🐍 STEP 6: Matplotlib入門(環境確認)
いよいよ実践!Pythonでグラフを作り始めよう
📋 このステップで学ぶこと
- Google Colabの使い方と基本操作
- Matplotlibとは何か、なぜ使うのか
- import文の意味と書き方
- 日本語フォントの設定方法
- インラインプロット設定の意味
- 初めてのグラフ作成と保存
🌐 1. Google Colabとは
なぜGoogle Colabを使うのか
プログラミングを始めるとき、最初の壁になるのが「環境構築」です。Pythonをインストールし、必要なライブラリを入れ、設定をする…これだけで何時間もかかることがあります。
Google Colaboratory(通称:Colab)は、Googleが提供する無料のPython実行環境です。ブラウザだけで動くので、何もインストールする必要がありません。つまり、環境構築という壁を完全にスキップできるのです!
Google Colabは「クラウド上のパソコン」のようなものです。
従来のプログラミング:自分のPCにソフトウェアをインストール → 設定 → 動かす(大変!)
Google Colab:ブラウザを開く → コードを書く → 実行(簡単!)
| メリット | 説明 | なぜ嬉しいか |
|---|---|---|
| 完全無料 | Googleアカウントがあればすぐ使える | コストゼロで始められる |
| インストール不要 | ブラウザだけでOK | 環境構築の手間がない |
| 環境構築済み | Pythonや主要ライブラリが既に入っている | すぐにコードを書き始められる |
| どこでも使える | PC、Mac、タブレットから利用可能 | 場所を選ばず学習できる |
| 共有が簡単 | URLを送るだけでコードを共有 | チームでの作業に便利 |
| 自動保存 | 作業内容がGoogleドライブに保存される | データを失う心配がない |
Google Colabへのアクセス方法
Google Colabを使い始めるのはとても簡単です。以下の手順に従ってください。
手順1:ブラウザ(Chrome推奨)で以下のURLにアクセスします。
手順2:Googleアカウントでログインします(既にログインしていればスキップ)。
手順3:画面左上の「ファイル」→「ノートブックを新規作成」をクリックします。
手順4:新しいノートブックが開きます。これでPythonコードを書き始める準備完了です!
Google Colabの作業ファイルは「ノートブック」と呼ばれます。ノートブックはコードと説明文を一緒に書ける特別なファイル形式です。
作成したノートブックは、Googleドライブの「Colab Notebooks」フォルダに自動保存されます。
ファイル名は画面左上の「Untitled0.ipynb」をクリックして変更できます。例えば「データ可視化練習.ipynb」のような名前を付けましょう。
Google Colabの画面構成
ノートブックの画面には、主に2種類の「セル」があります。セルとは、コードや文章を書くための箱のようなものです。
| セルの種類 | 用途 | 追加方法 |
|---|---|---|
| コードセル | Pythonコードを書いて実行する | 「+コード」ボタンをクリック |
| テキストセル | メモや説明を書く(Markdown形式) | 「+テキスト」ボタンをクリック |
コードセルを実行するには、以下のいずれかの方法を使います。
方法1:セルの左にある「▶」ボタンをクリック
方法2:キーボードで「Shift + Enter」を押す(おすすめ!)
📦 2. Matplotlibとは
Matplotlibの概要
Matplotlib(マットプロットリブ)は、Pythonで最も有名なグラフ作成ライブラリです。2003年に開発が始まり、現在では世界中のデータサイエンティストやエンジニアに使われています。
「ライブラリ」とは、誰かが作ってくれた便利な機能の集まりのことです。Matplotlibを使えば、グラフを描くための複雑なプログラムを自分で書く必要がなく、簡単なコードでプロフェッショナルなグラフが作れます。
ライブラリは「調味料セット」のようなものです。
ライブラリなし:醤油を作るところから始める(大変!)
ライブラリあり:市販の醤油を使う → すぐに美味しい料理ができる(簡単!)
| グラフの種類 | 用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| 折れ線グラフ | 時系列の変化を見る | 売上推移、気温変化など |
| 棒グラフ | カテゴリ間の比較 | 部門別売上、商品別個数など |
| 円グラフ | 割合・構成比を見る | 市場シェア、費用内訳など |
| 散布図 | 2変数の関係を見る | 身長と体重、広告費と売上など |
| ヒストグラム | データの分布を見る | テストの点数分布、年齢分布など |
Matplotlibがインストールされているか確認
Google Colabには最初からMatplotlibが入っています。念のため、正しく使えるか確認してみましょう。
以下のコードをコードセルに入力して実行してください。
| コード | 意味 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| import matplotlib | Matplotlibライブラリを読み込む | 使う前に「持ってくる」必要がある |
| matplotlib.__version__ | バージョン情報を取得する | 正しくインストールされているか確認 |
| print(f”…”) | 結果を画面に表示する | バージョン番号を見えるようにする |
実行すると、以下のような結果が表示されます。
エラーが出ずにバージョン番号が表示されれば、Matplotlibは正常に使える状態です!バージョン番号は多少違っていても問題ありません。
📚 3. import文の基本
importとは何か
import(インポート)とは、外部のライブラリを「読み込んで使えるようにする」命令です。Pythonでは、使いたいライブラリを最初にimportしないと、その機能を使うことができません。
importは「道具箱から道具を取り出す」ようなものです。
道具箱にハンマーがあっても、取り出さないと使えません。同様に、Matplotlibがインストールされていても、importしないと使えないのです。
pyplotモジュールとは
Matplotlibの中には、たくさんの機能(モジュール)があります。その中で最も使いやすいのがpyplot(パイプロット)というモジュールです。pyplotを使うと、少ないコードで簡単にグラフを作成できます。
以下のコードをコードセルに入力して実行してください。これがグラフ作成の「おまじない」です。
| 部分 | 意味 | なぜこう書くのか |
|---|---|---|
| import | 「読み込め」という命令 | ライブラリを使うための必須キーワード |
| matplotlib.pyplot | matplotlibの中のpyplotモジュール | グラフ作成に必要な機能がここにある |
| as plt | 「plt」という短い名前を付ける | 毎回長い名前を書かなくて済む |
「as plt」を付けると、以降は「plt」という短い名前でpyplotを使えます。
他のライブラリの慣例的な書き方
Pythonのコミュニティでは、よく使うライブラリの省略形が決まっています。これは世界共通の「お約束」なので、覚えておきましょう。
インラインプロット設定
Google Colabでグラフを表示するには、もう1つ重要な設定があります。それが「インラインプロット設定」です。
以下のコードをコードセルに入力して実行してください。
| 部分 | 意味 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| % | マジックコマンドの印 | ノートブック専用の特殊命令を示す |
| matplotlib | Matplotlibに関する設定 | グラフ表示の方法を指定する |
| inline | ノートブック内に埋め込む | 別ウィンドウではなくセルの下に表示 |
「%matplotlib inline」を書き忘れると、グラフが表示されないことがあります。ノートブックを開いたら、最初に1回だけ実行しておきましょう。
初期設定テンプレート
毎回のグラフ作成で使う「お約束のコード」をまとめました。新しいノートブックを開いたら、最初にこのコードを実行しましょう。
実行すると、以下のメッセージが表示されます。
| コード | 意味 | 設定値の意味 |
|---|---|---|
| plt.rcParams[‘figure.figsize’] | グラフのサイズを設定 | (10, 6) = 幅10インチ、高さ6インチ |
| plt.rcParams[‘figure.dpi’] | グラフの解像度を設定 | 100 = 1インチあたり100ドット(十分きれい) |
🇯🇵 4. 日本語フォントの設定
日本語が表示されない問題
Matplotlibのデフォルト設定では、日本語を表示しようとすると「□□□」(豆腐)のような文字化けが起こります。これは、Matplotlibが使うフォントに日本語の文字が含まれていないためです。
日本語フォント設定をせずに日本語を使うと…
日本語フォント設定の手順
Google Colabで日本語を表示するには、日本語フォントをインストールして設定する必要があります。以下の手順に従ってください。
手順1:まず、日本語フォント(IPAexゴシック)をインストールします。
| 部分 | 意味 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| ! | システムコマンドを実行する印 | Pythonではなく、OSの命令を実行する |
| apt-get | ソフトウェアをインストールする命令 | Linux(Ubuntu)のパッケージ管理ツール |
| -y | 「はい」と自動で答える | 確認を省略してスムーズにインストール |
| fonts-ipaexfont-gothic | IPAexゴシックフォント | 日本語表示に対応したフォント |
手順2:Matplotlibのキャッシュ(一時保存データ)をクリアします。
Matplotlibは、使用するフォントの情報をキャッシュ(一時保存)しています。新しいフォントをインストールしても、古いキャッシュが残っていると新しいフォントが認識されません。キャッシュをクリアすることで、新しくインストールした日本語フォントを使えるようになります。
手順3:フォントの設定をPythonコードで行います。
| コード | 意味 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| plt.rcParams[‘font.family’] | 使用するフォントを指定 | 日本語対応フォントに変更する |
| ‘IPAexGothic’ | IPAexゴシックフォント | 日本語が表示できるフォント名 |
| axes.unicode_minus | マイナス記号の表示設定 | Falseにすると「−」の文字化けを防ぐ |
手順4:日本語が正しく表示されるかテストします。
「日本語テスト:売上推移グラフ」と正しく表示されれば成功です!□□□のような文字化けが起こらなければOKです。
以下のコードを1つのセルにまとめて実行すると便利です。ノートブックを開くたびに最初に実行してください。
🎨 5. 初めてのグラフ作成
最もシンプルなグラフ
ここまでの準備が整ったので、いよいよ最初のグラフを作成しましょう!まずは最もシンプルな折れ線グラフから始めます。
グラフ作成の基本は、たった3ステップです。
| ステップ | 内容 | 使う命令 |
|---|---|---|
| 1. データを用意する | X軸とY軸の値をリストで準備 | x = [1, 2, 3]、y = [4, 5, 6] |
| 2. グラフを描く | plot()関数でグラフを作成 | plt.plot(x, y) |
| 3. 表示する | show()関数でグラフを表示 | plt.show() |
コードを1行ずつ理解する
まず、各行の意味を理解してから、完成コードを実行しましょう。
Step 1:データを用意する
このデータは「xが1のときyは2、xが2のときyは4…」という関係を表しています。リスト([ ]で囲まれた値の集まり)を使って、複数の値をまとめて扱います。
xとyのリストは同じ長さである必要があります。上の例では、どちらも5つの値があります。
Step 2:グラフを描く
| 部分 | 意味 | なぜこう書くのか |
|---|---|---|
| plt | pyplotの省略名 | import時にas pltと書いたから |
| .plot() | 折れ線グラフを描く関数 | plot = プロット = グラフを描く |
| x, y | 使うデータを渡す | どのデータでグラフを描くか指定 |
Step 3:グラフを表示する
plt.plot()だけでは、グラフは「準備」されただけで表示されません。plt.show()を呼ぶことで、準備したグラフが画面に「表示」されます。料理に例えると、plt.plot()は「料理を作る」、plt.show()は「お皿に盛り付けて出す」です。
完成コード:初めての折れ線グラフ
上記の3ステップをまとめた完成コードです。コードセルに入力して実行してください。
実行すると、右肩上がりの折れ線グラフが表示されます。これで、あなたはPythonで最初のグラフを作成できました!たった数行のコードでプロフェッショナルなグラフができることに驚いたかもしれません。
タイトルとラベルを追加する
グラフには、何を表しているかわかるようにタイトルと軸ラベルを付けるべきです。(STEP 2で学んだ「直感的理解を促すデザイン」を思い出してください!)
| 関数 | 意味 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| plt.title() | グラフのタイトルを設定 | 何のグラフかを伝える |
| plt.xlabel() | X軸のラベルを設定 | 横軸が何を表すかを伝える |
| plt.ylabel() | Y軸のラベルを設定 | 縦軸が何を表すかを伝える |
完成コード:タイトルとラベル付きグラフ
日本語を使ったグラフ
日本語フォント設定が完了していれば、日本語でタイトルやラベルを書くことができます。以下は実務で使えるサンプルです。
| オプション | 意味 | 設定例 |
|---|---|---|
| plt.figure(figsize=) | グラフのサイズを設定 | (10, 6) = 幅10、高さ6インチ |
| marker=’o’ | データ点に丸印を付ける | ‘o’=丸、’s’=四角、’^’=三角 |
| linewidth=2 | 線の太さを設定 | 数字が大きいほど太い |
| color=’steelblue’ | 線の色を設定 | 色名または#FF0000形式 |
| fontsize=16 | 文字の大きさを設定 | 数字が大きいほど大きい |
| fontweight=’bold’ | 文字を太字にする | ‘bold’=太字、’normal’=通常 |
| plt.grid(True) | グリッド線を表示 | True=表示、False=非表示 |
| linestyle=’–‘ | 線のスタイルを設定 | ‘–‘=破線、’-‘=実線 |
| alpha=0.3 | 透明度を設定 | 0=透明、1=不透明 |
🎨 6. グラフのカスタマイズ
色の指定方法
Matplotlibでは、色を指定する方法が3つあります。目的に応じて使い分けましょう。
| 方法 | 書き方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1. 色名(英語) | color=’red’、color=’blue’ | わかりやすいが、色数が限られる |
| 2. 短縮形 | color=’r’、color=’b’ | 1文字で書けて楽 |
| 3. HEXコード | color=’#FF6B6B’ | どんな色でも正確に指定できる |
線のスタイル
線の種類を変えることで、グラフの見た目を変えたり、複数の線を区別しやすくできます。
マーカーの種類
データ点にマーカー(印)を付けると、値の位置がはっきりわかります。
カスタマイズの組み合わせ例
色、線のスタイル、マーカーを組み合わせて、オリジナルのグラフを作ってみましょう。
💾 7. グラフの保存
なぜ保存が必要か
作成したグラフは、レポートやプレゼンテーションで使うことが多いです。そのためには、グラフを画像ファイルとして保存する必要があります。
savefig()関数で保存する
グラフを画像として保存するには、plt.savefig()関数を使います。
| オプション | 意味 | 推奨値 |
|---|---|---|
| ‘ファイル名.拡張子’ | 保存するファイル名と形式 | ‘graph.png’、’chart.pdf’など |
| dpi=300 | 解像度(1インチあたりのドット数) | 300(印刷品質)、100(Web用) |
| bbox_inches=’tight’ | 余白を最小限にする | ‘tight’(常に推奨) |
| 形式 | 用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| .png | 最も一般的 | Webや文書に使いやすい、透過対応 |
| .jpg / .jpeg | 写真向き | ファイルサイズが小さい |
| 印刷・論文向き | 拡大しても綺麗(ベクター形式) | |
| .svg | Web向き | 拡大しても綺麗(ベクター形式) |
完成コード:グラフの保存
plt.savefig()はplt.show()の前に書いてください!show()の後に書くと、空白の画像が保存されてしまうことがあります。
1. 画面左側の「📁」フォルダアイコンをクリック
2. ファイル一覧から「my_first_graph.png」を探す
3. 右クリック →「ダウンロード」でPCに保存できます
📝 STEP 6 のまとめ
| トピック | 重要ポイント |
|---|---|
| Google Colab | 無料のPython実行環境。ブラウザだけでOK、インストール不要 |
| Matplotlib | Pythonの定番グラフ作成ライブラリ。ほぼすべてのグラフに対応 |
| import文 | import matplotlib.pyplot as pltでライブラリを読み込む |
| インラインプロット | %matplotlib inlineでノートブック内にグラフを表示 |
| 日本語フォント | IPAexゴシックをインストールして設定する |
| 基本的なグラフ | plt.plot()で折れ線グラフ、plt.show()で表示 |
| カスタマイズ | color、linestyle、markerで見た目を調整 |
| 保存 | plt.savefig()で画像として保存(show()の前に書く) |
このステップで、あなたはPythonでグラフを作成する基礎を習得しました!
覚えておくべき基本パターンは:①import → ②データ準備 → ③plt.plot() → ④タイトル・ラベル → ⑤plt.show()
次のステップでは、棒グラフ、散布図、ヒストグラムなど、さまざまな種類のグラフの作り方を学んでいきます。ここまで来たら、あとは実践あるのみです!
📝 実践演習
以下のデータで折れ線グラフを作成してください。
X軸: [1, 2, 3, 4, 5]
Y軸: [10, 25, 30, 45, 50]
タイトル: “Sales Growth”
ポイント:基本の3ステップ(データ準備→plot→show)に、タイトルとラベルを追加しています。
演習1のグラフに以下のカスタマイズを追加してください。
・線の色: 青(blue)
・線のスタイル: 破線(–)
・マーカー: 丸(o)
・グリッド線を表示
ポイント:plt.plot()の中にオプションを追加することで、見た目をカスタマイズできます。
四半期別の売上データ(Q1: 100万円、Q2: 120万円、Q3: 150万円、Q4: 130万円)を使って、日本語のタイトルとラベルを持つグラフを作成し、’sales_chart.png’として保存してください。
ポイント:savefig()はshow()の前に書くこと、日本語フォント設定を事前に行うことが重要です。
❓ よくある質問
学習メモ
データ可視化マスター - Step 6