🔗 STEP 21: アクションとインタラクティブ機能
クリックで連動!ダッシュボードを動的にする魔法のアクション
📋 このステップで学ぶこと
- アクションとは何か、なぜダッシュボードに必要なのか
- フィルターアクション(クリックで絞り込み)
- ハイライトアクション(ホバーで強調)
- URLアクション(外部リンク)
- パラメータアクション(値の動的変更)
- アクションの実務活用例とベストプラクティス
ゴール:ユーザーが自由に探索できるインタラクティブなダッシュボードを作成できるようになる
📍 1. アクションとは
アクションの定義と役割
アクションは、ユーザーの操作(クリック、ホバー、選択)に応じて、ダッシュボードを動的に変化させる機能です。静的なグラフの集まりを、ユーザーが自由に探索できるインタラクティブなアプリケーションに変えます。
アクションを使うことで、ユーザーは自分の興味に応じてデータを掘り下げることができ、より深い洞察を得られるようになります。
Google マップを想像してみてください。地図上のお店をクリックすると、詳細情報が表示されますよね?これと同じことをTableauのダッシュボードで実現できます。
地図上で「渋谷駅」をクリック
→ 渋谷駅の詳細情報が表示される
→ 周辺のお店リストも渋谷駅周辺に絞り込まれる
【Tableauダッシュボードの例】
地図上で「東京都」をクリック
→ 売上グラフが東京都だけに絞り込まれる
→ 商品ランキングも東京都のデータに変わる
ポイント:1つの操作で複数のビジュアルが連動して変化する!これがアクションの力です。
| 種類 | トリガー | 効果 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| フィルター | クリック | 他のビジュアルを絞り込む | 地域選択で売上グラフを絞り込み |
| ハイライト | ホバー | 関連データを強調表示 | 商品名にホバーで全グラフを強調 |
| URL | クリック | 外部Webページを開く | 店舗詳細ページへのリンク |
| パラメータ | クリック | パラメータ値を変更 | 選択した店舗を基準に分析 |
| メリット | 説明 |
|---|---|
| ユーザー体験の向上 | 自分で探索できるため、受け身ではなく能動的に分析できる |
| 情報の整理 | 全データを一度に見せず、必要な情報を段階的に表示 |
| 深い洞察 | 「なぜ?」を掘り下げるドリルダウン分析が可能 |
| 外部システム連携 | 詳細情報へのリンクで他システムと接続 |
🎯 2. フィルターアクション(最も重要)
フィルターアクションとは
クリックや選択で、他のビジュアルをフィルタリング(絞り込み)する機能です。最も使用頻度が高く、ダッシュボードの核となるアクションです。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | ダッシュボード上部のメニュー→「ダッシュボード」→「アクション」 |
| 2 | 「アクションを追加」→「フィルター」を選択 |
| 3 | 名前:わかりやすい名前を入力(例:「地域で絞り込み」) |
| 4 | ソースシート:クリックされるシートを選択(例:地図) |
| 5 | ターゲットシート:フィルターされるシートにチェック(複数選択可) |
| 6 | 実行条件:「選択」を選択(クリックで実行) |
| 7 | 選択をクリア:「すべての値を表示」を選択 |
| 8 | 「OK」をクリックして完了 |
| 設定項目 | 選択肢 | 説明 |
|---|---|---|
| 実行条件 | ホバー / 選択 / メニュー | いつアクションを実行するか |
| 選択をクリア | すべての値を表示 / すべての値を除外 / フィルターを保持 | 選択解除時の動作 |
| ソースシート | ダッシュボード内のシート | クリックを受け付けるシート |
| ターゲットシート | ダッシュボード内のシート(複数可) | フィルターが適用されるシート |
| 実行条件 | 動作 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ホバー | マウスを乗せると実行 | 素早い探索 | 誤操作が多い |
| 選択(推奨) | クリックすると実行 | 意図した操作のみ | 1クリック必要 |
| メニュー | 右クリックメニューから実行 | 複数のアクションを選択可 | 操作が増える |
地図で都道府県をクリックすると、他のグラフがその都道府県のデータに絞り込まれる例です。
| シート | 内容 | 役割 |
|---|---|---|
| シート1(地図) | 都道府県別売上の地図 | ソースシート(クリックされる) |
| シート2(棒グラフ) | 商品別売上の棒グラフ | ターゲットシート(絞り込まれる) |
| シート3(折れ線) | 月別売上の折れ線グラフ | ターゲットシート(絞り込まれる) |
地図で「東京都」をクリック
→ 商品別棒グラフが東京都の商品売上に変化
→ 月別折れ線グラフが東京都の月別推移に変化
地図の選択を解除(空白をクリック)
→ すべてのグラフが全国データに戻る
✨ 3. ハイライトアクション
ハイライトアクションとは
ホバーや選択で、関連するデータを強調表示する機能です。フィルターと違い、他のデータを非表示にせず、薄く表示して比較できます。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | ダッシュボードメニュー→「ダッシュボード」→「アクション」 |
| 2 | 「アクションを追加」→「ハイライト」を選択 |
| 3 | 名前:わかりやすい名前を入力(例:「商品をハイライト」) |
| 4 | ソースシート:ホバーされるシートを選択 |
| 5 | ターゲットシート:強調されるシートにチェック |
| 6 | 実行条件:「ホバー」を選択(推奨) |
| 7 | 「OK」をクリックして完了 |
| 項目 | フィルターアクション | ハイライトアクション |
|---|---|---|
| 推奨トリガー | クリック(選択) | ホバー |
| 効果 | 選択外のデータを非表示 | 選択外のデータを薄く表示 |
| 全体の把握 | ×(絞り込まれる) | ○(全体が見える) |
| 詳細分析 | ○(集中して分析) | △(概要把握向き) |
| 解除方法 | 再クリックまたは空白クリック | マウスを外すだけ |
| 使用場面 | ドリルダウン分析 | データの探索・発見 |
| 場面 | 推奨アクション | 理由 |
|---|---|---|
| 特定地域の詳細を深掘り | フィルター | 他データが邪魔にならない |
| どの商品が目立つか確認 | ハイライト | 全体の中での位置を確認 |
| 経営層へのプレゼン | フィルター | 集中して説明できる |
| データの異常値を探す | ハイライト | 素早く多くのデータを確認 |
🔗 4. URLアクション
URLアクションとは
クリックで外部のWebページを開く機能です。詳細情報ページへのリンクや、社内システムとの連携に使用します。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | ダッシュボードメニュー→「ダッシュボード」→「アクション」 |
| 2 | 「アクションを追加」→「URL」を選択 |
| 3 | 名前:わかりやすい名前を入力(例:「店舗詳細を開く」) |
| 4 | ソースシート:クリックされるシートを選択 |
| 5 | URL:開くURLを入力(フィールド埋め込み可能) |
| 6 | 実行条件:「選択」または「メニュー」を選択 |
| 7 | 「OK」をクリックして完了 |
| 種類 | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| 固定URL | https://www.example.com/help | 常に同じページを開く |
| 動的URL | https://example.com/店舗/<店舗ID> | クリックしたデータに応じてURLが変わる |
店舗一覧で店舗名をクリックすると、その店舗の詳細ページを開く例です。
https://店舗管理システム.com/店舗/<店舗ID>
※ <店舗ID> の部分は「挿入」ボタンからフィールドを選択
【動作例】
「渋谷店」(店舗ID = 001)をクリック
→ https://店舗管理システム.com/店舗/001 が開く
「新宿店」(店舗ID = 002)をクリック
→ https://店舗管理システム.com/店舗/002 が開く
| 活用場面 | URL例 |
|---|---|
| Google検索 | https://www.google.com/search?q=<商品名> |
| Google マップ | https://www.google.com/maps/search/<住所> |
| 社内Wiki | https://wiki.company.com/<商品コード> |
| 顧客管理システム | https://crm.company.com/customer/<顧客ID> |
⚙️ 5. パラメータアクション
パラメータアクションとは
クリックでパラメータの値を変更する機能です。選択したデータを基準にした比較分析や、動的な計算に活用できます。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | まずパラメータを作成(例:「選択された店舗」、文字列型) |
| 2 | ダッシュボードメニュー→「ダッシュボード」→「アクション」 |
| 3 | 「アクションを追加」→「パラメータの変更」を選択 |
| 4 | 名前:わかりやすい名前を入力(例:「店舗を選択」) |
| 5 | ソースシート:クリックされるシートを選択 |
| 6 | ターゲットパラメータ:変更するパラメータを選択 |
| 7 | ソースフィールド:パラメータに渡すフィールドを選択 |
| 8 | 「OK」をクリックして完了 |
クリックした店舗を基準に、他の店舗と売上を比較する例です。
| 手順 | 作成するもの | 設定 |
|---|---|---|
| 1 | パラメータ | 名前:基準店舗、データ型:文字列 |
| 2 | 計算フィールド | 基準店舗売上:{FIXED : SUM(IF [店舗名] = [基準店舗] THEN [売上] END)} |
| 3 | 計算フィールド | 基準との差:SUM([売上]) – [基準店舗売上] |
| 4 | パラメータアクション | ソース:店舗一覧、ターゲット:基準店舗パラメータ |
店舗一覧で「渋谷店」をクリック
→ パラメータ「基準店舗」が「渋谷店」に変更
→ 他の店舗の「基準との差」が渋谷店との比較値に更新
✅ 6. ベストプラクティス
アクションを効果的に使うためのポイント
アクションは便利ですが、設計を間違えるとユーザーを混乱させることがあります。効果的に使うためのポイントを押さえましょう。
| 推奨事項 | 理由 |
|---|---|
| フィルターは「選択」トリガー | ホバーだと意図しない絞り込みが発生 |
| ハイライトは「ホバー」トリガー | 素早く多くのデータを探索できる |
| 視覚的フィードバックを提供 | 選択状態がわかるように色や枠線を変更 |
| 選択解除時は「すべて表示」 | ユーザーが直感的に元に戻せる |
| アクション名を分かりやすく | メンテナンス時に内容がすぐわかる |
| 共通フィールドを確認 | ソースとターゲットに同じフィールドが必要 |
| 非推奨事項 | 問題点 |
|---|---|
| フィルターを「ホバー」で設定 | マウスを動かすたびにデータが変わり混乱 |
| アクションを設定しすぎる | 予測できない動作でユーザーが困惑 |
| 解除方法を説明しない | 絞り込んだ後、戻れなくて困る |
| 循環するアクション | A→B→A の連鎖で無限ループ |
| 選択状態がわからないデザイン | 何が選択されているか不明 |
📝 STEP 21 のまとめ
- アクション:ユーザー操作に応じてダッシュボードを動的に変化させる機能
- フィルターアクション:クリックで他のビジュアルを絞り込み(最も重要)
- ハイライトアクション:ホバーで関連データを強調表示
- URLアクション:クリックで外部Webページを開く
- パラメータアクション:クリックでパラメータ値を変更
- 使い分け:詳細分析→フィルター、探索→ハイライト
アクションはダッシュボードを生きたツールに変えます。特にフィルターアクションは必須機能です。
「地図で地域を選択→他のグラフが連動」このような体験が、ユーザーを惹きつけ、自発的な探索を促します。
覚えておくこと:
・フィルター → クリック(選択)
・ハイライト → ホバー
・選択解除時 → 「すべての値を表示」
📝 実践演習
2つのワークシートにフィルターアクションを設定してください。シート1(地図)でクリックした地域で、シート2(棒グラフ)が絞り込まれるようにしてください。
| 1 | ダッシュボードメニュー→「ダッシュボード」→「アクション」 |
| 2 | 「アクションを追加」→「フィルター」を選択 |
| 3 | 名前:「地域で絞り込み」と入力 |
| 4 | ソースシート:シート1(地図)を選択 |
| 5 | ターゲットシート:シート2(棒グラフ)にチェック |
| 6 | 実行条件:「選択」を選択 |
| 7 | 選択をクリア:「すべての値を表示」を選択 |
| 8 | 「OK」をクリック |
ハイライトアクションを設定してください。シート1(商品一覧)にホバーすると、シート2(月別売上)で同じ商品がハイライトされるようにしてください。
| 1 | ダッシュボードメニュー→「ダッシュボード」→「アクション」 |
| 2 | 「アクションを追加」→「ハイライト」を選択 |
| 3 | 名前:「商品をハイライト」と入力 |
| 4 | ソースシート:シート1(商品一覧)を選択 |
| 5 | ターゲットシート:シート2(月別売上)にチェック |
| 6 | 実行条件:「ホバー」を選択 |
| 7 | 「OK」をクリック |
注意:両方のシートに「商品名」フィールドが必要です
URLアクションを設定してください。店舗一覧で店舗をクリックすると、Google マップでその店舗の住所を検索するようにしてください。
| 1 | ダッシュボードメニュー→「ダッシュボード」→「アクション」 |
| 2 | 「アクションを追加」→「URL」を選択 |
| 3 | 名前:「Google マップで表示」と入力 |
| 4 | ソースシート:店舗一覧シートを選択 |
| 5 | URL欄に「https://www.google.com/maps/search/」と入力 |
| 6 | 「挿入」ボタン→「住所」フィールドを選択 |
| 7 | 最終URL:https://www.google.com/maps/search/<住所> |
| 8 | 実行条件:「選択」を選択 |
| 9 | 「OK」をクリック |
結果:店舗をクリックすると、Google マップでその住所が検索される
❓ よくある質問
・ソースシートとターゲットシートが正しく設定されているか
・両方のシートに共通のフィールドがあるか(例:都道府県)
・実行条件(ホバー/選択/メニュー)が正しいか
特に「共通フィールド」が重要です。フィルターアクションは、ソースで選択した値でターゲットをフィルタリングするため、同じフィールドが必要です。
・フィルター:詳細分析。選択したデータだけに集中したいとき
・ハイライト:概要把握。全体の中での位置づけを確認したいとき
迷ったらフィルター(選択トリガー)を基本にして、必要に応じてハイライトを追加しましょう。
・ダッシュボードの空白部分をクリック
・同じ要素をもう一度クリック(トグル)
・Escキーを押す
アクション設定の「選択をクリア」で「すべての値を表示」を選んでおくと、解除時に全データに戻ります。
アクション設定の「ターゲットシート」で複数のシートにチェックを入れると、1クリックで複数のシートが同時にフィルターされます。これにより、ダッシュボード全体が連動して変化する体験を作れます。
ただし、ブラウザの設定やTableau Serverの設定によって動作が異なる場合があります。「URLターゲット」の設定で「新しいタブ」を明示的に指定することもできます。
・選択した店舗を基準に他店舗と比較
・選択した商品の詳細を別パネルに表示
・クリックした日付を起点にした期間分析
フィルターアクションと違い、パラメータは計算に使えるため、より柔軟な分析が可能です。
シートの右上にあるフィルターアイコン(漏斗マーク)をクリックすると、そのシートをソースとしたフィルターアクションが自動的に作成されます。
簡単に設定できる一方、細かいカスタマイズ(名前の変更、選択解除時の動作など)はできません。本格的に使う場合は、手動でアクションを作成することをお勧めします。
学習メモ
BIツール入門 - Step 21