ]タブ → [データの入力規則]
- 「設定」タブ:
- 入力値の種類: 日付
- データ: 次の値以上
- 開始日: =TODAY()
- 「入力時メッセージ」タブ:
- タイトル: 日付を入力
- 入力時メッセージ: 今日以降の日付を入力してください
- 「エラーメッセージ」タブ:
- スタイル: 停止
- タイトル: 日付エラー
- エラーメッセージ: 今日以降の日付を入力してください
- [OK]
確認方法:
セルを選択すると入力時メッセージが表示され、過去の日付を入力するとエラーになります。
📝 Step 30 のまとめ
✅ このステップで学んだこと
- データの検証:入力できるデータを制限する機能
- リスト:あらかじめ決めた選択肢から選ぶ(ドロップダウン)
- 数値範囲:最小値〜最大値を設定(整数/小数点数)
- 日付範囲:有効期間を設定(TODAY()関数も使用可能)
- エラーメッセージ:停止/注意/情報の3種類
- 入力時メッセージ:入力のヒントを事前に表示
🎯 次のステップの予告
データの検証(入力規則)をマスターしました!次のStep 31では、「重複の削除と空白セルの処理」を学びます。データをクリーンアップする重要な機能を習得します。
❓ よくある質問
Q1: 入力規則を設定済みのセルに、規則外の値が入っているのはなぜですか?
入力規則は「これから入力するデータ」に適用されます。設定前に入力済みのデータは制限されません。既存データは手動でチェック・修正する必要があります。
Q2: 入力規則を一括で解除する方法はありますか?
セル範囲を選択 → [データの入力規則] → [すべてクリア]ボタンをクリックすると、選択範囲の入力規則を一括削除できます。
Q3: リストの選択肢を後から変更できますか?
できます。別セルを参照している場合は、そのセルの内容を変更すれば自動的に反映されます。直接入力の場合は、データの入力規則を開いて「元の値」を編集します。
Q4: 空白セルを許可するにはどうすればいいですか?
データの入力規則ダイアログで「空白を無視する」にチェックを入れます。これで空白セルも入力可能になります。
Q5: 入力規則が設定されているか確認する方法は?
[ホーム]タブ → [検索と選択] → [条件を選択してジャンプ] → [データの入力規則] → [OK] で、入力規則が設定されているセルをすべて選択できます。
Q6: Googleスプレッドシートでも同じことができますか?
はい、Googleスプレッドシートでも[データ] → [データの入力規則]で同様の設定ができます。UIは異なりますが、リスト、数値範囲、日付範囲などの機能は同じです。
Q7: 入力規則をコピーできますか?
はい、入力規則が設定されたセルを通常のコピー&ペースト(Ctrl+C → Ctrl+V)すると、入力規則も一緒にコピーされます。ただし「値のみ貼り付け」では入力規則はコピーされません。
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