📖 STEP 22: ストーリーの作成とプレゼンテーション
データに物語を!説得力のあるプレゼンテーションを作ろう
📋 このステップで学ぶこと
- ストーリーとは何か(ダッシュボードとの違い)
- ストーリーポイントの作成と編集
- キャプション(説明文)の書き方
- ナビゲーション設定とカスタマイズ
- プレゼンテーションモードの使い方
- 効果的なストーリーテリングの構成パターン
前提: STEP 20-21でダッシュボードを作成できること
📍 1. ストーリーとは
ストーリーの定義
ストーリーは、複数のダッシュボードやワークシートを順序立てて表示する機能です。データに基づいた説得力のあるプレゼンテーションを作成できます。
ストーリーは「データの紙芝居」のようなものです。紙芝居では1枚1枚めくりながら物語を伝えますよね。
ダッシュボードが「1枚の大きな絵」なら、ストーリーは「順番にめくる紙芝居」。
「まず全体を見せて」→「次に詳細を説明」→「最後に結論」という流れを作れます!
ストーリーの使用例
ビジネスの様々な場面でストーリーが活用されています。
| シーン | ストーリーの流れ |
|---|---|
| 経営報告 | 売上推移 → 課題 → 対策 → 予測 |
| 分析レポート | 現状把握 → 原因分析 → 提案 |
| プロジェクト進捗 | 計画 → 実績 → 差異 → 次のステップ |
| 製品紹介 | 概要 → 特徴 → 実績 → 導入事例 |
ストーリー vs ダッシュボード
ダッシュボードとストーリーは、それぞれ異なる目的に適しています。
| 項目 | ダッシュボード | ストーリー |
|---|---|---|
| 目的 | 探索・分析・モニタリング | 説明・プレゼン・報告 |
| 構成 | 1画面に複数のグラフ | 複数ページを順番に表示 |
| 順序 | 自由に閲覧 | 決まった流れで進行 |
| 対象者 | 分析者、日常確認 | 経営者、会議参加者 |
| 例え | 地図(全体を見渡す) | 紙芝居(順番に見せる) |
📄 2. ストーリーの作成
【準備】ダッシュボードを用意しよう
ストーリーを作成する前に、ストーリーに含めるダッシュボードやワークシートを用意しておきましょう。
- ダッシュボード1:全体概要(売上推移、主要KPI)
- ダッシュボード2:詳細分析(地域別、カテゴリ別)
- ダッシュボード3:提案・まとめ(対策、予測)
ヒント:STEP 20-21で作成したダッシュボードを使用してください。
【実践】新規ストーリーを作成しよう
新しいストーリーを作成する方法を学びます。
- 画面下部のタブ領域を確認
- 「新しいストーリー」アイコン(本のようなアイコン)をクリック
- 空白のストーリーが表示される
- 左サイドバーに使用可能なシートとダッシュボードが一覧表示される
- 画面下部のストーリータブを右クリック
- 「名前の変更」を選択
- わかりやすい名前を入力(例:「2024年Q1 売上報告」)
- Enterキーで確定
ストーリーポイントの追加
ストーリーポイントは、ストーリーの各ページのことです。紙芝居でいう「1枚1枚の絵」に相当します。
- 左サイドバーの「シート」または「ダッシュボード」を確認
- 追加したいシートをドラッグしてストーリー領域にドロップ
- ストーリーポイントが追加される
- 上部のキャプション欄に説明文を入力
例:「2024年Q1、売上は前年比120%で成長」
- 上部のナビゲーター領域で「空白」ボタンをクリック
- 新しい空白のストーリーポイントが追加される
- 左サイドバーから次のシートをドラッグ
- キャプションを入力
- 必要な数だけ繰り返す
| 操作 | 方法 | 用途 |
|---|---|---|
| 空白 | 「空白」ボタンをクリック | 新しいポイントを追加 |
| 複製 | 「複製」ボタンをクリック | 現在のポイントをコピー |
| 並び替え | ナビゲーターでドラッグ | 順序を変更 |
| 削除 | ポイントを右クリック→削除 | 不要なポイントを削除 |
🎨 3. ストーリーのカスタマイズ
ナビゲーターのスタイル設定
ナビゲーターは、ストーリーポイント間を移動するためのUIです。スタイルを変更して見やすくしましょう。
- メニューの「ストーリー」をクリック
- 「書式設定」を選択
- 左サイドバーに書式設定パネルが表示される
- 「ナビゲーター」セクションでスタイルを選択
| スタイル | 表示例 | 適した場面 |
|---|---|---|
| 番号 | 1, 2, 3… | シンプル、ポイント数が少ない |
| 点(ドット) | ● ● ● | ミニマル、スペース節約 |
| キャプション | 説明文で表示 | 内容が一目で分かる |
| 番号とキャプション | 1. 売上推移 | プレゼン、報告(推奨) |
キャプションの書き方
キャプションは、各ストーリーポイントの見出しです。聴衆が「このページで何を見ればいいか」を一目で理解できるようにしましょう。
- 簡潔に:1〜2文、30文字以内
- 具体的に:数値や事実を含める
- 結論を示す:「だから何?」に答える
- 行動喚起:次に何をすべきか示す(最終ポイント)
| ❌ 悪い例 | ✅ 良い例 |
|---|---|
| 売上グラフ | Q1売上は目標比120%達成、家電が好調 |
| 分析結果 | 渋谷店の客単価が15%低下、要改善 |
| 対策案 | SNS広告を強化し、来月10%増を目指す |
| 地域別データ | 関東が全体の60%を占め、成長の柱 |
サイズとレイアウトの設定
ストーリーのサイズは、表示するデバイスやプレゼン環境に合わせて設定します。
- 左サイドバーの「サイズ」セクションを確認
- ドロップダウンからサイズを選択:
- 固定サイズ:デスクトップ、タブレット、プレゼン用など
- 自動:画面に合わせて自動調整
- プレゼン用には1920×1080(フルHD)がおすすめ
🎤 4. プレゼンテーションモード
プレゼンモードとは
プレゼンテーションモードは、ストーリーを全画面で表示する機能です。余計なUI(メニューやツールバー)が非表示になり、聴衆がデータに集中できます。
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| メニューから | メニュー →「ウィンドウ」→「プレゼンテーションモード」 |
| ショートカット(Windows) | F7キー |
| ショートカット(Mac) | Command + Enter |
| 操作 | 方法 |
|---|---|
| 次のポイントへ | 矢印キー →、スペース、クリック |
| 前のポイントへ | 矢印キー ← |
| 特定のポイントへジャンプ | ナビゲーターをクリック |
| プレゼンモード終了 | Escキー |
プレゼンモード中でも、ダッシュボード内のフィルターやアクションは通常通り動作します。
質問が来たら、その場でフィルターを変更して詳細を見せたり、特定のデータをハイライトしたりできます。これがTableauストーリーの大きな強みです!
プレゼン時のコツ
- 最初に結論:何を伝えたいか明確に(「売上が好調です」ではなく「売上目標達成です」)
- データで裏付け:グラフを見せながら具体的に説明
- ストーリー性:起承転結を意識(現状→分析→提案→結論)
- インタラクティブ:質問に応じてフィルター操作、詳細表示
- 時間配分:各ポイント1〜2分、全体で10分程度
- 練習:本番前にリハーサルを行う
📊 5. ストーリーテリングの構成パターン
基本的な構成パターン
効果的なストーリーには、いくつかの定番パターンがあります。目的に応じて使い分けましょう。
課題を提示し、原因を分析、対策を提案する流れ
| ポイント | 内容 | キャプション例 |
|---|---|---|
| 1. 現状 | 課題の提示 | 売上が前月比10%減少 |
| 2. 原因 | 原因分析 | 新規顧客の獲得が30%ダウン |
| 3. 対策 | 解決策の提案 | SNS広告を強化、特定商品を訴求 |
| 4. 予測 | 期待される効果 | 対策実施で来月は5%増加見込み |
好調な実績を報告し、成功要因を分析、次の目標を設定する流れ
| ポイント | 内容 | キャプション例 |
|---|---|---|
| 1. 概要 | 結論を先に | Q1の売上は過去最高を記録! |
| 2. 詳細 | 内訳の説明 | 家電カテゴリが前年比150%と好調 |
| 3. 要因 | 成功の理由 | 新商品ヒット、広告効果が大きい |
| 4. 次期目標 | 今後の計画 | Q2は前年比130%を目指す |
- 導入:背景と目的を説明(なぜこの分析をしたのか)
- 現状:全体像を把握(売上推移、主要KPI)
- 深掘り:詳細データで分析(地域別、カテゴリ別)
- 洞察:発見と解釈(なぜそうなったのか)
- 提案:アクションプラン(何をすべきか)
- まとめ:重要ポイントを再確認(結論の強調)
📝 STEP 22 のまとめ
- ストーリー:ダッシュボードを順序立てて表示するプレゼン機能
- ストーリーポイント:各ページ、紙芝居の1枚1枚
- キャプション:各ポイントの見出し、簡潔・具体的に
- ナビゲーター:番号、ドット、キャプションなどのスタイル
- プレゼンモード:全画面表示、フィルターも動作
- 構成パターン:問題解決型、実績報告型
ストーリーはデータに意味を与えるツールです。ただグラフを並べるのではなく、「だから何?」に答えることが重要。
ビジネスの意思決定者は、データではなくインサイト(洞察)を求めています。「売上が下がった」だけでなく、「なぜ下がったか」「どうすべきか」まで伝えましょう!
次のSTEP 23では、「TableauとPower BIの実務での使い分け事例集」を学びます。両ツールの特徴を比較し、どの場面でどちらを選ぶべきかを理解しましょう!
📝 理解度チェック
ストーリーとダッシュボードの主な違いは何ですか?
ダッシュボード:1画面に複数のグラフを配置し、自由に探索・分析する。日常のモニタリングや詳細分析向け。
ストーリー:複数のダッシュボードやワークシートを順序立てて表示する。プレゼンテーションや報告向け。
ダッシュボードが「全体を見渡す地図」なら、ストーリーは「順番にめくる紙芝居」です。
良いキャプションの条件を3つ挙げてください。
1. 簡潔:1〜2文、30文字以内に収める
2. 具体的:数値や事実を含める(「売上グラフ」ではなく「Q1売上は目標比120%達成」)
3. 結論を示す:「だから何?」に答える(「渋谷店の客単価が15%低下、要改善」)
「問題解決型」のストーリー構成を4ステップで説明してください。
1. 現状(課題の提示):「売上が前月比10%減少」など、問題を明確にする
2. 原因分析:「新規顧客の獲得が30%ダウン」など、なぜ問題が起きたか分析
3. 対策:「SNS広告を強化、特定商品を訴求」など、解決策を提案
4. 予測:「対策実施で来月は5%増加見込み」など、期待される効果を示す
プレゼンテーションモード中でもフィルター操作ができるメリットは何ですか?
メリット:聴衆からの質問にその場で対応できることです。
例えば「東京だけのデータは?」と質問されたら、フィルターで東京を選択して即座に見せられます。
これにより、事前に用意したスライドだけでなく、双方向のプレゼンテーションが可能になり、聴衆の関心に応じた柔軟な説明ができます。これがTableauストーリーの大きな強みです。
🎯 実践演習
新しいストーリーを作成し、3つのワークシートを順番に追加してください。各ポイントに具体的なキャプションをつけてください。
- 画面下部の「新しいストーリー」ボタンをクリック
- 左サイドバーから1つ目のワークシートをドラッグ
- キャプションを入力(例:「2024年Q1、売上は前年比115%で成長」)
- 上部の「空白」ボタンをクリックして新しいポイントを追加
- 2つ目のワークシートをドラッグ
- キャプションを入力(例:「家電カテゴリが全体の40%を占める」)
- 同様に3つ目を追加
- キャプションを入力(例:「関東地域が成長を牽引」)
「問題→分析→解決」の3ステップでストーリーを作成してください。ナビゲータースタイルは「番号とキャプション」にしてください。
- 新しいストーリーを作成
- ポイント1:問題を示すダッシュボード
- 売上減少を示すグラフのダッシュボードを追加
- キャプション:「売上が前月比10%減少、早急な対応が必要」
- ポイント2:原因分析のダッシュボード
- セグメント別・地域別分析のダッシュボードを追加
- キャプション:「新規顧客獲得が30%ダウン、広告効果が低下」
- ポイント3:対策を示すダッシュボード
- 対策案や予測のダッシュボードを追加
- キャプション:「SNS広告強化で来月10%増を目指す」
- メニュー →「ストーリー」→「書式設定」
- ナビゲータースタイルを「番号とキャプション」に変更
6ポイントの完全なストーリーを作成してください。構成は「導入→現状→深掘り→洞察→提案→まとめ」とし、プレゼンテーションモードでリハーサルを行ってください。
- ポイント1:導入
- キャプション:「2024年Q1の売上分析と今後の戦略」
- 目的と背景を簡潔に示すダッシュボード
- ポイント2:現状
- キャプション:「Q1売上は目標比105%、前年比115%で推移」
- 売上推移と主要KPIのダッシュボード
- ポイント3:深掘り
- キャプション:「家電カテゴリが40%、関東が60%を占める」
- カテゴリ別・地域別の詳細分析
- ポイント4:洞察
- キャプション:「新商品と広告効果が成長を牽引」
- 成功要因の分析
- ポイント5:提案
- キャプション:「Q2は広告継続と関西強化で130%を目指す」
- アクションプラン
- ポイント6:まとめ
- キャプション:「好調維持のため、広告投資と地域展開を継続」
- 結論の強調
- F7キー(Windows)でプレゼンテーションモードを開始
- 各ポイントを1〜2分で説明するリハーサルを実施
❓ よくある質問
上部のナビゲーター領域で、移動したいポイントをドラッグし、目的の位置にドロップしてください。
詳細な説明は、ダッシュボード内にテキストオブジェクトとして追加するか、口頭で補足します。キャプションは「見出し」と考え、要点だけを記載してください。
ストーリーポイント内のダッシュボードは通常通り操作できます。フィルターが表示されていない場合は、元のダッシュボードでフィルターを表示する設定を確認してください。
1. ストーリーポイントを追加し、ダッシュボードを配置
2. フィルターを操作して目的の状態にする
3. 「このポイントを更新」をクリックして状態を保存
4. 「複製」で次のポイントを作成し、別のフィルター状態にする
メニュー →「ファイル」→「PDFにエクスポート」を選択し、「ストーリー」タブを選択してエクスポートします。各ストーリーポイントが1ページずつPDFになります。
PowerPointへの直接出力はできませんが、PDFをPowerPointに変換するか、各ポイントを画像として出力してスライドに貼り付ける方法があります。
ただし、ポイント間の切り替え時に自然なトランジション効果があります。アニメーションが必要な場合は、「複製」機能を使ってフィルター状態を少しずつ変えたポイントを連続で作成することで、擬似的なアニメーション効果を作成できます。
学習メモ
BIツール入門 - Step 22