STEP 28:ダッシュボードデザインの原則

📊 STEP 28: ダッシュボードデザインの原則

見やすく、わかりやすいダッシュボードを作るための基本原則をマスターしよう!

📋 このステップで学ぶこと

  • ダッシュボードの目的と役割
  • 5秒ルール(重要情報は5秒で理解できるべき)
  • 情報階層化の原則(3レベルに分ける)
  • 余白(ホワイトスペース)の活用方法
  • 一貫性の重要性(フォント、色、レイアウト)
  • 実務での良い例と悪い例

📊 1. ダッシュボードとは

ダッシュボードの定義

ダッシュボード(Dashboard)とは、重要な情報を一画面にまとめて表示し、状況を素早く把握できるようにした画面のことです。

「ダッシュボード」という名前は、車の運転席にある計器盤から来ています。運転中でも一目で速度や燃料残量がわかるように設計されているのと同じで、ビジネスのダッシュボードも一目で状況がわかることが最も重要です。

💡 身近な例で考えてみよう

車の運転席を想像してください。

車のダッシュボード:速度、燃料、エンジン温度、回転数などが一目で確認できる
ビジネスダッシュボード:売上、利益、顧客数、目標達成率などが一目で確認できる

どちらも「運転(経営)に必要な情報だけを厳選して表示」している点が共通しています。余計な情報があると、本当に重要な情報を見逃してしまいます。

📊 ダッシュボードの5つの目的
目的 説明 具体例
モニタリング 現状を継続的に監視する 売上の日次推移、サーバー稼働状況
意思決定支援 データに基づく判断を助ける 投資すべき商品の選定、人員配置
トレンド把握 変化や傾向を発見する 季節変動、成長率の変化
問題発見 異常値やボトルネックを検出 急激な売上減少、在庫切れ警告
コミュニケーション チーム間での情報共有 週次報告、経営会議資料

良いダッシュボードの特徴

では、「良いダッシュボード」とは何でしょうか?以下の5つの特徴を満たしているダッシュボードは、ユーザーに価値を提供できます。

💡 良いダッシュボードの5つの特徴
特徴 説明 チェックポイント
シンプル 必要な情報だけを表示 グラフは5〜8個以内か?
明確 何を見るべきか一目瞭然 最重要KPIが目立っているか?
一貫性 デザインが統一されている 色やフォントがバラバラでないか?
アクション可能 次のステップがわかる 見た後に何をすべきかわかるか?
リアルタイム 最新の情報を反映 更新日時が明記されているか?

⏱️ 2. 5秒ルール

5秒ルールとは何か

5秒ルールとは、「ダッシュボードを見てから5秒以内に、最も重要な情報を理解できるべき」という原則です。

なぜ5秒なのでしょうか?人間の注意力は非常に短く、特に忙しいビジネスパーソンは一つの画面をじっくり見る時間がありません。経営者が会議中にダッシュボードをチラッと見て、「今月は順調だな」「何か問題がありそうだ」と判断できることが重要です。

💡 5秒ルールの身近な例

信号機を思い浮かべてください。

信号機:赤・黄・青の3色だけで「止まれ」「注意」「進め」を瞬時に伝える
ダッシュボード:色やサイズで「問題あり」「注意」「順調」を瞬時に伝える

信号機が10色あったら混乱しますよね。ダッシュボードも同じで、シンプルであることが瞬時の理解につながります

【5秒ルールのチェックポイント】 ✓ ダッシュボードを初めて見る人でも5秒で理解できるか? ✓ 最も重要な数値(KPI)が目立っているか? ✓ 余計な装飾や情報で気が散らないか? ✓ 色やサイズで優先度が明確に表現されているか? ✓ 「良い状態」か「悪い状態」かが一目でわかるか? 【売上ダッシュボードの場合、5秒以内にわかるべきこと】 1. 今月の売上目標を達成しているか?(達成率) 2. 売上は上昇傾向か?下降傾向か?(トレンド) 3. すぐに対処すべき問題はあるか?(アラート)

5秒で伝えるための4つの工夫

5秒ルールを守るためには、視覚的な工夫が必要です。以下の4つのテクニックを活用しましょう。

⏱️ 5秒で伝えるための工夫
工夫 具体的な方法 効果
大きな数字 KPIは32〜48ptの大きなフォント 最重要情報が一番に目に入る
色の使い分け 良い=緑、悪い=赤、中立=青 状態を瞬時に判断できる
視覚的アイコン ↑(増加)↓(減少)→(横ばい) トレンドを直感的に把握
シンプルなグラフ 3Dや複雑なグラフを避ける 理解に時間がかからない

悪い例と良い例の比較

実際に、5秒ルールを守っていない例と守っている例を比較してみましょう。

【悪い例:5秒では理解できない】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今月の売上: ¥4,523,891 (前月比: +3.2%, 前年比: +12.5%, 予算比: +8.3%, 市場平均比: +5.2%) 訪問者数: 15,234人 (前月比: -1.8%, 前年比: +5.3%, 目標比: -2.1%, 季節調整後: +0.5%) コンバージョン率: 2.97% (前月比: +0.15pt, 前年比: +0.42pt) 平均単価: ¥2,345 (前月比: +2.1%, 前年比: -0.8%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 問題点: ✗ 数字が小さくて読みにくい ✗ 情報が多すぎて何が重要かわからない ✗ 比較指標が多すぎる(前月比、前年比、予算比…) ✗ 色分けがないので良いのか悪いのかわからない ✗ 5秒どころか30秒かけても全体像がつかめない
【良い例:5秒で理解できる】 ┌─────────────────────────────────────────┐ │ │ │ 📈 売上目標達成率 │ │ │ │ 112% ✓ │ │ (目標達成!) │ │ │ │ ───────────────────── │ │ 目標: 400万円 │ │ 実績: 450万円 │ │ │ │ 前月比: +12.5% ↑ │ │ │ └─────────────────────────────────────────┘ 改善点: ✓ 最重要KPI(達成率112%)が大きく目立つ ✓ 達成/未達成が一目瞭然(緑のチェックマーク) ✓ 情報を3つに絞っている(達成率、目標/実績、前月比) ✓ 余白があって読みやすい ✓ 5秒で「目標達成、順調」とわかる

📐 3. 情報階層化の原則

なぜ情報階層化が必要か

ダッシュボードには様々な情報を載せたくなりますが、すべての情報を同じ大きさで並べると、何が重要かわからなくなります

新聞を想像してください。一面には大きな見出しがあり、詳細は内側のページに書かれています。ダッシュボードも同様に、情報を重要度に応じて3つのレベルに分けることで、ユーザーが効率的に情報を取得できるようになります。

📐 3レベルの情報階層
レベル 配置場所 大きさ 内容
レベル1 画面の最上部または中央 最も大きく(数値は32〜48pt) 最重要KPI(1〜3個)
レベル2 中段 中程度 主要グラフ(4〜6個)
レベル3 下部またはサイドバー 小さめ 詳細情報・補足データ
【各レベルに含める情報の例】 ◆ レベル1: 最重要KPI 場所: 画面の最上部 個数: 1〜3個 例: 売上目標達成率、月間利益、顧客満足度 → ビジネスの成否を決める「一番見たい数字」 ◆ レベル2: 主要グラフ 場所: 中段 個数: 4〜6個 例: 売上推移(折れ線)、部門別比較(棒)、商品ランキング → トレンドや比較を示す「詳しく見たいグラフ」 ◆ レベル3: 詳細情報 場所: 下部またはサイドバー 個数: 必要に応じて 例: 商品別詳細テーブル、地域別内訳、注釈 → 深堀りしたいときの「補足データ」

実例:営業ダッシュボードの階層設計

実際の営業ダッシュボードを例に、3レベルの情報階層がどのように配置されるか見てみましょう。

【営業ダッシュボードの階層設計例】 ┌─────────────────────────────────────────────────┐ │ │ │ ◆ レベル1: 最重要KPI(最上部・大きく) │ │ │ │ ┌──────────┐ ┌──────────┐ ┌──────────┐ │ │ │ 月間売上 │ │ 受注件数 │ │ 成約率 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 450万円 │ │ 38件 │ │ 12.5% │ │ │ │ ↑ +12% │ │ ↓ -5% │ │ ↑ +2pt │ │ │ │ (緑) │ │ (赤) │ │ (緑) │ │ │ └──────────┘ └──────────┘ └──────────┘ │ │ │ ├─────────────────────────────────────────────────┤ │ │ │ ◆ レベル2: 主要グラフ(中段・中サイズ) │ │ │ │ ┌─────────────────┐ ┌─────────────────┐ │ │ │ 売上推移 │ │ 商品別売上 │ │ │ │ [折れ線グラフ] │ │ [棒グラフ] │ │ │ │ │ │ │ │ │ └─────────────────┘ └─────────────────┘ │ │ │ │ ┌─────────────────┐ ┌─────────────────┐ │ │ │ 地域別比較 │ │ 営業担当別実績 │ │ │ │ [円グラフ] │ │ [ランキング] │ │ │ │ │ │ │ │ │ └─────────────────┘ └─────────────────┘ │ │ │ ├─────────────────────────────────────────────────┤ │ │ │ ◆ レベル3: 詳細情報(下部・小さめ) │ │ │ │ [商品別詳細テーブル] [月次推移データ] │ │ [注釈・データソース] [最終更新日時] │ │ │ └─────────────────────────────────────────────────┘
💡 視線の動きを考慮する

人間の視線は、一般的に左上から右下へ移動します。これを「Z型」または「F型」の視線パターンと呼びます。

Z型:左上 → 右上 → 左下 → 右下(全体を俯瞰するとき)
F型:左上 → 右 → 左中 → 右 → 左下…(詳しく読むとき)

最重要情報は左上に配置すると、最初に目に入りやすくなります。次のSTEPでこのレイアウトについて詳しく学びます。

⚪ 4. 余白の活用(ホワイトスペース)

余白の重要性を理解する

余白(ホワイトスペース)とは、文字やグラフが配置されていない空白の部分のことです。

初心者は「余白がもったいない」「もっと情報を詰め込みたい」と感じがちですが、実は余白こそがデザインの質を決める重要な要素です。適切な余白があることで、情報が整理され、読みやすさが格段に向上します。

💡 余白の効果を身近な例で理解する

本屋で売られている本を想像してください。

読みやすい本:行間が広く、段落ごとに空白があり、ページの端にも余白がある
読みにくい本:文字がびっしり詰まっていて、どこを読んでいるかわからなくなる

ダッシュボードも同じです。余白は「何もない無駄なスペース」ではなく、「情報を整理するための重要なデザイン要素」なのです。

【余白が少ない悪い例】 ┌──────────────────────────────────┐ │売上450万円訪問者15,000人CVR2.9%利益120万円│ │目標達成率112%前月比+12%前年比+8%注意事項 │ │[グラフ1][グラフ2][グラフ3][グラフ4] │ │[グラフ5][グラフ6][グラフ7][グラフ8] │ │詳細データはこちら更新日2024/01/15備考欄 │ └──────────────────────────────────┘ 問題点: ✗ 情報が詰まりすぎて読みにくい ✗ どこを見ればいいかわからない ✗ 視覚的に圧迫感があり、疲れる ✗ 重要な情報が埋もれてしまう
【余白がある良い例】 ┌──────────────────────────────────────────┐ │ │ │ 売上: 450万円 目標達成率: 112% │ │ │ │ 訪問者: 15,000人 前月比: +12% │ │ │ │ ─────────────────────────────── │ │ │ │ ┌───────────┐ ┌───────────┐ │ │ │ │ │ │ │ │ │ グラフ1 │ │ グラフ2 │ │ │ │ │ │ │ │ │ └───────────┘ └───────────┘ │ │ │ │ 更新日: 2024/01/15 │ │ │ └──────────────────────────────────────────┘ 改善点: ✓ 情報が整理されて読みやすい ✓ 重要な情報が目立つ ✓ 視覚的にすっきりしていて疲れない ✓ グラフ間の関係性がわかりやすい
⚪ 余白活用の具体的なルール
場所 推奨サイズ 目的
グラフ間 最低30px以上 グラフ同士の区切りを明確に
セクション間 50px以上 情報のグループを視覚的に分離
テキストの行間 1.5〜2倍 文字を読みやすく
画面の端(マージン) 20〜40px 窮屈さを解消
全体の情報密度 画面の60〜70% 余白30〜40%を確保
💡 余白を増やすコツ
  • 情報を削る:本当に必要な情報だけに絞る
  • グラフを減らす:5〜8個が目安
  • フォントサイズを調整:小さすぎる文字は読まれない
  • 枠線を減らす:余白で区切れば枠線は不要
  • 複数ページに分ける:1ページに収まらなければ分割

🎨 5. 一貫性の原則

一貫性がもたらす効果

一貫性(Consistency)とは、ダッシュボード全体で同じルールを守ることです。色、フォント、配置、アイコンなどが統一されていると、ユーザーは迷わず、ストレスなく情報を理解できます。

一貫性がないダッシュボードは、毎回「この色は何を意味するんだっけ?」と考える必要があり、認知負荷が高くなります。

💡 一貫性の身近な例

交通信号を想像してください。

世界中どこでも「赤=止まれ」「青/緑=進め」「黄=注意」です。もし国によって意味が違ったら、運転は非常に危険になります。

ダッシュボードも同じで、「緑=良い」「赤=悪い」を徹底的に統一することで、ユーザーは考えずに状態を判断できます。

🎨 一貫性を保つべき4つの要素
要素 統一ルールの例
良好=緑、警告=黄、エラー=赤、中立=青
フォント タイトル=太字24pt、数値=36pt、本文=14pt
グラフ 時系列=折れ線、比較=棒、構成比=円
アイコン 増加=↑緑、減少=↓赤、達成=✓、未達=✗
【一貫性のある要素の詳細】 ◆ 1. 色の使い方 ✓ 成功/良好 : 常に緑系(#4CAF50など) ✓ 警告/注意 : 常に黄色系(#FFC107など) ✓ エラー/悪化 : 常に赤系(#F44336など) ✓ 中立/情報 : 常に青系(#2196F3など) ✓ 背景/補助 : 常にグレー系 ◆ 2. フォントサイズ ✓ ダッシュボードタイトル : 24〜28pt、太字 ✓ KPI数値 : 32〜48pt、太字 ✓ セクションタイトル : 18〜20pt、太字 ✓ 本文/説明文 : 12〜14pt、標準 ✓ 注釈/補足 : 10〜11pt、グレー ◆ 3. グラフの種類 ✓ 時系列の推移 → 折れ線グラフ ✓ カテゴリ比較 → 棒グラフ ✓ 構成比 → 円グラフ/ドーナツ ✓ 関係性 → 散布図 ✓ 進捗 → ゲージ/プログレスバー ◆ 4. アイコンと矢印 ✓ 増加 : ↑(緑) ✓ 減少 : ↓(赤) ✓ 横ばい: →(グレー) ✓ 達成 : ✓(緑) ✓ 未達成: ✗(赤) ✓ 警告 : ⚠️(黄)

悪い例:一貫性のないダッシュボード

一貫性がないと、ユーザーは混乱し、誤った判断をする可能性があります。

【一貫性がない悪い例】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 売上: 450万円 ✓(緑) 目標達成! 訪問者: 15,000人 ✗(赤) 前月比-5% CVR: 2.9% ↑(青) 改善中 利益: 80万円(黒) 前月比+3% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 問題点: ✗ 売上は緑✓、でも訪問者は赤✗…どちらが重要? ✗ CVRの矢印が青…増加は緑じゃないの? ✗ 利益は黒…良いの?悪いの? ✗ チェックとバツの基準が不明確 ✗ ユーザーは「何を見て判断すればいいか」混乱する
【一貫性がある良い例】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 売上 : 450万円 前月比 ↑ 12%(緑) 訪問者 : 15,000人 前月比 ↓ 5%(赤) CVR : 2.9% 前月比 ↑ 0.2pt(緑) 利益 : 80万円 前月比 ↑ 3%(緑) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 改善点: ✓ 増加=緑の↑、減少=赤の↓で完全に統一 ✓ 数値と矢印の配置が統一されている ✓ 色の意味が明確(緑=前月より良い、赤=前月より悪い) ✓ ユーザーは瞬時に「訪問者だけ要注意」とわかる
⚠️ 一貫性のチェックリスト

ダッシュボードを作成したら、以下をチェックしましょう:

  • □ 同じ意味の色は統一されているか?
  • □ フォントサイズは階層に応じて統一されているか?
  • □ 同じ種類のグラフは同じスタイルになっているか?
  • □ アイコンの意味は明確で一貫しているか?
  • □ 余白のとり方は統一されているか?
  • □ 数値の表記(小数点以下、カンマ区切り)は統一されているか?

📊 6. 実務での良い例と悪い例

悪いダッシュボードの特徴

実務でよく見かける「悪いダッシュボード」のパターンを知っておくと、自分で作るときに同じ失敗を避けられます。

【悪いダッシュボード「あるある」5選】 ◆ 1. 情報過多(Information Overload) ✗ 20個以上のグラフを1画面に詰め込む ✗ スクロールしないと全体が見えない ✗ 何が重要かわからない → 解決策: グラフは5〜8個に絞る ◆ 2. 装飾過剰(Over-Decoration) ✗ 3Dグラフ、アニメーション、グラデーション多用 ✗ 影、枠線、背景画像だらけ ✗ 情報より装飾が目立つ → 解決策: 2Dでシンプルに、装飾は最小限 ◆ 3. 色の乱用(Color Chaos) ✗ 虹色のグラフ(7色以上) ✗ 意味のない色分け ✗ 視覚的に疲れる、目がチカチカする → 解決策: 3〜5色に制限、意味のある色分け ◆ 4. フォントバラバラ(Font Mess) ✗ ゴシック体、明朝体、手書き風が混在 ✗ サイズが不規則(12pt, 18pt, 9pt, 24pt…) ✗ 読みにくい、統一感がない → 解決策: フォントは1〜2種類、サイズルールを決める ◆ 5. 更新されない(Stale Data) ✗ 古いデータが表示されている ✗ 「最終更新日」の表示がない ✗ リアルタイム性がなく、信頼されない → 解決策: 自動更新、更新日時を明記

良いダッシュボードの特徴

逆に、「良いダッシュボード」には共通する特徴があります。

【良いダッシュボードの5つの特徴】 ◆ 1. シンプルで明確 ✓ グラフは5〜8個に厳選 ✓ 1画面(スクロールなし)で完結 ✓ 最重要情報が一目瞭然 → 効果: 5秒ルールをクリア ◆ 2. 視覚的階層がある ✓ 大・中・小のメリハリがある ✓ 余白でセクションが区切られている ✓ 情報の優先度が明確 → 効果: どこを見るべきかすぐわかる ◆ 3. 適切な色使い ✓ 使用色は3〜5色に制限 ✓ 色に意味がある(緑=良い、赤=悪い) ✓ 視覚的に心地よい → 効果: 状態を瞬時に判断できる ◆ 4. 統一されたデザイン ✓ フォントは1〜2種類のみ ✓ サイズルールが守られている ✓ 一貫性があって読みやすい → 効果: 認知負荷が低い ◆ 5. リアルタイム更新 ✓ 最新データが表示されている ✓ 更新日時が明記されている ✓ 信頼性が高い → 効果: 意思決定に使える
✅ 良いダッシュボードを作る3ステップ
  1. 目的を明確にする:「誰が」「何を」判断するためのダッシュボードか?
  2. KPIを絞る:本当に必要な指標は何か?(最大3つ)
  3. シンプルに作る:5秒ルール、情報階層、余白、一貫性を守る

📝 STEP 28 のまとめ

✅ このステップで学んだこと
トピック 重要ポイント
ダッシュボードの役割 重要情報を一画面に集約し、素早い状況把握を可能に
5秒ルール 5秒以内に最重要情報を理解できるように設計
情報階層化 3レベル(KPI→グラフ→詳細)に分けて配置
余白の活用 余白は無駄ではなく、読みやすさの鍵
一貫性 色、フォント、グラフ、アイコンを統一
良い例と悪い例 シンプル、明確、一貫性が成功の鍵
💡 最重要ポイント

良いダッシュボードの鍵は「シンプルさ」「明確さ」「一貫性」の3つです。

覚えておくべき原則:

  • 5秒ルール:最重要情報は5秒で理解できるように
  • 情報階層:大→中→小の3レベルで整理
  • 余白:30〜40%は余白として確保
  • 一貫性:緑=良い、赤=悪いを徹底

次のステップでは、視線の動きを考慮したZ型レイアウトとF型レイアウトを学びます!

📝 実践演習

演習 1 基礎

普段使っているウェブサービス(YouTube、X、銀行アプリなど)のダッシュボードを1つ選び、「5秒ルール」が守られているか評価してください。

【評価のポイント】

【チェック項目】 ✓ 5秒以内に最重要情報がわかるか? ✓ KPIが大きく目立っているか? ✓ 色やサイズで優先度が明確か? ✓ 余計な装飾や情報がないか? 【例: YouTubeスタジオのダッシュボード】 ✓ チャンネル登録者数が大きく表示 → ○ ✓ 直近48時間の視聴回数が目立つ → ○ ✓ グラフがシンプルで分かりやすい → ○ ✓ 重要な通知が上部に表示 → ○ ✓ 5秒で「チャンネルの状況」がわかる → ○ 総合評価: 5秒ルールを守っている良い例
演習 2 応用

自分の仕事や学習に関するダッシュボードの設計図を書いてください。3レベルの情報階層を意識して、最重要KPI、主要グラフ、詳細情報を配置してください。

【設計例:学習進捗ダッシュボード】

┌─────────────────────────────────────┐ │ │ │ ◆ レベル1: 最重要KPI │ │ │ │ ┌─────────┐ ┌─────────┐ ┌─────────┐ │ │ │コース進捗 │ │学習時間 │ │理解度 │ │ │ │ 68% │ │ 42時間 │ │ 85% │ │ │ │ ↑ +5% │ │ ↑ +3h │ │ ↑ +2% │ │ │ └─────────┘ └─────────┘ └─────────┘ │ │ │ ├─────────────────────────────────────┤ │ │ │ ◆ レベル2: 主要グラフ │ │ │ │ ┌──────────────┐ ┌──────────────┐ │ │ │ 週別学習時間 │ │ 分野別進捗 │ │ │ │ [折れ線] │ │ [棒グラフ] │ │ │ └──────────────┘ └──────────────┘ │ │ │ ├─────────────────────────────────────┤ │ │ │ ◆ レベル3: 詳細情報 │ │ │ │ [各ステップの完了状況] │ │ [次に取り組むべき内容] │ │ │ └─────────────────────────────────────┘ ポイント: ✓ 最重要KPIは「コース進捗率」(目標達成の指標) ✓ グラフは時系列と比較の2種類 ✓ 詳細は必要なときだけ見る補足情報
演習 3 発展

「一貫性がないダッシュボード」の具体例を考え、どこが問題で、どう改善すべきか説明してください。

【問題のある例と改善案】

【一貫性がないダッシュボードの例】 問題点1: 色の意味が不統一 ✗ 売上グラフ: 増加=青、減少=オレンジ ✗ 利益グラフ: 増加=緑、減少=赤 ✗ 訪問者グラフ: 増加=紫、減少=グレー → ユーザーは「青は良いの?悪いの?」と混乱 問題点2: フォントがバラバラ ✗ タイトル: ゴシック体 24pt ✗ 数値: 明朝体 18pt ✗ ラベル: 手書き風 12pt → 統一感がなく、素人っぽい印象 問題点3: グラフスタイルが不統一 ✗ 売上: 3D棒グラフ(影あり) ✗ 利益: 2D折れ線グラフ(シンプル) ✗ 訪問者: 円グラフ(グラデーション) → 視覚的にまとまりがない 【改善案】 ✓ 色を統一: 増加=緑、減少=赤、中立=青に固定 ✓ フォントを統一: ゴシック体のみ使用 – タイトル: 24pt太字 – 数値: 36pt太字 – ラベル: 14pt標準 ✓ グラフスタイルを統一: すべて2D、影なし、同じ配色 結果: → ユーザーが迷わず情報を理解できる → プロフェッショナルな印象になる → 信頼性が向上する

❓ よくある質問

Q1: ダッシュボードには何個くらいのグラフを配置すべきですか?

5〜8個が目安です。それ以上になると情報過多になり、何が重要かわからなくなります。

もし多くのグラフが必要な場合は、複数のダッシュボードに分割するか、タブやページで切り替える仕組みを導入しましょう。「経営者向け」「現場向け」など、対象者別に分けるのも効果的です。

Q2: モバイル向けダッシュボードはどう設計すればいいですか?

縦長のレイアウトにしましょう。PCとは異なり、モバイルは縦スクロールが基本です。

  • 最重要KPIを最上部に大きく配置
  • グラフは1列で縦に並べる(横並びは避ける)
  • タップしやすいサイズ(最低44px×44px)を確保
  • 詳細情報は折りたたみ式にする
Q3: 経営層向けと現場向けのダッシュボードは同じでいいですか?

分けるべきです。それぞれ求める情報が異なります。

経営層向け:高レベルのKPI、トレンド、目標達成度。シンプルで俯瞰的な視点。

現場向け:詳細データ、アクションアイテム、ドリルダウン機能。実務に使える具体的な数字。

同じデータでも、見せ方を変えることで、それぞれのニーズに応えられます。

Q4: ダッシュボードの更新頻度はどれくらいがいいですか?

用途によって異なります。

  • リアルタイム監視(サーバー、トレーディング):数秒〜数分ごと
  • 日次業務(営業、カスタマーサポート):1日1回(朝)
  • 週次レポート(経営会議用):週1回
  • 月次レポート(予算管理):月1回

重要なのは、「最終更新日時」を必ず表示することです。古いデータを最新と誤解させないようにしましょう。

Q5: ExcelやPowerPointでダッシュボードを作るのはダメですか?

目的によっては十分です。ただし、限界もあります。

Excel/PowerPointが向いている場合:

  • 週次・月次の定期レポート
  • 会議用の静的な資料
  • 小規模なデータ

専用ツール(Tableau、Power BIなど)が向いている場合:

  • リアルタイム更新が必要
  • インタラクティブな操作(フィルタ、ドリルダウン)が必要
  • 大規模なデータを扱う
  • 複数人で共有・閲覧する
📝

学習メモ

データ可視化マスター - Step 28

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