STEP 40:カスタムビジュアルの活用

🎨 STEP 40: カスタムビジュアルの活用

AppSourceで可能性無限大!高度なビジュアルを使いこなそう

📋 このステップで学ぶこと

  • AppSourceとカスタムビジュアルの概要
  • カスタムビジュアルのインストール方法
  • Gantt Chart(ガントチャート)の作成
  • Word Cloud(ワードクラウド)の作成
  • Sankey Diagram(サンキーダイアグラム)の作成
  • その他のおすすめカスタムビジュアル

ゴール:標準ビジュアルではできない高度な可視化をカスタムビジュアルで実現できるようになる

🎨 1. AppSourceとカスタムビジュアル

AppSourceとは

AppSourceは、Microsoftが提供する公式のビジュアルマーケットプレイスです。無料・有料のカスタムビジュアルを追加することで、標準ビジュアルにはない高度な可視化が可能になります。現在、数百種類のビジュアルが公開されています。

✅ カスタムビジュアルの主なカテゴリ
カテゴリ 含まれるビジュアル 活用シーン
📊 チャート拡張 ガントチャート、箱ひげ図、3Dグラフ プロジェクト管理、統計分析
📈 分析ツール 予測分析、統計分析、機械学習統合 高度なデータ分析
🎯 インタラクティブ 高機能スライサー、ドリルダウン強化 ユーザー操作の向上
🌐 地図・位置情報 高度な地図、ヒートマップ、ルートマップ 地理データの可視化
📝 テキスト・画像 ワードクラウド、テキスト分析、画像ギャラリー テキストデータの分析
🎨 デザイン・装飾 インフォグラフィック、カスタムKPI 見栄えの良いレポート
💡 人気のカスタムビジュアル TOP5
ビジュアル名 用途 特徴
Gantt Chart プロジェクト管理 タスクのスケジュールと進捗を可視化
Word Cloud テキスト分析 単語の出現頻度を文字サイズで表現
Sankey Diagram フロー可視化 データの流れを帯の太さで表現
Timeline Slicer 時系列フィルター ドラッグで期間選択、ズーム機能
Chiclet Slicer 見栄えの良いスライサー タイル状の見た目、画像表示対応
✅ カスタムビジュアルのメリット
メリット 説明
表現力UP 標準ビジュアルではできない高度な可視化が可能
専門的 業界特有のニーズに対応したビジュアルが豊富
無料が多い ほとんどのビジュアルが無料で利用可能
選択肢が豊富 数百種類のビジュアルから最適なものを選択
⚠️ カスタムビジュアルの注意点
注意点 説明 対策
パフォーマンス 重いビジュアルがある 本番前にテスト
サポート サードパーティ製が多い 評価とレビューを確認
更新 開発が止まることもある 信頼できる発行元を選択
セキュリティ 組織ポリシーで制限される場合 管理者に確認
互換性 バージョンアップで動かなくなる可能性 定期的に更新確認

📥 2. カスタムビジュアルのインストール

AppSourceからのインストール手順

Power BI Desktop内から直接AppSourceにアクセスし、カスタムビジュアルをインストールできます。数クリックで完了する簡単な手順です。

📊 AppSourceからのインストール手順
手順 操作 補足
1 視覚化ペインの「…」(その他)をクリック ビジュアル一覧の下部にある
2 「AppSourceからビジュアルを取得」を選択 AppSourceダイアログが開く
3 検索ボックスでビジュアル名を検索 例:「Gantt」「Word Cloud」など
4 評価とレビューを確認 ★が多く、ダウンロード数が多いものが安心
5 「追加」ボタンをクリック ライセンス条項に同意が必要
6 視覚化ペインに新しいアイコンが追加される これでビジュアルが使用可能に
📊 インストール済みビジュアルの管理
操作 手順 補足
一覧確認 「…」→「すべてのビジュアルを表示」 インストール済みビジュアル一覧が表示
削除 ビジュアルを右クリック→「削除」 不要なビジュアルを整理
更新 AppSourceで「更新」ボタンをクリック 新しいバージョンがあれば更新可能
💡 ビジュアル選択のポイント
チェック項目 確認内容
発行元 Microsoft製か、信頼できる企業か確認
評価 ★4以上で、レビュー数が多いものが安心
最終更新日 最近更新されているものを選ぶ
ダウンロード数 多くの人に使われている=信頼性が高い

📊 3. Gantt Chart(ガントチャート)

Gantt Chartとは

ガントチャートは、タスクの開始日・終了日・進捗を横棒で表現するグラフです。プロジェクトのスケジュール管理に最適で、「誰がいつ何をやるのか」が一目でわかります。

✅ Gantt Chartに必要なデータ
フィールド 必須/任意 説明
タスク名 必須 タスクの名前(要件定義、設計など)
開始日 必須 タスクの開始日
終了日 必須 タスクの終了予定日
担当者 任意 タスクの担当者(色分けに使用)
進捗率 任意 完了率(0%〜100%)
親タスク 任意 階層構造を作る場合に使用
📊 Gantt Chart用サンプルデータ
タスクID タスク名 開始日 終了日 担当 進捗
1 要件定義 2024/1/1 2024/1/15 山田 100%
2 設計 2024/1/16 2024/2/15 佐藤 80%
3 開発 2024/2/1 2024/3/31 田中 50%
4 テスト 2024/3/15 2024/4/15 鈴木 20%
5 リリース 2024/4/16 2024/4/30 山田 0%
📊 Gantt Chartの作成手順
手順 操作 補足
1 AppSourceで「Gantt」を検索 「Gantt Chart by MAQ Software」を推奨
2 「追加」をクリックしてインストール 視覚化ペインにアイコンが追加される
3 Gantt Chartビジュアルをキャンバスに配置 アイコンをクリックして配置
4 フィールドを設定 タスク名、開始日、期間、担当者、進捗率を配置
5 書式設定で見た目を調整 今日の線を表示、担当者ごとに色分け
💡 期間(日数)を計算するメジャー(入力するDAX)
期間 = 
DATEDIFF(
    タスク[開始日],
    タスク[終了日],
    DAY
) + 1

※モバイルでは横スクロールできます

📊 Gantt Chartの活用シーン
業種 活用例
IT・開発 プロジェクト管理、リリーススケジュール、遅延タスクの特定
製造業 生産計画、設備稼働スケジュール、納期管理
イベント イベント準備タスク、会場手配、広報活動計画
マーケティング キャンペーンスケジュール、コンテンツ制作進捗

☁️ 4. Word Cloud(ワードクラウド)

Word Cloudとは

ワードクラウドは、単語の出現回数に応じて文字の大きさを変えて表示するビジュアルです。顧客の声、レビュー、SNS分析などテキストデータの傾向が一目でわかります。

✅ Word Cloudに必要なデータ
フィールド 必須/任意 説明
単語(カテゴリ) 必須 表示する単語やキーワード
出現回数(値) 任意 単語の重要度(指定しないと自動カウント)
色分け用カテゴリ 任意 ポジティブ/ネガティブなどで色分け
📊 Word Cloud用サンプルデータ
単語 出現回数 感情
品質 150 ポジティブ
価格 120 ネガティブ
サービス 110 ポジティブ
対応 100 ポジティブ
遅い 80 ネガティブ
丁寧 75 ポジティブ
📊 Word Cloudの作成手順
手順 操作 補足
1 AppSourceで「Word Cloud」を検索 「Word Cloud by Microsoft」を推奨
2 「追加」をクリックしてインストール 視覚化ペインにアイコンが追加される
3 Word Cloudビジュアルをキャンバスに配置 アイコンをクリックして配置
4 カテゴリに「単語」フィールドを配置 表示する単語を指定
5 値に「出現回数」フィールドを配置(任意) 文字サイズの基準になる
6 書式設定でフォントと色を調整 日本語フォントを選択、回転0度推奨
💡 Word Cloud書式設定のポイント
設定項目 推奨値 理由
フォント メイリオ、Yu Gothic 日本語が正しく表示される
最大サイズ 80〜100pt 重要な単語が目立つ
最小サイズ 12〜15pt 小さい単語も読める
回転 0度 日本語は横書きが読みやすい
グラデーションまたはカテゴリ別 ポジティブ=青、ネガティブ=赤など
📊 Word Cloudの活用シーン
分野 活用例
顧客分析 レビュー分析、良い点/悪い点の把握、改善ポイント発見
SNS分析 ハッシュタグ分析、ブランドメンション、トレンドワード特定
アンケート 自由記述欄の分析、キーワード抽出、テーマ分類
コールセンター 問い合わせ内容分析、クレーム要因特定、FAQ改善

🌊 5. Sankey Diagram(サンキーダイアグラム)

Sankey Diagramとは

サンキーダイアグラムは、データの流れを帯の太さで表現するビジュアルです。ユーザーの行動フロー、予算配分、エネルギーフローなど、「どこから→どこへ→どれだけ」が直感的にわかります。

✅ Sankey Diagramに必要なデータ
フィールド 必須/任意 説明
Source(始点) 必須 フローの出発点(例:トップページ)
Destination(終点) 必須 フローの到着点(例:商品詳細)
Weight(重み/量) 必須 フローの量(例:ユーザー数)
📊 Sankey Diagram用サンプルデータ(ECサイトの行動フロー)
From(始点) To(終点) ユーザー数
トップ 商品一覧 10,000
トップ 検索 5,000
商品一覧 商品詳細 6,000
商品一覧 カート 2,000
商品詳細 カート 3,000
カート 購入完了 3,500
カート 離脱 1,500
📊 Sankey Diagramの作成手順
手順 操作 補足
1 AppSourceで「Sankey」を検索 「Sankey Diagram」を選択
2 「追加」をクリックしてインストール 視覚化ペインにアイコンが追加される
3 Sankey Diagramビジュアルをキャンバスに配置 アイコンをクリックして配置
4 Sourceに「From」フィールドを配置 フローの始点
5 Destinationに「To」フィールドを配置 フローの終点
6 Weightに「ユーザー数」フィールドを配置 帯の太さの基準
7 書式設定でノードの色とリンクの透明度を調整 透明度60%程度が見やすい
📊 Sankey Diagramの活用シーン
分野 活用例
Web分析 ユーザージャーニー、離脱ポイント特定、コンバージョンパス
予算配分 部門→プロジェクト→費目、資金の流れ、コスト構造
サプライチェーン 原材料→中間品→最終製品、物流フロー
営業フロー リード→商談→受注、ファネル分析、成約率改善
💡 Sankey Diagramを見やすくするコツ
ポイント 説明
ノード数を制限 10〜15個以内に。多すぎると複雑で読めない
階層は3〜5段階 深すぎる階層は分割を検討
主要フローに集中 小さいフローは「その他」にまとめる
色を統一 視覚的ノイズを減らして読みやすく

🎯 6. その他のおすすめカスタムビジュアル

便利なカスタムビジュアル一覧

Gantt、Word Cloud、Sankey以外にも、便利なカスタムビジュアルがたくさんあります。用途に応じて活用しましょう。

✅ おすすめカスタムビジュアル
ビジュアル名 特徴 おすすめの活用シーン
Timeline Slicer ドラッグで期間選択、ズーム機能、粒度変更可能 ダッシュボードの期間フィルター
Chiclet Slicer タイル状の見た目、画像表示可能、検索機能 商品選択(画像付き)、ブランド選択
Hierarchy Slicer 親子関係の階層表示、展開/折りたたみ 組織階層、商品カテゴリ階層
Box and Whisker データの分布表示、中央値・四分位数・外れ値 価格分布比較、品質管理
Play Axis 時系列データをアニメーション再生 時系列変化のプレゼン、ランキング変動
Calendar カレンダー形式でデータ表示 日別の売上表示、イベント管理

📝 STEP 40 のまとめ

✅ このステップで学んだこと
  • AppSource:カスタムビジュアルのマーケットプレイス
  • Gantt Chart:プロジェクト管理に最適なスケジュール可視化
  • Word Cloud:テキストデータの出現頻度を文字サイズで表現
  • Sankey Diagram:データの流れを帯の太さで直感的に表現
  • その他ビジュアル:Timeline Slicer、Chiclet Slicer、階層スライサーなど
💡 最重要ポイント

カスタムビジュアルは標準ビジュアルで表現できないデータに使いましょう!

プロジェクト管理ならGantt、テキスト分析ならWord Cloud、フローならSankey。

ただし、使いすぎは禁物です。標準ビジュアルで十分なら、そちらを優先してください。パフォーマンスと保守性も考慮することが大切です!

📝 実践演習

演習 1 基礎

AppSourceから「Word Cloud」をインストールし、顧客レビューデータ(単語と出現回数)を使ってワードクラウドを作成してください。

【Word Cloudの作成手順】

ステップ1:インストール

1 視覚化ペインの「…」をクリック
2 「AppSourceからビジュアルを取得」を選択
3 「Word Cloud」で検索
4 「Word Cloud by Microsoft」を選択して追加

ステップ2:ビジュアル作成

1 Word Cloudアイコンをクリック
2 カテゴリに「単語」フィールドを配置
3 値に「出現回数」フィールドを配置

ステップ3:書式設定

  • フォント:メイリオ
  • 最大サイズ:80pt
  • 最小サイズ:12pt
  • 回転:0度
演習 2 応用

プロジェクトタスクデータ(タスク名、開始日、終了日、担当者、進捗率)を用意し、Gantt Chartを作成してください。今日の線を表示し、遅延タスクを特定できるようにしてください。

【Gantt Chartプロジェクト管理】

必要なメジャー(入力するDAX):

// 期間(日数)を計算
期間 = 
DATEDIFF(
    タスク[開始日],
    タスク[終了日],
    DAY
) + 1

// 遅延判定
遅延フラグ = 
IF(
    タスク[終了日] < TODAY() && タスク[進捗] < 100,
    "遅延",
    "順調"
)

フィールド設定:

  • タスク:タスク[タスク名]
  • 開始日:タスク[開始日]
  • 期間:[期間]メジャー
  • リソース:タスク[担当者]
  • 完了率:タスク[進捗]

書式設定:

  • 今日の線:表示(赤色)
  • バーの色:担当者ごと
  • タイムスケール:週単位
演習 3 発展

ECサイトのユーザー行動フロー(トップ→カテゴリ→商品詳細→カート→購入)をSankey Diagramで可視化してください。離脱率が高いポイントを特定できるようにしてください。

【Sankey Diagramでファネル分析】

データ構造:

From To ユーザー数
トップ カテゴリ 10,000
トップ 離脱 2,000
カテゴリ 商品詳細 7,000
カテゴリ 離脱 3,000
商品詳細 カート 3,500
商品詳細 離脱 3,500
カート 購入 2,500
カート 離脱 1,000

分析結果:

  • 商品詳細ページでの離脱率が50%と最大の問題点
  • 改善策:商品詳細の情報充実、レビュー表示強化

❓ よくある質問

Q1: カスタムビジュアルが表示されません
いくつかの原因が考えられます。

チェックポイント:
  • 正しくインストールされているか(視覚化ペインにアイコンがあるか)
  • 必須フィールドが設定されているか
  • データが存在するか(BLANKだと表示されない)
  • 組織のセキュリティポリシーでブロックされていないか
対処法:ビジュアルを削除して再追加、またはPower BI Desktopを再起動
Q2: Word Cloudで日本語が表示されません
フォント設定を確認してください。

書式設定でフォントを日本語フォント(メイリオ、Yu Gothic、MS Gothicなど)に変更してください。

また、単語が1文字だけの場合は表示されないことがあります。
Q3: Gantt Chartでタスクが重なって見にくいです
階層構造やグループ化を活用しましょう。

改善方法:
  • 親タスクを追加して階層化
  • 担当者やプロジェクトでグループ化
  • ビジュアルのサイズを大きくする
  • フィルターで一部のタスクのみ表示
タスク数が50を超える場合は、複数のGantt Chartに分割することも検討してください。
Q4: カスタムビジュアルを共有できますか?
はい、レポートと一緒に共有されます。

.pbixファイルにはカスタムビジュアルが埋め込まれます。Power BI Serviceに公開すると、閲覧者も同じビジュアルが見えます。

ただし、組織のポリシーでカスタムビジュアルが禁止されている場合は表示されないことがあります。
Q5: Sankey Diagramが複雑すぎて読めません
データを絞り込むか、階層を減らしましょう。

シンプル化のコツ:
  • Top Nのフローのみ表示(小さいフローは「その他」にまとめる)
  • 階層を3〜4段階に制限
  • 色を統一して視覚的ノイズを減らす
  • 複数のSankeyに分割(ページを分ける)
理想的なSankey:ノード10〜15個以内、階層3〜5段階
📝

学習メモ

BIツール入門 - Step 40

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