🗺️ STEP 18: 地図とジオグラフィックデータ
地理的なデータを地図上に可視化!場所の力を分析に活かそう
📋 このステップで学ぶこと
- 地図ビジュアライゼーションの基礎と活用シーン
- 都道府県別・市区町村別の可視化
- 緯度経度データの活用方法
- マップレイヤーの種類と使い分け
- カスタムジオコーディング
- 地図のカスタマイズとスタイル設定
前提: STEP 6-17でTableauの基本操作を理解していること
📍 1. 地図ビジュアライゼーションの基礎
地図を使うと何が見えるか?
地図(マップ)は、データに「場所」という視点を加える強力なビジュアライゼーションです。数字の羅列では見えなかったパターンが、地図上に配置することで一目で分かるようになります。
テレビの天気予報を思い出してください。「東京は晴れ、大阪は雨、福岡は曇り」と文字で言われるより、日本地図上にアイコンが表示される方が、全体の天気がすぐに把握できますよね。
ビジネスデータも同じです。「関東が好調、関西は不調」が色の濃淡で一目で分かります!
地図を使うべき場面
すべてのデータに地図が適しているわけではありません。地図が効果的な場面を理解しましょう。
| 場面 | 具体例 |
|---|---|
| 地域別の売上 | 都道府県別、市区町村別の売上を色分け |
| 店舗の分布 | 全国の店舗位置と売上規模を地図上に表示 |
| 配送エリア | 配送範囲、配送時間の可視化 |
| 人口・顧客密度 | エリアごとの人口分布、顧客の集中度 |
| 競合分析 | 自社と競合の店舗配置を比較 |
- 時系列の推移:月別売上の推移 → 折れ線グラフの方が適切
- 正確な数値比較:地域A vs 地域B → 棒グラフの方が正確
- 構成比:売上の内訳 → 円グラフの方が分かりやすい
- 地理と関係ないデータ:商品カテゴリ別の分析など
🗾 2. 都道府県別の地図作成
【準備】サンプルデータを作成しよう
地図の練習用に、都道府県と売上のデータを用意します。
Excelで新しいファイルを作成し、以下のデータを入力してください。
| 都道府県 | 市区町村 | 売上 | 緯度 | 経度 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 渋谷区 | 1200000 | 35.658034 | 139.701636 |
| 東京都 | 新宿区 | 1500000 | 35.689487 | 139.691706 |
| 神奈川県 | 横浜市 | 900000 | 35.447753 | 139.642514 |
| 大阪府 | 大阪市 | 1100000 | 34.693738 | 135.502165 |
| 愛知県 | 名古屋市 | 800000 | 35.181446 | 136.906398 |
| 北海道 | 札幌市 | 600000 | 43.064615 | 141.346807 |
| 福岡県 | 福岡市 | 700000 | 33.590355 | 130.401716 |
ファイル名「sales_geo.xlsx」で保存してください。
ポイント:緯度・経度は後で使うので、今は入力しておくだけでOKです。
【実践】都道府県別の地図を作成しよう
Tableauには自動認識機能があり、「都道府県」という名前のフィールドを自動的に地理データとして認識します。
- データペインで「都道府県」と「売上」をCtrl+クリックで両方選択
- 画面右上の「Show Me」パネルをクリック
- 「マップ」(地図のアイコン)を選択
- 自動的に日本地図が表示される!
- 「都道府県」をダブルクリック
- 自動的に緯度・経度が生成され、地図が表示される
- 「売上」を「色」マークにドラッグ
- 売上の大小が色の濃淡で表現される
Tableauは「都道府県」「市区町村」「国名」などのフィールド名を自動認識し、地理的な役割を割り当てます。これにより、緯度・経度が自動生成され、地図に配置されます。
認識されるフィールド名の例:都道府県、Prefecture、市区町村、City、国、Country
地理的役割の設定
フィールド名が認識されない場合や、役割を変更したい場合は、手動で地理的役割を設定できます。
- データペインでフィールドを右クリック
- 「地理的役割」を選択
- 以下から適切な役割を選択:
- 国/地域
- 都道府県
- 市区町村
- 郵便番号
- 空港
- 緯度 / 経度
フィールド名を日本語に変更すると認識されやすくなります:
・「Prefecture」→「都道府県」
・「City」→「市区町村」
・「Region」→「地域」
または、地理的役割を手動で設定してください。
📍 3. 緯度経度データの活用
緯度経度とは
緯度(Latitude)と経度(Longitude)は、地球上の位置を表す座標です。緯度経度があれば、ピンポイントで正確な位置を地図上に表示できます。
| 項目 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 緯度 | 南北の位置(赤道が0°) | 東京駅:35.681236 |
| 経度 | 東西の位置(本初子午線が0°) | 東京駅:139.767125 |
ポイント:日本は北緯24°〜46°、東経123°〜154°の範囲にあります。
【実践】緯度経度で店舗位置を表示しよう
都道府県単位ではなく、店舗ごとの正確な位置を表示してみましょう。
- 「経度」を列シェルフにドラッグ
- 「緯度」を行シェルフにドラッグ
- 自動的に地図が表示される(点が1つの場合もあり)
- 「市区町村」または「店舗名」を「詳細」マークにドラッグ
- 各店舗の位置に点が表示される
- 「売上」を「サイズ」マークにドラッグ
- 売上に応じて円の大きさが変わる!
Tableauが緯度経度を自動認識しない場合は、以下の手順で設定します:
1. 「緯度」フィールドを右クリック →「地理的役割」→「緯度」
2. 「経度」フィールドを右クリック →「地理的役割」→「経度」
設定後、フィールドのアイコンが地球儀マークに変わります。
マークの種類
地図上に表示するマークの種類を変えることで、異なる情報を表現できます。
| マークタイプ | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| 円(バブル) | ポイントを表示、サイズで数値を表現 | 店舗の位置と売上規模 |
| 塗りつぶしマップ | エリア全体を色分け | 都道府県別の売上 |
| 密度(ヒートマップ) | データの密集度を表現 | 顧客の分布、イベント発生箇所 |
🎨 4. マップレイヤーとスタイル
マップスタイルの変更
地図の背景スタイルを変更して、データをより見やすくできます。
| スタイル | 特徴 |
|---|---|
| 通常 | 標準的な地図、道路や地形が表示される |
| ライト | 明るい背景、データが目立ちやすい(推奨) |
| ダーク | 暗い背景、明るい色のデータに最適 |
| 衛星 | 衛星写真、実際の地形を確認したい場合 |
- メニューの「マップ」をクリック
- 「マップレイヤー」を選択
- 「スタイル」から好みのスタイルを選択
- 必要に応じて以下のオプションを調整:
- ☑ 都道府県境界
- ☑ 市区町村境界
- ☑ 海岸線
- ☑ 地名
色の設定
地図上のデータを色で表現する際のカスタマイズ方法を学びます。
- 「売上」を「色」マークにドラッグ
- 「色」の凡例をクリック →「色の編集」
- カラーパレットを選択:
- 青(低)→ 赤(高):直感的な温度マップ風
- 緑(低)→ オレンジ(高):コントラストが強い
- 単色グラデーション:シンプルで見やすい
- 「適用」をクリック
塗りつぶしマップでは、境界線を追加すると各エリアの区切りが明確になります:
1. 「色」マークをクリック
2. 「境界線」をクリック
3. 色(グレー推奨)と太さ(1px推奨)を設定
🔧 5. カスタムジオコーディング
カスタムジオコーディングとは
Tableauが標準で認識しない地名や、独自のエリア区分を地図化する機能です。例えば、「関東エリア」「近畿エリア」のような営業エリア区分を地図に表示できます。
- 営業エリア:北海道、東北、関東、中部、関西、中国、四国、九州
- 独自の地域区分:社内で定義した営業テリトリー
- 海外の地名:Tableauが認識しない外国の都市名
- 施設名:工場、倉庫、店舗などの独自の位置
以下の形式でCSVファイルを作成します:
| エリア名 | 緯度 | 経度 |
|---|---|---|
| 北海道エリア | 43.064615 | 141.346807 |
| 東北エリア | 38.268837 | 140.872101 |
| 関東エリア | 35.689487 | 139.691706 |
- メニューの「マップ」→「ジオコーディング」→「カスタムジオコーディングのインポート」
- 作成したCSVファイルを選択
- フィールドのマッピングを確認(エリア名、緯度、経度)
- 「インポート」をクリック
- データペインでエリア名フィールドの地理的役割を設定
📊 6. 地図ビジュアライゼーションのベストプラクティス
| ルール | 理由 |
|---|---|
| シンプルな背景を使う | 「ライト」スタイルでデータを目立たせる |
| 境界線を追加 | 塗りつぶしマップではエリアの区切りを明確に |
| 色のコントラストを確保 | 高低の差が一目で分かる色を選択 |
| ツールチップを活用 | マウスオーバーで詳細情報を表示 |
| 避けること | 理由 |
|---|---|
| 情報の詰め込みすぎ | 複数のメジャーを同時に表示すると混乱する |
| 似た色の使用 | 高低の差が分かりにくくなる |
| 凡例の省略 | 色やサイズの意味が分からなくなる |
📝 STEP 18 のまとめ
- 地図の活用シーン:地域別売上、店舗分布、配送エリアなど
- 都道府県別の地図:フィールドの自動認識、地理的役割の設定
- 緯度経度の活用:正確な位置表示、バブルチャート
- マークタイプ:円、塗りつぶし、ヒートマップ
- マップスタイル:ライト、ダーク、衛星など
- カスタムジオコーディング:独自エリアの地図化
地図は「場所」という視点をデータに加える強力なツールです。Tableauは「都道府県」などのフィールド名を自動認識するので、簡単に地図が作成できます。緯度経度があればピンポイントの位置表示も可能。ただし、すべてのデータに地図が適しているわけではないので、地図が効果的な場面を見極めましょう!
次のSTEP 19では、「デュアル軸とコンボチャート」を学びます。1つのグラフに2つの異なる指標を表示する方法をマスターしましょう!
📝 理解度チェック
Tableauが「都道府県」というフィールド名を自動認識するのはなぜですか?
Tableauには地理的役割の自動認識機能があり、「都道府県」「市区町村」「国」などの一般的な地理フィールド名を認識して、自動的に緯度・経度を割り当てます。
これにより、ユーザーが緯度経度データを用意しなくても、フィールドをドラッグするだけで地図が作成できます。
緯度経度を使って地図を作成する場合、列シェルフと行シェルフにはそれぞれ何をドラッグしますか?
列シェルフ:経度(東西の位置)
行シェルフ:緯度(南北の位置)
経度は横方向(列)、緯度は縦方向(行)と覚えましょう。
塗りつぶしマップとバブルマップ(円マーク)は、それぞれどのような場面で使い分けますか?
塗りつぶしマップ:エリア全体の比較に適しています。
例:都道府県別の売上、地域ごとの人口密度など。エリアの範囲を視覚的に表現したい場合に使用。
バブルマップ(円マーク):特定のポイント(点)を表示し、サイズで数値を表現するのに適しています。
例:店舗の位置と売上規模、イベント会場と参加者数など。正確な位置を示したい場合に使用。
カスタムジオコーディングはどのような場面で使用しますか?
Tableauが標準で認識しない地名や、独自のエリア区分を地図化する場合に使用します。
具体例:
・営業エリア(北海道、東北、関東、中部、関西など)
・社内で定義した営業テリトリー
・Tableauが認識しない外国の都市名
・工場、倉庫、店舗などの独自の施設位置
🎯 実践演習
都道府県別の売上を地図で表示し、売上が高いほど濃い青色になるようにしてください。
- 「都道府県」をダブルクリック(または列シェルフにドラッグ)
- 自動的に地図が表示される
- 「売上」を「色」マークにドラッグ
- 「色」の凡例をクリック →「色の編集」
- 青色のグラデーションを選択
- 「適用」をクリック
結果:売上が高い都道府県ほど濃い青色で表示される
緯度経度データを使って店舗の位置を地図上に表示し、売上に応じて円のサイズを変えてください。また、市区町村名をツールチップに表示してください。
- 「経度」を列シェルフにドラッグ
- 「緯度」を行シェルフにドラッグ
- 「市区町村」を「詳細」マークにドラッグ
- マークカードを「円」に変更
- 「売上」を「サイズ」マークにドラッグ
- 「売上」を「ラベル」マークにドラッグ(オプション)
- 「ツールチップ」をクリックして内容を確認
結果:各店舗の位置に円が表示され、売上に応じてサイズが変わる
都道府県別の塗りつぶしマップを作成し、さらに各都道府県の中心に売上金額を表示してください。マップスタイルは「ライト」、境界線はグレーに設定してください。
- 「都道府県」をダブルクリック
- 「売上」を「色」マークにドラッグ
- マークタイプが「塗りつぶしマップ」になっていることを確認
- 「売上」を「ラベル」マークにドラッグ
- メニュー →「マップ」→「マップレイヤー」
- スタイルを「ライト」に変更
- 「色」マークをクリック →「境界線」→ グレー、1px
- 必要に応じて「ラベル」の書式設定で数値形式を調整
結果:シンプルな背景の地図上に、売上で色分けされた都道府県と、各都道府県の売上金額が表示される
❓ よくある質問
フィールドを右クリック →「地理的役割」→「都道府県」または「市区町村」を選択します。フィールド名が英語の場合(例:Prefecture)は、日本語に変更するか、手動で地理的役割を設定してください。
緯度経度データを含むCSVファイルを用意し、メニュー →「マップ」→「ジオコーディング」→「カスタムジオコーディングのインポート」からインポートします。または、データソースに緯度経度列を追加してください。
緯度経度だけでは、すべてのデータが1点に集約されてしまいます。「店舗名」や「市区町村」などのディメンションを「詳細」マークにドラッグすると、個別の点が表示されます。
「通常」「ライト」「ダーク」「衛星」などのスタイルから選択できます。ビジネス用途では「ライト」がおすすめです。データが背景に埋もれずに目立ちます。
1つの地図では、「色」で1つのメジャー、「サイズ」で別のメジャーを表現できます。それ以上の指標を表示したい場合は、複数の地図を作成してダッシュボードに配置する方法が効果的です。
「国」フィールドに国名(日本語または英語)を入れれば、自動的に認識されます。国名を右クリック →「地理的役割」→「国/地域」を設定してください。州や都市レベルのデータも多くの国で対応しています。
学習メモ
BIツール入門 - Step 18