📊 STEP 19: デュアル軸とコンボチャート
2つの軸で複雑な関係を表現!売上と利益率を同時に可視化
📋 このステップで学ぶこと
- デュアル軸(二重軸)とは何か、なぜ必要なのか
- デュアル軸の作成方法(3ステップ)
- 棒グラフ+折れ線グラフのコンボチャート
- 軸の同期と独立の使い分け
- 実務活用例(売上と利益率、実績と目標)
- デュアル軸のベストプラクティス
ゴール:2つの異なる指標を1つのグラフで効果的に表現できるようになる
📍 1. デュアル軸とは
デュアル軸の定義と役割
デュアル軸(二重軸)は、2つの異なるメジャーを1つのグラフに重ねて表示する機能です。左右に別々の軸を持つことで、スケールが異なる指標を同時に可視化できます。
例えば、売上(100万円単位)と利益率(%)のように単位が異なる指標を、1つのグラフで比較分析できるようになります。
天気予報で見る「気温と降水量」のグラフを思い出してください。
左軸:気温(℃) 右軸:降水量(mm)
30│ │50
25│ __ │40
20│ / \ ← 気温 │30
15│ / \ │20
10│ / \ │10
│████ ████ ← 降水量│
└─────────────────────┘
月 火 水 木 金
ポイント:気温(折れ線)と降水量(棒グラフ)は単位が違うため、別々の軸で表示しています。これがデュアル軸です!
| 使用場面 | 左軸 | 右軸 |
|---|---|---|
| 売上と利益率 | 売上(金額) | 利益率(%) |
| 売上と個数 | 売上(金額) | 販売個数(数量) |
| 実績と目標 | 実績売上(金額) | 目標ライン(金額) |
| 実績と移動平均 | 日別売上(金額) | 7日移動平均(金額) |
| 売上と顧客数 | 売上(金額) | 顧客数(人) |
| 項目 | 単一軸 | デュアル軸 |
|---|---|---|
| 表示できる指標 | 同じスケールの指標のみ | 異なるスケールの指標も可 |
| グラフの種類 | 1種類 | 2種類の組み合わせ可能 |
| 読み取りやすさ | シンプルで分かりやすい | 複雑だが情報量が多い |
| 使用場面 | 基本的な分析 | 複合的な分析 |
📊 2. デュアル軸の作成方法
デュアル軸作成の3ステップ
デュアル軸の作成は、たった3つのステップで完了します。基本的な手順をマスターしましょう。
| ステップ | 操作 | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | 2つのメジャーを行シェルフに配置 | 「売上」と「利益」など、2つのメジャーを行シェルフにドラッグ |
| 2 | 2つ目のメジャーで右クリック→「二重軸」 | 2つ目のメジャー(右側)を右クリックして「二重軸」を選択 |
| 3 | 各マークカードでグラフの種類を設定 | マークカードに表示される各タブで、棒グラフ・折れ線グラフなどを選択 |
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | 「月」を列シェルフにドラッグ |
| 2 | 「売上」を行シェルフにドラッグ |
| 3 | 「利益」を行シェルフにドラッグ(売上の右側に配置) |
| 4 | 2つ目のメジャー(利益)を右クリック→「二重軸」を選択 |
| 5 | マークカード「SUM(売上)」タブ→「バー」(棒グラフ)を選択 |
| 6 | マークカード「SUM(利益)」タブ→「ライン」(折れ線グラフ)を選択 |
| タブ | 役割 | 設定例 |
|---|---|---|
| すべて | 両方のメジャーに共通の設定 | 色、サイズなどを一括設定 |
| SUM(売上) | 1つ目のメジャーの設定 | バー(棒グラフ)、青色 |
| SUM(利益) | 2つ目のメジャーの設定 | ライン(折れ線グラフ)、オレンジ色 |
📈 3. 棒グラフ+折れ線グラフ(コンボチャート)
コンボチャートとは
コンボチャートは、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせたグラフです。デュアル軸で最もよく使われる形式で、主要な指標を棒グラフ、補助的な指標を折れ線グラフで表現します。
| グラフ | 適した指標 | 理由 |
|---|---|---|
| 棒グラフ | 売上、利益、個数などの「量」 | 棒の高さで量の大小を直感的に比較 |
| 折れ線グラフ | 利益率、達成率、移動平均などの「率・推移」 | 線の傾きでトレンドや変化を表現 |
最も一般的なコンボチャートのパターンです。規模(売上)と収益性(利益率)を同時に分析できます。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | 計算フィールド作成:名前「利益率」、計算式「SUM([利益]) / SUM([売上])」 |
| 2 | 利益率フィールドを右クリック→「既定のプロパティ」→「数値形式」→「パーセンテージ」 |
| 3 | 「月」を列シェルフ、「売上」を行シェルフ、「利益率」を行シェルフに配置 |
| 4 | 「利益率」を右クリック→「二重軸」 |
| 5 | SUM(売上):バー、青色 / 利益率:ライン、オレンジ色 |
読み取れること:売上が高い月の利益率は高いか?低い月はなぜ低いのか?
目標達成状況を視覚的に確認できるパターンです。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | パラメータ作成:名前「売上目標」、データ型「整数」、現在の値「1500000」 |
| 2 | 「月」を列シェルフ、「売上」を行シェルフ、「売上目標」パラメータを行シェルフに配置 |
| 3 | 「売上目標」を右クリック→「二重軸」 |
| 4 | SUM(売上):バー、青色 / 売上目標:ライン、赤色、点線 |
| 5 | 右軸を右クリック→「軸の同期」(同じ金額なので同期) |
読み取れること:棒グラフが目標ラインを超えていれば達成、下回っていれば未達成
日々の変動を除去してトレンドを把握するパターンです。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | 「日付」を列シェルフ(連続、日)に配置 |
| 2 | 「売上」を行シェルフに2回ドラッグ |
| 3 | 2つ目のSUM(売上)を右クリック→「二重軸」 |
| 4 | 2つ目のSUM(売上)を右クリック→「クイック表計算」→「移動平均」 |
| 5 | 表計算の編集で「前の値」を6に設定(7日移動平均) |
| 6 | 1つ目:バー、薄い灰色 / 2つ目:ライン、青色、太線 |
読み取れること:日々のノイズを除去した長期的なトレンド
⚖️ 4. 軸の同期と独立
軸の同期と独立の違い
デュアル軸では、左右の軸を「同期」するか「独立」させるかを選択できます。指標の単位によって使い分けが必要です。
| 項目 | 軸の同期 | 軸の独立(デフォルト) |
|---|---|---|
| スケール | 左右の軸が同じスケール | 左右の軸が異なるスケール |
| 設定方法 | 右軸を右クリック→「軸の同期」 | デフォルトのまま |
| 適した場面 | 同じ単位の指標(売上と利益) | 異なる単位の指標(売上と利益率) |
| メリット | 正確な大小比較ができる | 異なる単位を同時に表示できる |
| 状況 | 問題 | 解決策 |
|---|---|---|
| 売上(100万円)と利益率(20%)を同期 | 利益率が0%付近にペタッと張り付いて見えなくなる | 独立のまま使用する |
| 売上と利益を同期 | 問題なし(両方とも金額) | 同期して正確に比較 |
基本ルール:単位が同じ → 同期OK、単位が違う → 独立のまま
| カスタマイズ項目 | 設定方法 | 設定例 |
|---|---|---|
| 軸の範囲を固定 | 軸を右クリック→「軸の編集」→「固定」 | 開始: 0、終了: 2,000,000 |
| 軸タイトルの変更 | 軸を右クリック→「軸の編集」→「タイトル」 | 「売上(円)」「利益率(%)」 |
| 数値形式の変更 | 軸を右クリック→「書式設定」→「数値」 | 通貨、千単位表示 |
| グリッド線の設定 | 書式→線→グリッド線 | 主グリッド線を薄いグレーに |
💡 5. 実務活用例
ビジネスシーンでの活用
デュアル軸は、複数の視点からデータを分析する際に非常に有効です。代表的な活用例を紹介します。
| 軸 | 設定 |
|---|---|
| 左軸 | 売上(棒グラフ、青色) |
| 右軸 | 利益率(折れ線グラフ、オレンジ色) |
| パターン | 読み取れること |
|---|---|
| 売上↑ 利益率↓ | 値引きキャンペーン?販売促進費がかさんだ? |
| 売上↓ 利益率↑ | 高単価商品が売れた?コスト削減に成功? |
| 売上↑ 利益率↑ | 理想的な状態!成功要因を分析 |
| 売上↓ 利益率↓ | 要改善!原因を早急に特定 |
| 軸 | 設定 |
|---|---|
| 左軸 | 売上(棒グラフ、青色) |
| 右軸 | 顧客数(折れ線グラフ、緑色) |
| パターン | 読み取れること |
|---|---|
| 売上↑ 顧客数↓ | 客単価が上昇している |
| 売上↑ 顧客数↑ | 顧客数増加が売上増加に貢献 |
| 売上↓ 顧客数↑ | 客単価が下落している |
✅ 6. ベストプラクティス
デュアル軸を効果的に使うためのポイント
デュアル軸は情報量が多い分、読み取りが難しくなることがあります。効果的に使うためのポイントを押さえましょう。
| 推奨事項 | 理由 |
|---|---|
| 主要指標を棒グラフ、補助指標を折れ線 | 棒グラフが目立ち、主要指標が分かりやすい |
| 2つのグラフに異なる色を使う | どちらがどの指標か一目で分かる |
| 軸タイトルを明確にする | 左右の軸が何を表しているか明確に |
| 凡例を追加する | 色と指標の対応を明示 |
| 単位が違う場合は独立させる | 両方のグラフが適切なスケールで表示される |
| 非推奨事項 | 問題点 |
|---|---|
| 3つ以上の指標を重ねる | 複雑すぎて読み取れない |
| 似た色を使う | どちらがどの指標か分からない |
| 単位が違うのに軸を同期 | 片方のグラフが見えなくなる |
| 軸タイトルを省略 | 何を表しているか分からない |
| 両方とも棒グラフにする | 重なって見えにくくなる |
📝 STEP 19 のまとめ
- デュアル軸:2つの異なるメジャーを1つのグラフに重ねて表示
- 作成方法:2つ目のメジャーで右クリック→「二重軸」
- コンボチャート:棒グラフ+折れ線グラフの組み合わせ
- 軸の同期:同じ単位の場合に使用
- 軸の独立:異なる単位の場合はデフォルトのまま
- 活用例:売上と利益率、実績と目標、実績と移動平均
デュアル軸は2つの視点を同時に表現する強力な機能です。
特に「売上(規模)と利益率(収益性)」の組み合わせは、ビジネス分析の定番パターンです。
ただし、軸が2つあると解釈が難しくなるため、明確なタイトルと凡例を忘れずに!
覚えておくこと:主要指標は棒グラフ、補助指標は折れ線グラフ
📝 実践演習
月別の売上(棒グラフ)と利益(折れ線グラフ)をデュアル軸で表示してください。両方とも金額なので、軸を同期してください。
| 1 | 「月」を列シェルフにドラッグ |
| 2 | 「売上」を行シェルフにドラッグ |
| 3 | 「利益」を行シェルフにドラッグ(売上の右側) |
| 4 | 「利益」を右クリック→「二重軸」 |
| 5 | SUM(売上)のマークカード:バー、青色 |
| 6 | SUM(利益)のマークカード:ライン、オレンジ色 |
| 7 | 右軸を右クリック→「軸の同期」 |
結果:売上と利益の関係が同じスケールで比較できる
売上(棒グラフ)と利益率(折れ線グラフ)のコンボチャートを作成してください。利益率はパーセンテージ形式で表示してください。
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| 名前 | 利益率 |
| 計算式 | SUM([利益]) / SUM([売上]) |
| 書式設定 | パーセンテージ、小数点以下1桁 |
| 1 | 「月」を列シェルフ、「売上」「利益率」を行シェルフに配置 |
| 2 | 「利益率」を右クリック→「二重軸」 |
| 3 | SUM(売上):バー / 利益率:ライン |
| 4 | 軸は独立のまま(単位が違うため同期しない) |
日別の売上を2回配置し、1つ目は実績(薄い灰色の棒グラフ)、2つ目は7日移動平均(太い青色の折れ線)にして、デュアル軸で重ねてください。軸は同期してください。
| 1 | 「日付」を列シェルフにドラッグ(連続、日に設定) |
| 2 | 「売上」を行シェルフに2回ドラッグ |
| 3 | 2つ目のSUM(売上)を右クリック→「二重軸」 |
| 4 | 2つ目のSUM(売上)を右クリック→「クイック表計算」→「移動平均」 |
| 5 | 表計算の編集:「前の値」を6に設定(7日移動平均) |
| 6 | 1つ目のマークカード:バー、色を灰色(#CCCCCC)に |
| 7 | 2つ目のマークカード:ライン、色を青色、サイズを太く |
| 8 | 右軸を右クリック→「軸の同期」 |
結果:日々の変動(棒グラフ)とトレンド(折れ線)が同時に見える
❓ よくある質問
二重軸を作成するには、2つのメジャーが行シェルフ(または列シェルフ)に横並びで配置されている必要があります。1つが行シェルフ、もう1つが列シェルフだと二重軸は作成できません。
売上(100万円)と利益率(20%)のように単位が異なる場合、同期すると利益率が0%付近にペタッと張り付いてしまいます。
対策:独立のまま使用する(デフォルト状態)
二重軸にすると、マークカードに「すべて」「SUM(メジャー1)」「SUM(メジャー2)」の3つのタブが表示されます。各タブで個別にマークタイプ(棒、折れ線など)を設定できます。
・棒グラフ:売上、利益など量的な比較
・折れ線グラフ:利益率、移動平均などの推移や補助指標
一般的には、分析の主役となる指標を棒グラフにすると見やすくなります。
右軸を右クリック→「ヘッダーの表示」のチェックを外すと、右軸を非表示にできます。ただし、2つの指標がある場合は両方の軸を表示した方が分かりやすいです。
3つ以上の指標を表示したい場合は、別のシートを作成するか、複数のグラフをダッシュボードに並べることをお勧めします。1つのグラフに3つ以上の指標を入れると、読み取りが困難になります。
2つの棒グラフを重ねると、片方が隠れて見えにくくなります。どうしても棒グラフ同士を比較したい場合は:
・1つを細い棒にして重ねる
・色の透明度を調整する
・グループ化棒グラフ(横並び)を使用する
一般的には、棒グラフ+折れ線グラフの組み合わせが最も見やすいです。
学習メモ
BIツール入門 - Step 19