📋 このステップで学ぶこと
- Power Queryとは何か(役割と必要性)
- Power Queryエディタの起動方法と画面構成
- データの読み込みと品質確認
- 基本的な変換操作(行・列の操作、データ型変更)
- 適用したステップの管理と編集
- 変換の保存と自動更新の仕組み
ゴール:Power Queryを使って「汚いデータ」を「分析可能な綺麗なデータ」に変換できるようになる
🎯 1. Power Queryとは
Power Queryの役割を理解しよう
Power Queryは、Power BI に搭載されているデータ整形専用のツールです。実際のビジネスデータは「汚い」ことが多く、そのままでは分析できません。Power Queryを使うことで、データを分析に適した形に変換できます。
✅ Power Query = データ整形のスペシャリスト
| 機能 |
説明 |
具体例 |
| データの読み込み |
様々な形式のファイルを取り込む |
Excel、CSV、データベースなど |
| データの変換 |
分析に適した形に整形する |
列の削除、名前変更、型変換 |
| データのクリーニング |
不要なデータを除去・修正する |
空白行削除、重複排除、欠損値処理 |
| データの結合 |
複数のデータを1つにまとめる |
複数シートの統合、テーブル結合 |
なぜPower Queryが必要なのか
現実のビジネスデータには様々な問題があります。これらの問題を解決しないと、正しい分析ができません。
💡 現実のデータに潜む問題点
| 問題の種類 |
具体的な状況 |
Power Queryでの解決方法 |
| 不要な行 |
ヘッダー行が複数ある、合計行が混在 |
行の削除機能 |
| 不要な列 |
メモ欄、空白列、計算用の作業列 |
列の削除機能 |
| データ型の不一致 |
数値が文字列として格納されている |
データ型の変更 |
| 表記の揺れ |
「東京都」「東京」「tokyo」が混在 |
値の置換機能 |
| 欠損値 |
空白セル、NULL値が含まれる |
欠損値の処理 |
| 分散データ |
複数ファイルにデータが分かれている |
データの結合・追加 |
📊 Power Queryの3大メリット
| メリット |
説明 |
ビジネスへの効果 |
| 再利用可能 |
一度作った変換手順を何度でも実行できる |
作業時間の大幅削減 |
| 自動化 |
データ更新時に自動で変換が適用される |
人的ミスの防止 |
| コード不要 |
GUIで操作、裏でMコードが自動生成 |
プログラミング知識なしで使える |
🔧 Power QueryとExcelの比較
| 作業内容 |
Excelで行う場合 |
Power Queryで行う場合 |
| 空白行の削除 |
手動で1行ずつ削除 |
ワンクリックで一括削除 |
| データ更新時 |
同じ作業を最初からやり直し |
更新ボタンで自動適用 |
| 大量データ |
動作が重くなる、クラッシュの可能性 |
高速に処理可能 |
| 元データへの影響 |
直接編集で元データが変わる |
元データは一切変更されない |
🚀 2. Power Queryエディタの起動
Power Queryエディタを開く方法
Power Queryエディタは、Power BI Desktop内からアクセスできる専用の編集画面です。起動方法は3つあり、状況に応じて使い分けます。
📊 起動方法1:新しいデータを取得する時
| 手順 |
操作 |
補足 |
| 1 |
ホームタブ→「データを取得」をクリック |
データソース一覧が表示される |
| 2 |
データソースを選択(Excel、CSVなど) |
使用するファイル形式を選ぶ |
| 3 |
ファイルを選択→「開く」 |
目的のファイルを指定 |
| 4 |
ナビゲーター画面で「データの変換」をクリック |
⚠️「読み込み」ではなく「データの変換」を選ぶ |
| 5 |
Power Queryエディタが起動する |
データ変換の作業画面が開く |
重要:「読み込み」を選ぶと変換せずにそのままデータが取り込まれます。データを加工したい場合は必ず「データの変換」を選んでください。
✅ 起動方法2:既存のクエリを編集する時
| 手順 |
操作 |
補足 |
| 1 |
ホームタブ→「データの変換」ボタンをクリック |
すべてのクエリが表示される |
| 2 |
Power Queryエディタが起動 |
左側のクエリ一覧から編集対象を選択 |
📊 起動方法3:特定のクエリだけを編集する時
| 手順 |
操作 |
補足 |
| 1 |
右側の「フィールド」ペインでテーブル名を右クリック |
編集したいデータを選ぶ |
| 2 |
「クエリの編集」を選択 |
そのクエリだけが表示された状態で起動 |
Power Queryエディタの画面構成
Power Queryエディタは5つのエリアで構成されています。それぞれの役割を理解しておくと、作業がスムーズになります。
💡 Power Queryエディタの画面構成
| エリア |
位置 |
役割と説明 |
| リボンメニュー |
上部 |
変換操作のボタンが並ぶ。「ホーム」「変換」「列の追加」などのタブがある |
| クエリペイン |
左サイドバー |
作成したクエリ(データソース)の一覧。クリックで切り替え |
| データプレビュー |
中央 |
データの内容を表示。最初の200行のみ表示(全データではない) |
| 適用したステップ |
右サイドバー |
変換操作の履歴。すべての操作が記録される |
| ステータスバー |
下部 |
データの行数・列数を表示 |
📊 データプレビューの重要な注意点
| 項目 |
説明 |
| 表示されるのは200行まで |
パフォーマンスのため、プレビューは最初の200行のみ。実際のデータはすべて処理される |
| 列ヘッダーにデータ型表示 |
列名の左側にアイコンが表示される。ABC=テキスト、123=数値、📅=日付 |
| スクロールでデータ確認 |
上下左右にスクロールしてデータの内容を確認できる |
📋 3. データの読み込みと確認
Excelファイルを読み込んでみよう
まずは最も一般的なExcelファイルの読み込みから始めましょう。読み込んだ後は、データの品質を確認することが重要です。
📊 Excelファイル読み込みの詳細手順
| 手順 |
操作 |
ポイント |
| 1 |
ホームタブ→「データを取得」→「Excel」 |
ファイル選択ダイアログが開く |
| 2 |
目的のExcelファイルを選択→「開く」 |
ファイルのパスを確認しておく |
| 3 |
ナビゲーター画面でシート/テーブルを選択 |
左側にシート一覧、右側にプレビューが表示 |
| 4 |
プレビューでデータを確認 |
意図したデータか確認する |
| 5 |
「データの変換」ボタンをクリック |
Power Queryエディタが開く |
データ品質の確認方法
データを読み込んだら、まずデータの品質を確認しましょう。問題のあるデータを早期に発見することで、後の分析でのトラブルを防げます。
✅ データ品質確認の手順
| 確認項目 |
確認方法 |
確認すべきこと |
| 行数・列数 |
下部のステータスバーを確認 |
想定どおりの件数か? |
| 列名 |
列ヘッダーを確認 |
正しい列名になっているか? |
| データ型 |
列ヘッダー左側のアイコン |
数値は数値型、日付は日付型になっているか? |
| 列の品質 |
表示タブ→「列の品質」をON |
エラーや空白の割合は? |
| 列の分布 |
表示タブ→「列の分布」をON |
値の分布は正常か? |
📊 列の品質で表示される情報
| 表示項目 |
意味 |
対処方法 |
| 有効(緑) |
正常なデータの割合 |
100%が理想 |
| エラー(赤) |
エラーを含むセルの割合 |
データ型の変更、エラー行の削除 |
| 空(灰) |
空白セルの割合 |
空白行の削除、値の置換 |
設定方法:表示タブ→「列の品質」チェックボックスをONにすると、各列のヘッダー下にバーが表示されます。
💡 データ型のアイコン一覧
| アイコン |
データ型 |
説明 |
| ABC |
テキスト |
文字列データ(名前、住所など) |
| 123 |
整数 |
小数点なしの数値(個数、IDなど) |
| 1.2 |
10進数 |
小数点ありの数値(金額、割合など) |
| 📅 |
日付 |
日付データ(YYYY/MM/DD形式など) |
| 🕐 |
日付/時刻 |
日付と時刻の両方を含むデータ |
| True/False |
論理値 |
真偽値(はい/いいえ、ON/OFF) |
⚙️ 4. 基本的な変換操作
不要な行を削除する
データの先頭や末尾に、分析に不要な行が含まれていることがあります。Power Queryでは様々な方法で行を削除できます。
📊 行の削除操作一覧
| 削除の種類 |
使用場面 |
操作手順 |
| 上位の行の削除 |
先頭に不要なヘッダー行がある場合 |
ホーム→行の削除→上位の行の削除→行数を入力 |
| 下位の行の削除 |
末尾に合計行やメモがある場合 |
ホーム→行の削除→下位の行の削除→行数を入力 |
| 空白行の削除 |
空の行が混在している場合 |
ホーム→行の削除→空白行の削除 |
| 重複行の削除 |
同じデータが重複している場合 |
列を選択→ホーム→行の削除→重複の削除 |
| エラー行の削除 |
エラーを含む行を除外したい場合 |
列を選択→ホーム→行の削除→エラーの削除 |
✅ 「上位の行の削除」の詳細手順
| 手順 |
操作 |
補足 |
| 1 |
ホームタブをクリック |
リボンの「ホーム」タブを選択 |
| 2 |
「行の削除」ボタンをクリック |
ドロップダウンメニューが表示される |
| 3 |
「上位の行の削除」を選択 |
ダイアログが開く |
| 4 |
削除したい行数を入力(例:2) |
先頭から指定した行数が削除される |
| 5 |
「OK」をクリック |
「適用したステップ」に記録される |
不要な列を削除する
分析に使わない列は削除しておくと、データがすっきりして作業しやすくなります。また、データ量も減るためパフォーマンスも向上します。
📊 列の削除操作一覧
| 削除方法 |
使用場面 |
操作手順 |
| 列の削除 |
特定の1〜数列を削除したい場合 |
列を選択→右クリック→「削除」 |
| 他の列の削除 |
残したい列だけを選んで他を削除 |
残す列を選択→右クリック→「他の列の削除」 |
💡 複数列の選択方法
| 選択方法 |
キー操作 |
説明 |
| 複数の離れた列 |
Ctrlキー + クリック |
Ctrlを押しながら列をクリック |
| 連続した列 |
Shiftキー + クリック |
最初と最後の列をShift+クリック |
| すべての列 |
Ctrl + A |
すべての列を選択 |
列名を変更する
わかりやすい列名にしておくと、後の分析作業がスムーズになります。レポートを見る人にも理解しやすくなります。
📊 列名の変更方法
| 方法 |
操作手順 |
特徴 |
| ダブルクリック |
列ヘッダーをダブルクリック→新しい名前を入力→Enter |
最も素早い方法 |
| 右クリック |
列ヘッダーを右クリック→「名前の変更」→新しい名前を入力 |
メニューから選ぶ方法 |
✅ 列名のベストプラクティス
| 推奨度 |
ルール |
具体例 |
| ✅ 推奨 |
日本語で意味がわかる名前 |
「売上金額」「顧客名」「注文日」 |
| ✅ 推奨 |
簡潔で具体的な名前 |
「売上」より「月間売上」 |
| ⚠️ 注意 |
スペースは使える(ただし避けた方が無難) |
「売上 金額」より「売上金額」 |
| ❌ 避ける |
特殊記号は使わない |
「売上@金額」「売上#1」は避ける |
| ❌ 避ける |
略語だけの名前は避ける |
「URG」より「売上金額」 |
データ型を変更する
データ型が正しくないと、集計やフィルターが正常に動作しません。特に数値や日付のデータは、適切なデータ型に変更することが重要です。
🔧 データ型が正しくないと起こる問題
| 問題 |
原因 |
症状 |
| 集計ができない |
数値がテキスト型になっている |
SUM関数が使えない、グラフに表示できない |
| フィルターがおかしい |
数値がテキスト型になっている |
「1」「10」「2」の順で並ぶ(文字列ソート) |
| 日付計算ができない |
日付がテキスト型になっている |
年月日でのフィルターができない |
| ビジュアルが作れない |
データ型の不一致 |
軸に使えない、エラーが表示される |
📊 データ型の変更手順
| 手順 |
操作 |
補足 |
| 1 |
変更したい列のヘッダー左側のアイコンをクリック |
データ型のリストが表示される |
| 2 |
適切なデータ型を選択 |
テキスト、整数、10進数、日付など |
| 3 |
「現在のものを置換」を選択 |
自動検出された型を上書きする |
ヒント:Power Queryは自動でデータ型を推測しますが、必ずしも正しくありません。特に数値や日付は必ず確認しましょう。
📊 よく使うデータ型の選び方
| データの内容 |
推奨データ型 |
具体例 |
| 名前、住所 |
テキスト |
田中太郎、東京都渋谷区 |
| 個数、ID |
整数 |
100個、ID:12345 |
| 金額、割合 |
10進数 |
1,234.56円、85.5% |
| 日付 |
日付 |
2024/01/15 |
| 日時 |
日付/時刻 |
2024/01/15 14:30:00 |
📝 5. 適用したステップの管理
「適用したステップ」とは
Power Queryの最大の特徴は、すべての操作が「ステップ」として記録されることです。これにより、変換の履歴を確認したり、途中の操作を修正したりできます。
✅ ステップの仕組みを理解しよう
| 特徴 |
説明 |
| すべての操作が記録される |
行の削除、列名変更、データ型変更など、あらゆる操作がステップとして記録される |
| 順序が重要 |
ステップは上から順に実行される。順序を変えると結果が変わる場合がある |
| クリックで時点を確認 |
各ステップをクリックすると、その時点でのデータプレビューが表示される |
| 再実行可能 |
データ更新時に、すべてのステップが自動で再実行される |
📊 よく見かけるステップ名
| ステップ名 |
実行された操作 |
自動生成されるタイミング |
| ソース |
データの読み込み元を指定 |
データ取得時(自動) |
| 昇格されたヘッダー |
1行目を列名として使用 |
データ取得時(自動) |
| 変更された型 |
データ型の自動検出・変更 |
データ取得時(自動) |
| 削除された列 |
列の削除 |
列削除時 |
| 削除された上位の行 |
先頭行の削除 |
行削除時 |
| 名前が変更された列 |
列名の変更 |
列名変更時 |
ステップの操作方法
ステップは後から確認、削除、編集することができます。間違えた操作を取り消したり、設定を変更したりできます。
📊 ステップの基本操作
| 操作 |
方法 |
注意点 |
| ステップの確認 |
ステップ名をクリック |
その時点のデータが表示される |
| ステップの削除 |
ステップ名の左側の×をクリック |
後続のステップに影響する場合あり |
| ステップの編集 |
ステップ名の右側の⚙をクリック |
設定ダイアログが開く |
| ステップ名の変更 |
ステップ名を右クリック→名前の変更 |
わかりやすい名前に変更推奨 |
| 元に戻す |
Ctrl + Z |
直前の操作を取り消し |
🔧 ステップ削除時の注意点
| 状況 |
説明 |
| 後続ステップへの影響 |
途中のステップを削除すると、それ以降のステップがエラーになる可能性がある |
| 列名変更後の削除 |
列名変更ステップを削除すると、その列名を使っている後続ステップがエラーになる |
| 確認ダイアログ |
削除時に確認メッセージが表示される。「削除」を選ぶと確定 |
対処法:エラーが出た場合は、Ctrl + Z で元に戻すか、エラーになったステップを再作成してください。
💡 ステップ名をわかりやすく変更しよう
| デフォルトの名前 |
変更後の例 |
メリット |
| 削除された列 |
メモ列を削除 |
何を削除したか明確 |
| 変更された型 |
売上を数値型に変換 |
どの列を変更したか明確 |
| 削除された上位の行 |
ヘッダー2行を削除 |
何行削除したか明確 |
変更方法:ステップ名を右クリック→「名前の変更」→新しい名前を入力→Enter
💾 6. 変換の保存と読み込み
変換を完了してPower BIに反映する
Power Queryエディタでの変換作業が終わったら、「閉じて適用」でPower BI Desktopに反映させます。この操作で初めて、実際にすべてのデータに変換が適用されます。
📊 変換を反映する方法
| ボタン |
動作 |
使用場面 |
| 閉じて適用 |
変換を実行してエディタを閉じる |
作業完了時 |
| 適用 |
変換を実行(エディタは開いたまま) |
途中で結果を確認したい時 |
| 閉じる |
変換を保留してエディタを閉じる |
後で続きを作業したい時 |
✅ 「閉じて適用」の詳細手順
| 手順 |
操作 |
補足 |
| 1 |
ホームタブ→「閉じて適用」ボタンをクリック |
リボン左端にある大きなボタン |
| 2 |
変換処理が実行される |
進捗バーが表示される |
| 3 |
Power BI Desktopに戻る |
変換後のデータが利用可能に |
| 4 |
データビューで結果を確認 |
変換が正しく適用されているか確認 |
データの更新と自動変換
Power Queryの最大の強みは、元データが更新された時に、設定した変換が自動で再適用されることです。毎回手作業で変換する必要がありません。
📊 データ更新の仕組み
| 手順 |
内容 |
自動で行われること |
| 1 |
元データ(Excel/CSV)を更新 |
Power BIとは別で元ファイルを更新 |
| 2 |
Power BIで「更新」ボタンをクリック |
最新データの読み込みが開始 |
| 3 |
Power Queryの変換が自動実行 |
すべてのステップが再実行される |
| 4 |
レポートが最新データで更新される |
グラフや表が新しいデータを反映 |
💡 データ更新の方法
| 方法 |
操作 |
特徴 |
| 方法1 |
ホームタブ→「更新」ボタン |
最も一般的な方法 |
| 方法2 |
F5キーを押す |
ショートカットで素早く更新 |
| 方法3 |
フィールドペインでテーブルを右クリック→「更新」 |
特定のテーブルのみ更新 |
クエリの複製と参照
同じような変換を別のデータにも適用したい場合、クエリを複製または参照することで効率的に作業できます。
📊 複製と参照の違い
| 操作 |
特徴 |
使用場面 |
| 複製 |
完全に独立したコピーを作成。元を変更しても影響なし |
同じ変換を別のデータに適用したい |
| 参照 |
元のクエリの結果を使用。元を変更すると影響を受ける |
変換結果をさらに加工したい |
✅ クエリの複製・参照の手順
| 手順 |
複製の場合 |
参照の場合 |
| 1 |
左側のクエリペインでクエリを右クリック |
左側のクエリペインでクエリを右クリック |
| 2 |
「複製」を選択 |
「参照」を選択 |
| 3 |
「クエリ名 (2)」として作成される |
新しいクエリとして作成される |
| 4 |
独立して編集可能 |
元のクエリの結果から続けて変換 |
🎨 7. Power Queryのベストプラクティス
変換の推奨順序
変換操作には推奨される順序があります。この順序で行うことで、効率的かつ正確にデータを整形できます。
✅ 推奨される変換の順序
| 順序 |
操作 |
理由 |
具体例 |
| 1 |
不要な行の削除 |
データ量を減らす |
ヘッダー行、空白行 |
| 2 |
不要な列の削除 |
処理を軽くする |
メモ列、作業列 |
| 3 |
データ型の変更 |
正しい型に設定 |
数値、日付 |
| 4 |
列名の変更 |
わかりやすい名前に |
日本語の名前 |
| 5 |
値の置換 |
表記の統一 |
「東京」「tokyo」→「東京都」 |
| 6 |
列の分割・結合 |
必要な形に整形 |
姓名の分割 |
| 7 |
フィルター |
必要なデータに絞る |
特定期間のみ |
| 8 |
並べ替え |
最後に実施 |
日付順、名前順 |
パフォーマンスを意識した変換
大量のデータを扱う場合、変換の仕方によって処理速度が大きく変わります。以下のポイントを意識しましょう。
💡 高速化のコツ
| ポイント |
理由 |
効果 |
| 早い段階で行数を減らす |
処理対象のデータ量が減る |
後続の処理が高速化 |
| 不要な列は早めに削除 |
メモリ使用量が減る |
ファイルサイズも削減 |
| データ型変更は1回で |
複数回変更は非効率 |
ステップ数の削減 |
| 並べ替えは最小限に |
並べ替え処理は重い |
処理時間の短縮 |
| ステップを増やしすぎない |
各ステップに処理コストがかかる |
全体の処理時間短縮 |
エラーへの対処方法
データ変換中にエラーが発生することがあります。エラーの種類を理解し、適切に対処しましょう。
🔧 よくあるエラーと対処法
| エラーの種類 |
原因 |
対処法 |
| DataFormat.Error |
データ型の変換に失敗 |
元データを確認、適切な型を選択 |
| Expression.Error |
式や計算のエラー |
計算式を確認、NULLチェック追加 |
| DataSource.Error |
データソースにアクセスできない |
ファイルパスを確認、接続設定を確認 |
| 列が見つからない |
列名が変更された/削除された |
元データの列名を確認 |
📊 エラー確認と処理の手順
| 手順 |
操作 |
目的 |
| 1 |
表示タブ→「列の品質」をON |
エラーの割合を確認 |
| 2 |
列ヘッダーのフィルター→「エラー」を選択 |
エラー行のみを表示 |
| 3 |
エラーセルをクリック |
エラーの詳細を確認 |
| 4 |
原因に応じた対処を実施 |
データ型変更、値の置換、行の削除など |
📝 STEP 28 のまとめ
✅ このステップで学んだこと
- Power Query: データ整形の専用ツール。汚いデータを綺麗にする
- 起動方法: 「データの変換」ボタンから起動
- 基本操作: 行・列の削除、列名変更、データ型変更
- ステップ: すべての操作が履歴として自動記録される
- 閉じて適用: 変換を実行してPower BIに反映
- 自動更新: 元データ変更時も設定した変換が自動で再適用
💡 最重要ポイント
Power Queryはデータ分析の成否を決める重要なツールです。
「汚いデータ」を「綺麗なデータ」に変換することで、その後の分析がスムーズになります。
一度設定すれば、データ更新時に自動で変換が適用されるのが最大の強み。
時間をかけて丁寧にデータを整形しましょう!
📝 実践演習
演習 1
基礎
Excelファイルを読み込み、Power Queryエディタを起動してください。不要な列を1つ削除し、「適用したステップ」で削除が記録されていることを確認してください。
【手順】
| 1 |
ホームタブ→「データを取得」→「Excel」 |
| 2 |
Excelファイルを選択→「開く」 |
| 3 |
ナビゲーターでシートを選択 |
| 4 |
「データの変換」をクリック(重要!) |
| 5 |
不要な列のヘッダーを右クリック→「削除」 |
| 6 |
右サイドバーの「適用したステップ」を確認 |
💡 確認ポイント:
- 「削除された列」というステップが追加されている
- ステップをクリックすると、その時点のデータが表示される
- ×をクリックするとステップを削除できる
演習 2
応用
以下の変換を順番に実行してください:①先頭の2行を削除、②「ID」列以外の列の名前をわかりやすく変更、③数値の列のデータ型を「整数」に変更。最後に「閉じて適用」でPower BIに反映してください。
【手順】
①先頭の2行を削除:
| 1 |
ホームタブ→「行の削除」→「上位の行の削除」 |
| 2 |
「2」を入力→「OK」 |
②列名の変更:
| 1 |
変更したい列ヘッダーをダブルクリック |
| 2 |
新しい名前を入力(例:「売上金額」)→Enter |
| 3 |
他の列も同様に変更 |
③データ型の変更:
| 1 |
数値列のヘッダー左側のアイコンをクリック |
| 2 |
「整数」を選択 |
④反映:
| 1 |
ホームタブ→「閉じて適用」 |
| 2 |
Power BI Desktopに戻り、データビューで確認 |
演習 3
発展
複数の変換を行った後、1つのステップを削除してデータがどう変わるか確認してください。その後、削除したステップを再作成してください。
【ステップ1:複数の変換を実施】
【ステップ2:ステップの削除】
| 1 |
右サイドバーの「適用したステップ」から中間のステップを選ぶ |
| 2 |
ステップ名の左側の×をクリック |
| 3 |
確認メッセージ→「削除」 |
| 4 |
データプレビューの変化を確認 |
【ステップ3:影響の確認】
- 列名変更ステップを削除した場合→列名が元に戻る
- 後続のステップでエラーが出る可能性あり(!マークが表示)
【ステップ4:ステップの再作成】
| 1 |
削除したステップの直前のステップをクリック |
| 2 |
削除した操作を再度実行 |
| 3 |
新しいステップが追加される |
💡 学習ポイント:
- ステップは順序が重要
- 途中のステップを削除すると後続に影響
- Ctrl+Zで元に戻せる
❓ よくある質問
Q1: Power Queryでの変換は元データに影響しますか?
いいえ、元データは一切変更されません。
Power Queryはデータを読み込んで変換しますが、元のExcelやCSVファイルは変更されません。変換結果はPower BIの内部データモデルに保存されます。
これにより、安心してデータを加工でき、必要に応じて元データを確認することもできます。
Q2: データプレビューに全データが表示されないのはなぜですか?
パフォーマンスのため、最初の200行のみ表示されます。
これはあくまでプレビューであり、実際には全データが処理されています。「閉じて適用」を実行すると、すべてのデータに変換が適用されます。
画面下部のステータスバーで、実際のデータ件数を確認できます。
Q3: ステップを間違えて削除してしまいました。元に戻せますか?
Ctrl + Z で元に戻せます。
通常の操作と同じように、取り消し機能が使えます。複数回押せば、複数の操作を取り消すこともできます。
また、もう一度同じ操作を実行すれば、新しいステップとして追加されます。
Q4: Power Queryとデータビューの違いは何ですか?
Power Queryはデータ変換用、データビューは確認用です。
| 項目 |
Power Query |
データビュー |
| 目的 |
データを整形・変換する |
変換後のデータを確認する |
| 履歴 |
すべての操作が記録される |
履歴は残らない |
| 機能 |
高度な変換が可能 |
閲覧と簡単な編集のみ |
データの整形は必ずPower Queryで行いましょう。
Q5: 「読み込み」と「データの変換」の違いは何ですか?
「読み込み」はそのまま取り込み、「データの変換」は加工してから取り込みます。
| ボタン |
動作 |
| 読み込み |
データをそのままPower BIに取り込む。後からPower Queryで編集は可能 |
| データの変換 |
Power Queryエディタが開き、変換してから取り込む |
データを加工する必要がある場合は、「データの変換」を選ぶのがおすすめです。
Q6: データ型を変更したらエラーが出ました。どうすればいいですか?
元データに変換できない値が含まれている可能性があります。
例えば、数値に変換しようとした列に「N/A」や「-」などの文字が含まれていると、エラーになります。
対処法:
- 列の品質を表示してエラーの割合を確認
- エラー行のみをフィルターして内容を確認
- エラーを含む値を「値の置換」で修正
- または、エラー行を削除
Q7: 変換処理が遅いのですが、どうすれば高速化できますか?
以下のポイントを確認してください:
- 不要な列を早めに削除:処理するデータ量が減ります
- フィルターを早めに適用:行数を減らすと後続の処理が高速化
- ステップ数を最小限に:必要以上に細かくステップを分けない
- 並べ替えは最後に:並べ替え処理は負荷が高い
artnasekai
#artnasekai #学習メモ