📋 このステップで学ぶこと
- 計算フィールドとは
- 計算フィールドの作成方法
- 集計方法の変更
- 構成比(パーセント)の表示
- 前年比・前月比の計算
- 計算アイテムの活用
🎯 1. 計算フィールドとは?
計算フィールドとは、ピボットテーブル内で新しい計算項目を作成する機能です。元データにない項目を、数式を使って追加できます。
💡 計算フィールドでできること
✓ 利益率の計算:売上 − 原価 = 利益、利益 ÷ 売上 = 利益率
✓ 平均単価:売上 ÷ 販売数 = 平均単価
✓ 構成比:各項目の割合を計算
✓ 増減率:前年比、前月比などの変化率
✓ カスタム指標:ビジネス独自のKPIを計算
📊 計算フィールドの使用例
元のピボットテーブル
| りんご |
15,000 |
9,000 |
| バナナ |
8,000 |
5,600 |
| みかん |
12,000 |
7,200 |
✅ 計算フィールド追加後
| りんご |
15,000 |
9,000 |
6,000 |
40% |
| バナナ |
8,000 |
5,600 |
2,400 |
30% |
| みかん |
12,000 |
7,200 |
4,800 |
40% |
計算式:利益 = 売上 − 原価、利益率 = 利益 ÷ 売上
🔑 計算フィールドと計算アイテムの違い
計算フィールド:
・新しい列を追加(利益、利益率など)
・既存のフィールド間で計算
・すべての行に適用される
計算アイテム:
・新しい行を追加(合計、平均など)
・同じフィールド内の項目間で計算
・特定の行のみに適用
📝 2. 計算フィールドの作成方法
計算フィールドを実際に作成してみましょう。
📋 計算フィールドの作成手順(Excel)
- ピボットテーブルを選択(どこかのセルをクリック)
- リボンの [ピボットテーブル分析] タブをクリック
- [フィールド/アイテム/セット] → [集計フィールド] を選択
- ダイアログボックスで設定:
・名前:計算フィールドの名前を入力(例:利益)
・数式:計算式を入力(例:=売上-原価)
- [追加] をクリック
- [OK] をクリックして完了
📝 計算式の書き方(※横スクロールできます)
【計算式の基本ルール】
・フィールド名を使う:=売上-原価
・演算子:
+ (加算) 例:=売上+送料
– (減算) 例:=売上-原価
* (乗算) 例:=単価*数量
/ (除算) 例:=利益/売上
・括弧で計算の優先順位を指定:
=(売上-原価)/売上
・フィールドの挿入:
[フィールド]ボタンからフィールド名をダブルクリックで挿入
📝 計算フィールドの使用例(※横スクロールできます)
【例1】利益の計算
名前:利益
数式:=売上-原価
結果:各商品の利益が新しい列として表示される
【例2】利益率の計算
名前:利益率
数式:=(売上-原価)/売上
結果:各商品の利益率が表示される
※パーセント表示にするには、値フィールドの設定で表示形式を変更
【例3】平均単価の計算
名前:平均単価
数式:=売上/販売数
結果:各商品の平均単価が表示される
【例4】消費税込み価格
名前:税込価格
数式:=売上*1.1
結果:税込価格が表示される
📌 Googleスプレッドシートの場合
残念ながら、Googleスプレッドシートには計算フィールド機能がありません。
代わりに以下の方法を使います:
方法1:元データに計算列を追加(おすすめ)
・元データに「利益」列を追加
・数式で計算:=売上-原価
・ピボットテーブルを更新
方法2:ピボットテーブルの隣に計算列を追加
・ピボットテーブルの右側に列を追加
・数式で計算:=B2-C2
⚠️ 計算フィールドの注意点
計算フィールドは集計後の値を使って計算します。
❌ 間違った理解:
元データの各行で利益を計算 → その後合計
✅ 正しい動作:
売上を合計、原価を合計 → 合計値同士で利益を計算
このため、平均の平均などは正しく計算されません。
正確な計算が必要な場合は、元データに計算列を追加してください。
📊 3. 集計方法の変更
計算フィールドを含め、値フィールドの集計方法を変更できます。
📋 集計方法の変更手順
- 値エリアのフィールドをクリック(または右クリック)
- [値フィールドの設定] を選択
- [計算の種類] タブをクリック
- 集計方法を選択して [OK]
📝 選択できる集計方法
📝 集計方法の活用例(※横スクロールできます)
【例1】売上の合計と平均を両方表示
手順:
1. 「売上」フィールドを値エリアに2回ドラッグ
2. 1つ目:合計のまま
3. 2つ目:値フィールドの設定 → 平均に変更
結果:
商品 売上合計 売上平均
りんご 15,000 1,500
バナナ 8,000 800
みかん 12,000 1,200
【例2】取引件数のカウント
フィールド:注文番号
集計方法:個数
結果:各商品が何回売れたかをカウント
【例3】最高売上の表示
フィールド:売上
集計方法:最大値
結果:各月の最高売上を表示
🎯 よく使う組み合わせ
売上分析:合計、平均、最大値、最小値
顧客分析:個数(顧客数)、平均(客単価)
在庫分析:合計(総在庫)、最大値、最小値
品質管理:平均、標準偏差、分散
📈 4. 構成比(パーセント)の表示
構成比は、全体に対する各項目の割合を表示する機能です。
📋 構成比の表示手順
- 値フィールドをクリック(または右クリック)
- [値フィールドの設定] を選択
- [計算の種類] タブをクリック
- [計算方法] で構成比の種類を選択
- [OK] をクリック
📝 選択できる構成比の種類
総計に対する比率
すべての項目の合計を100%とした割合
列集計に対する比率
各列の合計を100%とした割合
行集計に対する比率
各行の合計を100%とした割合
親行集計に対する比率
グループの合計を100%とした割合
📊 金額と構成比を並べて表示
| りんご |
15,000円 |
42.9% |
| バナナ |
8,000円 |
22.9% |
| みかん |
12,000円 |
34.3% |
| 総計 |
35,000円 |
100.0% |
設定方法:「売上」フィールドを値エリアに2回追加 → 2つ目を「総計に対する比率」に変更
📝 構成比の使用例(※横スクロールできます)
【例1】商品別の売上構成比
元データ:
商品 売上
りんご 15,000円
バナナ 8,000円
みかん 12,000円
総計 35,000円
設定:総計に対する比率
結果:
商品 売上 構成比
りんご 15,000 42.9%
バナナ 8,000 22.9%
みかん 12,000 34.3%
総計 35,000 100.0%
【例2】月別×商品別の構成比(列集計に対する比率)
1月 2月 3月 総計
りんご 40% 50% 35% 42%
バナナ 30% 20% 25% 25%
みかん 30% 30% 40% 33%
総計 100% 100% 100% 100%
※各月を100%として、商品ごとの割合を表示
💡 構成比表示のコツ
✓ 金額と構成比を並べる:値フィールドを2回追加
✓ パーセント表示:値フィールドの設定で表示形式を変更
✓ 小数点以下:1桁表示がおすすめ(42.9%)
✓ 合計の確認:合計が100%になることを確認
📊 5. 前年比・前月比の計算
前年比・前月比は、時系列データの変化を分析する重要な指標です。
📋 前年比・前月比の表示手順
- 値フィールドをクリック(または右クリック)
- [値フィールドの設定] を選択
- [計算の種類] タブをクリック
- [計算方法] で「基準値との差分の比率」を選択
- [基準フィールド] を選択(例:月)
- [基準アイテム] で「前の項目」を選択
- [OK] をクリック
📝 選択できる計算方法
基準値との差分
前の項目との差額を表示(例:+15,000円)
基準値に対する比率
前の項目に対する割合を表示(例:130%)
基準値との差分の比率
増減率を表示(例:+30%)※よく使う
📊 売上と前月比を表示
| 2025年1月 |
50,000円 |
− |
| 2025年2月 |
65,000円 |
+30.0% |
| 2025年3月 |
48,000円 |
−26.2% |
計算式:(今月の売上 − 前月の売上) ÷ 前月の売上 × 100
📝 前年比・前月比の使用例(※横スクロールできます)
【例1】前月比の計算
元データ:
月 売上
2025年1月 50,000
2025年2月 65,000
2025年3月 48,000
設定:
・計算方法:基準値との差分の比率
・基準フィールド:月
・基準アイテム:前の項目
結果:
月 売上 前月比
2025年1月 50,000 –
2025年2月 65,000 +30.0%
2025年3月 48,000 -26.2%
【例2】前年同月比の計算
元データ:
年月 売上
2024年1月 45,000
2024年2月 52,000
2025年1月 50,000
2025年2月 65,000
設定:
・行:月(月でグループ化)
・列:年
・値:売上、前年比
結果:
月 2024年 2025年 前年比
1月 45,000 50,000 +11.1%
2月 52,000 65,000 +25.0%
🎯 増減率の表示テクニック
条件付き書式を追加:
✓ プラスを緑、マイナスを赤で表示
✓ データバーで増減を視覚化
✓ アイコンセット(▲▼)で傾向を表示
分かりやすい表記:
✓ +記号を表示(+30.0%、−26.2%)
✓ パーセント表示に統一
✓ 小数点以下1桁が見やすい
🧩 6. 計算アイテムの活用
計算アイテムは、既存の行項目を使って新しい行を追加する機能です。
📋 計算アイテムの作成手順
- 行または列のフィールドを選択
- [ピボットテーブル分析] タブ → [フィールド/アイテム/セット]
- [集計アイテム] を選択
- ダイアログボックスで設定:
・名前:計算アイテムの名前(例:果物合計)
・数式:計算式(例:=りんご+バナナ+みかん)
- [追加] をクリック
- [OK] をクリック
📝 計算アイテムの使用例(※横スクロールできます)
【例1】カテゴリ別の小計を追加
元の項目:
・りんご
・バナナ
・みかん
・キャベツ
・トマト
計算アイテム:
・果物合計 = りんご + バナナ + みかん
・野菜合計 = キャベツ + トマト
結果:
りんご 15,000
バナナ 8,000
みかん 12,000
果物合計 35,000 ← 計算アイテム
キャベツ 16,000
トマト 12,000
野菜合計 28,000 ← 計算アイテム
【例2】地域グループの集計
元の項目:
・東京
・神奈川
・千葉
・大阪
・京都
計算アイテム:
・関東 = 東京 + 神奈川 + 千葉
・関西 = 大阪 + 京都
【例3】四半期の集計
元の項目:1月、2月、3月…12月
計算アイテム:
・Q1 = 1月 + 2月 + 3月
・Q2 = 4月 + 5月 + 6月
・Q3 = 7月 + 8月 + 9月
・Q4 = 10月 + 11月 + 12月
⚠️ 計算アイテムの注意点
✓ 二重計上に注意:総計に計算アイテムが含まれると二重計上になる
✓ 計算フィールドとの併用不可:同時には使えない
✓ 削除方法:フィールド/アイテム/セット → 集計アイテム → 削除
✓ 代替方法:カスタムグループ化の方が使いやすい場合が多い(Step 42参照)
📝 練習問題
練習 1
初級
利益を計算する計算フィールドを作成してください
📝 課題(※横スクロールできます)
ピボットテーブルに以下のフィールドがあります:
・売上
・原価
「利益」という計算フィールドを作成してください
計算式:利益 = 売上 − 原価
手順:
1. ピボットテーブルを選択
2. [ピボットテーブル分析] タブ → [フィールド/アイテム/セット]
3. [集計フィールド] を選択
4. 設定:
・名前:利益
・数式:=売上-原価
5. [追加] をクリック
6. [OK] をクリック
結果:
商品 売上 原価 利益
りんご 15,000 9,000 6,000
バナナ 8,000 5,600 2,400
みかん 12,000 7,200 4,800
解説:
計算フィールドは、ピボットテーブル内に新しい列を追加します。元データを変更せずに、ピボットテーブル上で計算ができます。フィールド名を使って数式を書くだけで、すべての行に自動的に適用されます。
練習 2
中級
商品別の売上構成比を表示してください
📝 課題(※横スクロールできます)
商品別売上のピボットテーブルがあります:
商品 売上
りんご 15,000
バナナ 8,000
みかん 12,000
総計 35,000
各商品の売上構成比(パーセント)を追加してください
手順:
1. 値エリアの「売上」フィールドをもう一度ドラッグ
(値エリアに「売上」が2つ表示される)
2. 2つ目の「売上」をクリック
3. [値フィールドの設定] を選択
4. [計算の種類] タブをクリック
5. [計算方法] で「総計に対する比率」を選択
6. OK をクリック
7. 表示形式をパーセントに変更
結果:
商品 売上 構成比
りんご 15,000 42.9%
バナナ 8,000 22.9%
みかん 12,000 34.3%
総計 35,000 100.0%
解説:
同じフィールドを2回追加し、それぞれ異なる設定にすることで、金額と構成比を並べて表示できます。「総計に対する比率」を選ぶと、全体を100%とした割合が自動計算されます。
練習 3
中級
前月比を表示してください
📝 課題(※横スクロールできます)
月別売上のピボットテーブルがあります:
月 売上
1月 50,000
2月 65,000
3月 48,000
各月の前月比(増減率)を追加してください
手順:
1. 値エリアの「売上」フィールドをもう一度ドラッグ
2. 2つ目の「売上」をクリック
3. [値フィールドの設定] を選択
4. [計算の種類] タブをクリック
5. [計算方法] で「基準値との差分の比率」を選択
6. [基準フィールド]:月
7. [基準アイテム]:前の項目
8. OK をクリック
結果:
月 売上 前月比
1月 50,000 −
2月 65,000 +30.0%
3月 48,000 −26.2%
解説:
「基準値との差分の比率」を選ぶと、前の項目と比較した増減率が計算されます。1月は比較対象がないため「−」となります。プラスは増加、マイナスは減少を表します。
練習 4
上級
利益率を計算して20%未満を抽出してください
📝 課題(※横スクロールできます)
売上と原価のデータがあります。
要件:
1. 利益率 = (売上 − 原価) ÷ 売上 の計算フィールドを作成
2. 利益率をパーセント表示
3. 利益率が20%未満の商品のみを抽出
手順:
■ 1. 計算フィールドの作成
1. [フィールド/アイテム/セット] → [集計フィールド]
2. 設定:
・名前:利益率
・数式:=(売上-原価)/売上
3. [追加] → [OK]
■ 2. パーセント表示に変更
1. 値エリアの「利益率」をクリック
2. [値フィールドの設定]
3. [表示形式] → パーセント → OK
■ 3. 20%未満を抽出
1. 行ラベルの▼をクリック
2. [値フィルター] → [指定の値より小さい]
3. 「0.2」と入力(20%=0.2)
4. OK をクリック
結果:
商品 売上 原価 利益率
商品B 8,000 6,800 15.0%
商品D 10,000 8,500 15.0%
解説:
計算フィールドで利益率を計算し、値フィルターで絞り込みます。利益率が低い商品を特定することで、価格戦略や原価削減の対象を見つけられます。このような分析は、経営判断に直結する重要な情報です。
❓ よくある質問
Q1: 計算フィールドと元データの計算列、どちらを使うべきですか?
計算フィールド:簡単な計算、ピボットテーブルだけで完結したい場合
元データの計算列:複雑な計算、IF関数など高度な処理が必要な場合
計算フィールドは集計後の値を使うため、行ごとの細かい計算には向きません。正確な計算が必要な場合は、元データに列を追加することをおすすめします。
Q2: 計算フィールドが作成できません
以下を確認してください:
✓ ピボットテーブルが選択されているか
✓ 計算アイテムを使っていないか(計算フィールドと併用不可)
✓ Excelのバージョンが対応しているか
✓ Googleスプレッドシートでは計算フィールド機能がない
Q3: 計算フィールドを削除したい
1. [フィールド/アイテム/セット] → [集計フィールド] を選択
2. 削除したいフィールドを選択
3. [削除] をクリック
4. [OK] をクリック
Q4: 前月比が正しく表示されません
日付フィールドが正しい順序で並んでいるか確認してください。文字列として認識されていると、順序が狂います。また、「基準フィールド」と「基準アイテム」の設定が正しいか確認してください。
Q5: Googleスプレッドシートで計算フィールドを使いたい
Googleスプレッドシートには計算フィールド機能がありません。代わりに:
1. 元データに計算列を追加する(最もシンプル)
2. ピボットテーブルの隣に計算列を追加する
のいずれかの方法を使ってください。
Q6: 計算フィールドで使えない関数はありますか?
計算フィールドでは、基本的な四則演算のみ使えます。
✓ 使える:+、−、*、/、括弧
✗ 使えない:IF、SUMIF、VLOOKUPなどのワークシート関数
複雑な条件分岐が必要な場合は、元データに計算列を追加してください。
📝 Step 43 のまとめ
✅ このステップで学んだこと
🧮 計算フィールド
新しい計算項目を追加(利益、利益率など)
📊 集計方法の変更
合計、平均、個数などの切り替え
🧩 計算アイテム
新しい行項目を追加(カテゴリ別小計など)
🎯 次のステップへ
ピボットテーブルの計算フィールドをマスターしました!これでピボットテーブル編は完了です。次のStep 44からは、データ可視化編に入ります。グラフ作成の基礎を学びます。
artnasekai
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