STEP 13:Seaborn入門

🎨 STEP 13: Seaborn入門

Matplotlibをより美しく、より簡単に使える魔法のライブラリ、Seabornを始めよう!

📋 このステップで学ぶこと

  • Seabornとは何か(Matplotlibとの違い)
  • Seabornのインストールとインポート
  • デフォルトスタイルの設定
  • カラーパレットの基礎
  • 最初のSeabornグラフ作成
  • MatplotlibとSeabornの使い分け

🎨 1. Seabornとは

Seabornの概要

Seaborn(シーボーン)は、Matplotlibをベースにした統計データ可視化ライブラリです。2012年にMichael Waskomによって開発されました。

Matplotlibは非常に強力なライブラリですが、美しいグラフを作るには多くの設定が必要です。Seabornはその問題を解決し、少ないコードで美しいグラフを作れるようにしたライブラリです。

料理に例えると、Matplotlibは「包丁」、Seabornは「フードプロセッサー」のようなものです。包丁で何でも切れますが、フードプロセッサーを使えば一瞬で刻める作業もあります。両方使えると、効率的に料理ができます。

🎯 Seabornの3つの特徴
特徴 説明 具体例
美しいデザイン デフォルトで見栄えが良いグラフを生成 色の組み合わせ、背景、フォントが洗練されている
統計情報の自動表示 平均値、信頼区間、回帰直線などを自動計算 散布図に回帰直線を1行で追加可能
簡潔なコード 少ないコードで複雑なグラフを作成 カテゴリ別の色分けが引数1つで完了

MatplotlibとSeabornの関係

SeabornはMatplotlibの「上位互換」ではなく、「拡張」です。内部ではMatplotlibを使っているため、Matplotlibのすべての機能が使えます。

これは、Seabornでグラフを作成した後に、Matplotlibの関数でカスタマイズできることを意味します。両方のライブラリを組み合わせて使うのがベストプラクティスです。

【SeabornとMatplotlibの関係図】 ┌─────────────────────────────────────┐ │ あなたのコード │ └─────────────┬───────────────────────┘ │ ▼ ┌─────────────────────────────────────┐ │ Seaborn(簡単&美しい) │ │ ・美しいデフォルト設定 │ │ ・統計グラフに特化 │ │ ・簡潔なコード │ └─────────────┬───────────────────────┘ │ (内部で使用) ▼ ┌─────────────────────────────────────┐ │ Matplotlib(土台) │ │ ・基本的な描画機能 │ │ ・細かいカスタマイズ │ │ ・すべてのグラフタイプに対応 │ └─────────────────────────────────────┘ 【ポイント】 ・SeabornはMatplotlibの「ラッパー(包み込むもの)」 ・Seabornで描いたグラフは、Matplotlibで調整可能 ・両方の知識があると最強!
💡 身近な例で考えてみよう

Matplotlib:Excel で1つ1つ手動でグラフを設定するようなもの。自由度は高いが、時間がかかる。

Seaborn:Excel の「おすすめグラフ」ボタン。すぐに美しいグラフができるが、細かい調整は別途必要。

両方使う:「おすすめグラフ」でベースを作り、手動で微調整する。これが最も効率的!

💡 コード量の違い:10行 → 3行に短縮!

例えば、カテゴリ別に色分けした散布図を作る場合:

Matplotlib:データを手動で分割 → 各カテゴリをループで描画 → 凡例を追加 → 色を設定…(10行以上)

Seaborn:sns.scatterplot(data=df, x='x', y='y', hue='category')(たった1行!)

📦 2. Seabornのインストールとインポート

インストール確認

Google Colabを使っている場合は、Seabornは最初からインストールされているので、特別な作業は不要です。

ローカル環境(自分のパソコン)で使う場合は、以下のコマンドでインストールします。

【インストールコマンド(参考)】 # 方法1: pip(一般的な方法) pip install seaborn # 方法2: Anaconda環境 conda install seaborn ※ Google Colabでは不要です

インポートの書き方

Seabornを使うには、まずプログラムの最初でインポートします。慣例的に「sns」という名前で使います。

以下のコードをGoogle Colabに入力して実行してください。

# Seabornをインポート import seaborn as sns # Matplotlibも一緒にインポート(両方使うのが基本) import matplotlib.pyplot as plt # バージョン確認 print(f”Seaborn バージョン: {sns.__version__}”) print(“インポート成功!”)
【実行結果】 Seaborn バージョン: 0.12.2 インポート成功!

コードの解説

📝 各行の意味
コード 意味 なぜ必要か
import seaborn as sns Seabornを「sns」という名前で読み込む 以降、sns.○○と短く書けるようにするため
import matplotlib.pyplot as plt Matplotlibを「plt」という名前で読み込む Seabornと一緒に使うことが多いため
sns.__version__ Seabornのバージョン番号を取得 動作確認、エラー時の情報として
💡 なぜ「sns」という名前?

Seabornは、アメリカのTVドラマ「The West Wing」の登場人物「Samuel Norman Seaborn」から名付けられました。略称の「sns」はこの名前の頭文字です。

開発者のMichael Waskomがこのドラマのファンだったことから、この名前が付けられたと言われています。

🎨 3. デフォルトスタイルの設定

Seabornのスタイルとは

Seabornには5つのデフォルトスタイルが用意されています。スタイルを変えるだけで、グラフ全体の背景色、グリッド線、色調が一瞬で変わります。

これは、PowerPointのテーマを変えるようなものです。内容は同じでも、見た目の印象がガラリと変わります。

📊 5つのスタイル一覧
スタイル名 背景 グリッド おすすめ用途
darkgrid 灰色 白のグリッド線あり 一般的な用途(デフォルト)
whitegrid グレーのグリッド線あり 印刷物、レポート(推奨)
dark 灰色 なし シンプルなグラフ
white なし ミニマルデザイン
ticks 目盛り線のみ 学術論文

スタイルの比較を見てみよう

以下のコードで、5つのスタイルを並べて比較できます。実行して、どのスタイルが好みか確認してください。

※ 横長のコードはスマートフォンでは横スクロールできます。

# 5つのスタイルを比較するコード import seaborn as sns import matplotlib.pyplot as plt import numpy as np # サンプルデータを作成 x = np.linspace(0, 10, 100) # 0から10まで100個の点 y = np.sin(x) # サイン波 # 5つのスタイル名をリストに格納 styles = [‘darkgrid’, ‘whitegrid’, ‘dark’, ‘white’, ‘ticks’] # 2行3列のサブプロットを作成 fig, axes = plt.subplots(2, 3, figsize=(15, 10)) axes = axes.flatten() # 2次元配列を1次元に変換 # 各スタイルでグラフを描画 for i, style in enumerate(styles): sns.set_style(style) # スタイルを設定 axes[i].plot(x, y, linewidth=2.5, color=’steelblue’) axes[i].set_title(f’スタイル: {style}’, fontsize=14, fontweight=’bold’) axes[i].set_xlabel(‘X軸’) axes[i].set_ylabel(‘Y軸’) # 6番目のサブプロットは非表示(5つしかないため) axes[5].axis(‘off’) # 全体タイトル plt.suptitle(‘Seabornの5つのスタイル’, fontsize=18, fontweight=’bold’) plt.tight_layout() plt.show() # デフォルトに戻す sns.set_style(‘darkgrid’)

コードの解説

📝 重要な部分の解説
コード 何をする命令か なぜ使うのか
np.linspace(0, 10, 100) 0から10まで等間隔に100個の数値を生成 滑らかな曲線を描くためのX座標が必要
np.sin(x) 各X値のサイン値を計算 波形のサンプルデータを作成するため
sns.set_style(style) Seabornのスタイルを変更 グラフの見た目を一瞬で変えるため
axes.flatten() 2次元配列を1次元配列に変換 forループで順番にアクセスしやすくするため
axes[5].axis('off') 6番目のサブプロットを非表示にする 5つのスタイルに対して6つの枠があるため

スタイルの設定方法(3つの方法)

スタイルを設定するには、3つの方法があります。目的に応じて使い分けましょう。

# 方法1: グローバルに設定(最も一般的、推奨) # 以降すべてのグラフにこのスタイルが適用される sns.set_style(‘whitegrid’) # 方法2: 一時的に設定(with文を使う) # with文の中だけスタイルが適用され、外では元に戻る with sns.axes_style(‘darkgrid’): plt.plot([1, 2, 3], [1, 2, 3]) plt.show() # 方法3: コンテキストと一緒に設定 # スタイルとサイズ感を同時に設定 sns.set_context(“notebook”) # サイズ感を設定 sns.set_style(“whitegrid”) # スタイルを設定 print(“スタイル設定完了!”)
💡 おすすめの設定

特別な理由がなければ、sns.set_style('whitegrid')を推奨します。

理由:

・白背景は印刷物でもWebでも見やすい
・グリッド線があると値を読み取りやすい
・ビジネス文書やレポートに適している

🎨 4. カラーパレットの基礎

カラーパレットとは

カラーパレットは、グラフで使う色の組み合わせ(セット)のことです。複数のカテゴリを色分けするときに、どの色を使うかを定義します。

Seabornには、すでに美しい配色が多数用意されています。自分で1色ずつ選ぶ必要がなく、パレット名を指定するだけで統一感のある配色が適用されます。

💡 絵の具セットに例えると

カラーパレットは、絵の具セットのようなものです。

自分で色を選ぶ場合:「赤と青と…えーと、緑?黄色?バランスが難しい…」

パレットを使う場合:「このセットを使えばOK!」→ すでにプロがバランスを考えてくれている

デフォルトパレットを確認しよう

現在設定されているカラーパレットを視覚的に確認できます。

# デフォルトのカラーパレットを表示 import seaborn as sns import matplotlib.pyplot as plt # 現在のパレットを取得 current_palette = sns.color_palette() # パレットを視覚化(色の帯として表示) sns.palplot(current_palette) plt.title(‘デフォルトカラーパレット’, fontsize=14, fontweight=’bold’) plt.show()

よく使うパレット一覧

Seabornには多くのパレットが用意されていますが、特によく使うものを紹介します。

📊 主要なカラーパレット
パレット名 特徴 おすすめ用途
deep 鮮やかで深みのある色(デフォルト) 一般的な用途
muted 落ち着いた控えめな色 ビジネス文書、正式なレポート
pastel パステルカラー(淡い色) 柔らかい印象を与えたいとき
bright 明るく鮮やかな色 目立たせたいプレゼン
dark 暗めの落ち着いた色 高級感を出したいとき
colorblind 色覚特性を持つ人にも見やすい配色 すべての人に見せるグラフ(強く推奨)

パレットを比較してみよう

# 主要なパレットを比較表示 import seaborn as sns import matplotlib.pyplot as plt # 比較したいパレットのリスト palettes = [‘deep’, ‘muted’, ‘pastel’, ‘bright’, ‘dark’, ‘colorblind’] # 6つのパレットを並べて表示 fig, axes = plt.subplots(6, 1, figsize=(10, 8)) for i, palette_name in enumerate(palettes): # パレットを取得 colors = sns.color_palette(palette_name) # 色を四角形で描画 for j, color in enumerate(colors): axes[i].add_patch(plt.Rectangle((j, 0), 1, 1, color=color)) axes[i].set_xlim(0, len(colors)) axes[i].set_ylim(0, 1) axes[i].set_ylabel(palette_name, fontsize=12, fontweight=’bold’) axes[i].set_xticks([]) axes[i].set_yticks([]) plt.suptitle(‘Seabornの主要カラーパレット比較’, fontsize=16, fontweight=’bold’) plt.tight_layout() plt.show()

パレットの設定方法

# 方法1: グローバルに設定(以降すべてのグラフに適用) sns.set_palette(‘colorblind’) # 方法2: 個別のグラフで指定 # palette引数でグラフごとに違うパレットを使える # 例: sns.barplot(data=df, x=’category’, y=’value’, palette=’muted’) print(“カラーパレット設定完了!”)
⚠️ 色覚バリアフリーを必ず意識しよう

日本人男性の約5%(20人に1人)、女性の約0.2%が色覚特性を持っています。特に赤と緑の区別が難しい方が多いです。

palette='colorblind'を使えば、すべての人にとって見やすいグラフになります。

特別な理由がなければ、このパレットをデフォルトとして使うことを強く推奨します。

📊 5. 最初のSeabornグラフ

サンプルデータセット

Seabornには練習用のデータセットが組み込まれています。インターネットから自動でダウンロードされるので、自分でデータを用意する必要がありません。

まずは「tips」というデータセットを使ってみましょう。これはレストランでの会計とチップの情報を含むデータです。

# サンプルデータセット「tips」を読み込む import seaborn as sns tips = sns.load_dataset(‘tips’) # データの最初の5行を表示して中身を確認 print(tips.head())
【実行結果】 total_bill tip sex smoker day time size 0 16.99 1.01 Female No Sun Dinner 2 1 10.34 1.66 Male No Sun Dinner 3 2 21.01 3.50 Male No Sun Dinner 3 3 23.68 3.31 Male No Sun Dinner 2 4 24.59 3.61 Female No Sun Dinner 4
📊 tipsデータセットの列の意味
列名 意味 データ型
total_bill 会計の合計金額(ドル) 数値(連続)
tip チップの金額(ドル) 数値(連続)
sex 支払い者の性別 カテゴリ(Male/Female)
smoker 喫煙者かどうか カテゴリ(Yes/No)
day 曜日 カテゴリ(Sun/Sat/Thur/Fri)
time 食事の時間帯 カテゴリ(Lunch/Dinner)
size グループの人数 数値(離散)

Seabornで散布図を作成(たった1行!)

いよいよSeabornの真価を発揮します。会計額(total_bill)とチップ(tip)の関係を散布図で可視化してみましょう。

# Seabornで散布図を作成 import seaborn as sns import matplotlib.pyplot as plt # データ読み込み tips = sns.load_dataset(‘tips’) # スタイルとパレットを設定 sns.set_style(‘whitegrid’) sns.set_palette(‘colorblind’) # グラフのサイズを設定 plt.figure(figsize=(10, 6)) # たった1行で散布図を作成! sns.scatterplot( data=tips, # 使用するデータ x=’total_bill’, # X軸に使う列 y=’tip’, # Y軸に使う列 hue=’sex’, # この列の値で色を分ける style=’smoker’, # この列の値でマーカーの形を変える s=100 # マーカーのサイズ ) # タイトルとラベルを追加 plt.title(‘会計額とチップの関係’, fontsize=16, fontweight=’bold’) plt.xlabel(‘会計額(ドル)’, fontsize=12) plt.ylabel(‘チップ(ドル)’, fontsize=12) plt.legend(title=’凡例’, fontsize=10) plt.tight_layout() plt.show()

コードの解説

📝 sns.scatterplot() の引数の解説
引数 何をする引数か なぜ使うのか
data=tips 使用するデータフレームを指定 どのデータを使うかSeabornに伝えるため
x='total_bill' X軸に使う列名を指定 横軸に会計額を配置するため
y='tip' Y軸に使う列名を指定 縦軸にチップ額を配置するため
hue='sex' この列の値で色を自動的に分ける 性別ごとに異なる色で表示するため
style='smoker' この列の値でマーカーの形を変える 喫煙者かどうかを形で区別するため
s=100 マーカー(点)のサイズを指定 見やすい大きさに調整するため
✨ Seabornのここがすごい!

上のコードで注目してほしいポイント:

1. hue引数:列名を指定するだけで、自動的に色分けしてくれる。Matplotlibだと、データを分割してループで描画する必要がある。

2. style引数:マーカーの形も自動で変わる。視覚的に2つの変数を同時に区別できる。

3. 凡例の自動生成:hueやstyleを指定すると、自動で凡例が追加される。

4. 美しいデフォルト:色の選択、マーカーのスタイルなど、何も設定しなくても見栄えが良い。

📈 6. MatplotlibとSeabornの比較

同じグラフを両方で作ってみよう

MatplotlibとSeabornで同じグラフを作成し、コードの違いを比較してみましょう。「性別で色分けした散布図」を例にします。

# MatplotlibとSeabornの比較 import seaborn as sns import matplotlib.pyplot as plt # データ読み込み tips = sns.load_dataset(‘tips’) # 左右に並べて表示 fig, axes = plt.subplots(1, 2, figsize=(16, 6)) # ========== 左側: Matplotlib版 ========== # 性別ごとにデータを分ける(手動で分割が必要) male_data = tips[tips[‘sex’] == ‘Male’] female_data = tips[tips[‘sex’] == ‘Female’] # それぞれを別々にプロット axes[0].scatter( male_data[‘total_bill’], male_data[‘tip’], s=100, alpha=0.6, color=’steelblue’, label=’Male’ ) axes[0].scatter( female_data[‘total_bill’], female_data[‘tip’], s=100, alpha=0.6, color=’coral’, label=’Female’ ) axes[0].set_title(‘Matplotlib版(10行以上のコード)’, fontsize=14, fontweight=’bold’) axes[0].set_xlabel(‘会計額(ドル)’) axes[0].set_ylabel(‘チップ(ドル)’) axes[0].legend() axes[0].grid(True, alpha=0.3) # ========== 右側: Seaborn版 ========== # たった1行で同じことができる! sns.scatterplot( data=tips, x=’total_bill’, y=’tip’, hue=’sex’, s=100, alpha=0.6, ax=axes[1] # どのサブプロットに描くか指定 ) axes[1].set_title(‘Seaborn版(1行のコード!)’, fontsize=14, fontweight=’bold’) axes[1].set_xlabel(‘会計額(ドル)’) axes[1].set_ylabel(‘チップ(ドル)’) # 全体タイトル plt.suptitle(‘MatplotlibとSeabornの比較’, fontsize=18, fontweight=’bold’) plt.tight_layout() plt.show()
【コード量の比較】 ■ Matplotlib版(散布図・色分けあり) 1. male_data = tips[tips[‘sex’] == ‘Male’] # データ分割 2. female_data = tips[tips[‘sex’] == ‘Female’] # データ分割 3. plt.scatter(male_data[‘total_bill’], …) # 男性をプロット 4. plt.scatter(female_data[‘total_bill’], …) # 女性をプロット 5. plt.legend() # 凡例を追加 → 最低5行必要(カテゴリが増えると行数も増える) ■ Seaborn版(同じグラフ) 1. sns.scatterplot(data=tips, x=’total_bill’, y=’tip’, hue=’sex’) → たった1行!(カテゴリが100個あっても1行)

MatplotlibとSeabornの使い分け

どちらか一方だけを使うのではなく、目的に応じて使い分けるのがベストです。多くの場合、両方を組み合わせて使います。

🎯 使い分けガイド
こんなとき おすすめ 理由
統計グラフ(平均、分散、回帰など) Seaborn 統計情報を自動計算・表示してくれる
カテゴリ別の比較・色分け Seaborn hue引数で簡単に色分けできる
美しいグラフを素早く作りたい Seaborn デフォルトで見栄えが良い
細かいカスタマイズが必要 Matplotlib 低レベルの操作が可能で自由度が高い
特殊なグラフ(3D、アニメーションなど) Matplotlib Seabornにない機能がある
迷ったら 両方使う Seabornで描画、Matplotlibで調整
💡 実務での一般的なパターン

実際の仕事では、以下のパターンが最も多いです:

1. Seabornでグラフの基本を作成(sns.scatterplot, sns.barplotなど)

2. Matplotlibで細かい調整を追加(plt.title, plt.xlabel, ax.set_xlimなど)

つまり、両方の知識があると最強です!このコースでMatplotlibを先に学んだのは、このためです。

🎨 7. Seabornの推奨初期設定

ノートブックの最初に実行するコード

毎回のセッション(Colabを開いたとき)で、最初に以下のコードを実行すると、統一感のある美しいグラフを作れます。

# ===== Seaborn推奨初期設定 ===== # ライブラリのインポート import seaborn as sns import matplotlib.pyplot as plt import pandas as pd import numpy as np # Seabornの設定 sns.set_style(‘whitegrid’) # スタイル: 白背景+グリッド(印刷向け) sns.set_palette(‘colorblind’) # パレット: 色覚バリアフリー sns.set_context(‘notebook’) # コンテキスト: ノートブック用サイズ # 日本語フォント設定(Google Colab用) # ※ 日本語が必要な場合のみ # plt.rcParams[‘font.family’] = ‘IPAexGothic’ print(“✅ Seaborn初期設定完了!”)

set_context() の種類

set_context()は、グラフの全体的なサイズ感(スケール)を設定します。用途に応じて使い分けましょう。

📏 4つのコンテキスト
コンテキスト 特徴 おすすめ用途
paper 最も小さいサイズ 学術論文(紙に複数のグラフを配置)
notebook 標準サイズ(デフォルト) Jupyter Notebook、Google Colab
talk 大きめのサイズ プレゼンテーション(スライド)
poster 最も大きいサイズ ポスター発表、大型ディスプレイ
【コンテキストの使い方】 # 学術論文用(小さめ) sns.set_context(‘paper’) # ノートブック用(標準、推奨) sns.set_context(‘notebook’) # プレゼン用(大きめ) sns.set_context(‘talk’) # ポスター用(超大きめ) sns.set_context(‘poster’) # フォントスケールを個別に調整することも可能 sns.set_context(‘notebook’, font_scale=1.2) # フォントを1.2倍に

📝 STEP 13 のまとめ

✅ このステップで学んだこと
トピック 重要ポイント
Seabornとは Matplotlibをより美しく、より簡単にするラッパーライブラリ
インポート import seaborn as sns(snsは慣例的な名前)
スタイル 5種類あり、whitegridが印刷物・レポートにおすすめ
カラーパレット colorblind(色覚バリアフリー)を強く推奨
サンプルデータ sns.load_dataset('tips')で練習用データを取得
hue引数 カテゴリ別の色分けが1つの引数で完了
使い分け Seabornで描画、Matplotlibで調整が基本パターン
💡 最重要ポイント

Seabornは統計データの可視化に特化したライブラリです。Matplotlibの知識があれば、さらに効率的にグラフを作成できます。

次のステップからは、Seabornの強力な統計グラフ機能を学んでいきます。

まずは以下の2つのコマンドを覚えておきましょう:
sns.set_style('whitegrid')sns.set_palette('colorblind')

📝 実践演習

演習 1 基礎

Seabornのtipsデータセットを読み込み、最初の10行を表示してください。

【解答コード】
import seaborn as sns # tipsデータセット読み込み tips = sns.load_dataset(‘tips’) # 最初の10行を表示 print(tips.head(10))

解説:sns.load_dataset()は、Seabornに組み込まれたサンプルデータを読み込む関数です。head(10)で先頭10行を取得できます。

演習 2 応用

5つのスタイル(darkgrid、whitegrid、dark、white、ticks)をそれぞれ試して、サイン波のグラフを描いてください。どのスタイルが一番好みか選びましょう。

【解答コード】
import seaborn as sns import matplotlib.pyplot as plt import numpy as np # サンプルデータ x = np.linspace(0, 10, 100) y = np.sin(x) # 5つのスタイル styles = [‘darkgrid’, ‘whitegrid’, ‘dark’, ‘white’, ‘ticks’] fig, axes = plt.subplots(2, 3, figsize=(15, 10)) axes = axes.flatten() for i, style in enumerate(styles): sns.set_style(style) axes[i].plot(x, y, linewidth=2.5, color=’steelblue’) axes[i].set_title(f'{style}’, fontsize=14, fontweight=’bold’) axes[5].axis(‘off’) plt.suptitle(‘Seabornスタイル比較’, fontsize=18, fontweight=’bold’) plt.tight_layout() plt.show() # お気に入りのスタイルを設定 sns.set_style(‘whitegrid’) # 例: whitegrid

解説:ビジネス用途ではwhitegridが最も無難です。学術論文ではtickswhiteも人気があります。

演習 3 発展

tipsデータセットを使って、会計額とチップの散布図を作成してください。性別(sex)で色分けし、時間帯(time)でマーカーの形を変えてください。

【解答コード】
import seaborn as sns import matplotlib.pyplot as plt # データ読み込み tips = sns.load_dataset(‘tips’) # スタイル設定 sns.set_style(‘whitegrid’) sns.set_palette(‘colorblind’) # 散布図作成 plt.figure(figsize=(12, 7)) sns.scatterplot( data=tips, x=’total_bill’, y=’tip’, hue=’sex’, # 性別で色分け style=’time’, # 時間帯でマーカー変更 s=100, # マーカーサイズ alpha=0.7 # 透明度 ) plt.title(‘会計額とチップの関係(性別・時間帯別)’, fontsize=16, fontweight=’bold’, pad=15) plt.xlabel(‘会計額(ドル)’, fontsize=13, fontweight=’bold’) plt.ylabel(‘チップ(ドル)’, fontsize=13, fontweight=’bold’) plt.legend(title=’凡例’, fontsize=11, loc=’upper left’) plt.tight_layout() plt.show()

解説:hueで色分け、styleでマーカーの形を変えることで、2つのカテゴリ変数を同時に可視化できます。これがSeabornの強力な機能の1つです。

❓ よくある質問

Q1: SeabornとMatplotlibはどちらを先に学ぶべきですか?
Matplotlibを先に学ぶことを推奨します。Seabornは内部でMatplotlibを使っているため、Matplotlibの基礎知識があると、Seabornをより深く理解できます。また、Seabornで作ったグラフをカスタマイズするときにもMatplotlibの知識が必要です。このコースの順番通りに学習すれば問題ありません。
Q2: Seabornのグラフをさらにカスタマイズできますか?
もちろん可能です!Seabornで基本的なグラフを作成した後、Matplotlibの機能(plt.titleax.set_xlabelなど)を使って細かく調整できます。両方のライブラリを組み合わせて使うのがベストプラクティスです。
Q3: load_dataset()で読み込めるデータセットは他にもありますか?
たくさんあります!主なものは、tips(レストラン)、iris(アヤメの花)、titanic(タイタニック号)、flights(航空便)、penguins(ペンギン)などです。sns.get_dataset_names()を実行すると、利用可能なデータセットの全リストを確認できます。
Q4: スタイルとパレットはどう使い分けるべきですか?
スタイルは「背景とグリッド」、パレットは「色の組み合わせ」です。スタイルはグラフ全体の雰囲気(背景色、グリッドの有無)を決め、パレットはデータを区別するための色を決めます。両方を組み合わせて使いましょう。例:sns.set_style('whitegrid')sns.set_palette('colorblind')
Q5: なぜcolorblindパレットを推奨するのですか?
すべての人にとって見やすいグラフを作るためです。日本人男性の約5%が色覚特性を持っており、特に赤と緑の区別が難しい方が多いです。colorblindパレットは、このような方々にも区別しやすい色の組み合わせになっています。ビジネスでは多様な人がグラフを見る可能性があるため、アクセシビリティを考慮することが重要です。

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学習メモ

データ可視化マスター - Step 13

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