Step 43:ピボットテーブルの計算フィールド

🧮 Step 43: ピボットテーブルの計算フィールド

独自の計算項目を追加してさらに深い分析を!

📋 このステップで学ぶこと

  • 計算フィールドとは
  • 計算フィールドの作成方法
  • 集計方法の変更
  • 構成比(パーセント)の表示
  • 前年比・前月比の計算
  • 計算アイテムの活用

🎯 1. 計算フィールドとは?

計算フィールドとは、ピボットテーブル内で新しい計算項目を作成する機能です。元データにない項目を、数式を使って追加できます。

💡 計算フィールドでできること

利益率の計算:売上 − 原価 = 利益、利益 ÷ 売上 = 利益率
平均単価:売上 ÷ 販売数 = 平均単価
構成比:各項目の割合を計算
増減率:前年比、前月比などの変化率
カスタム指標:ビジネス独自のKPIを計算
📊 計算フィールドの使用例
元のピボットテーブル
商品 売上 原価
りんご 15,000 9,000
バナナ 8,000 5,600
みかん 12,000 7,200
✅ 計算フィールド追加後
商品 売上 原価 利益 利益率
りんご 15,000 9,000 6,000 40%
バナナ 8,000 5,600 2,400 30%
みかん 12,000 7,200 4,800 40%
計算式:利益 = 売上 − 原価、利益率 = 利益 ÷ 売上
🔑 計算フィールドと計算アイテムの違い

計算フィールド:
新しい列を追加(利益、利益率など)
・既存のフィールド間で計算
・すべての行に適用される

計算アイテム:
新しい行を追加(合計、平均など)
・同じフィールド内の項目間で計算
・特定の行のみに適用

📝 2. 計算フィールドの作成方法

計算フィールドを実際に作成してみましょう。

📋 計算フィールドの作成手順(Excel)
  1. ピボットテーブルを選択(どこかのセルをクリック)
  2. リボンの [ピボットテーブル分析] タブをクリック
  3. [フィールド/アイテム/セット] → [集計フィールド] を選択
  4. ダイアログボックスで設定:
    名前:計算フィールドの名前を入力(例:利益)
    数式:計算式を入力(例:=売上-原価)
  5. [追加] をクリック
  6. [OK] をクリックして完了

📝 計算式の書き方(※横スクロールできます)

【計算式の基本ルール】 ・フィールド名を使う:=売上-原価 ・演算子: + (加算) 例:=売上+送料 – (減算) 例:=売上-原価 * (乗算) 例:=単価*数量 / (除算) 例:=利益/売上 ・括弧で計算の優先順位を指定: =(売上-原価)/売上 ・フィールドの挿入: [フィールド]ボタンからフィールド名をダブルクリックで挿入

📝 計算フィールドの使用例(※横スクロールできます)

【例1】利益の計算 名前:利益 数式:=売上-原価 結果:各商品の利益が新しい列として表示される 【例2】利益率の計算 名前:利益率 数式:=(売上-原価)/売上 結果:各商品の利益率が表示される ※パーセント表示にするには、値フィールドの設定で表示形式を変更 【例3】平均単価の計算 名前:平均単価 数式:=売上/販売数 結果:各商品の平均単価が表示される 【例4】消費税込み価格 名前:税込価格 数式:=売上*1.1 結果:税込価格が表示される
📌 Googleスプレッドシートの場合

残念ながら、Googleスプレッドシートには計算フィールド機能がありません。
代わりに以下の方法を使います:

方法1:元データに計算列を追加(おすすめ)
 ・元データに「利益」列を追加
 ・数式で計算:=売上-原価
 ・ピボットテーブルを更新

方法2:ピボットテーブルの隣に計算列を追加
 ・ピボットテーブルの右側に列を追加
 ・数式で計算:=B2-C2
⚠️ 計算フィールドの注意点

計算フィールドは集計後の値を使って計算します。

❌ 間違った理解:
元データの各行で利益を計算 → その後合計

✅ 正しい動作:
売上を合計、原価を合計 → 合計値同士で利益を計算

このため、平均の平均などは正しく計算されません。
正確な計算が必要な場合は、元データに計算列を追加してください。

📊 3. 集計方法の変更

計算フィールドを含め、値フィールドの集計方法を変更できます。

📋 集計方法の変更手順
  1. 値エリアのフィールドをクリック(または右クリック)
  2. [値フィールドの設定] を選択
  3. [計算の種類] タブをクリック
  4. 集計方法を選択して [OK]

📝 選択できる集計方法

合計
すべての値を足し合わせる(既定値)
個数
データの件数をカウント
平均
値の平均を計算
最大値
最も大きい値を表示
最小値
最も小さい値を表示
標準偏差
データのばらつきを測定

📝 集計方法の活用例(※横スクロールできます)

【例1】売上の合計と平均を両方表示 手順: 1. 「売上」フィールドを値エリアに2回ドラッグ 2. 1つ目:合計のまま 3. 2つ目:値フィールドの設定 → 平均に変更 結果: 商品 売上合計 売上平均 りんご 15,000 1,500 バナナ 8,000 800 みかん 12,000 1,200 【例2】取引件数のカウント フィールド:注文番号 集計方法:個数 結果:各商品が何回売れたかをカウント 【例3】最高売上の表示 フィールド:売上 集計方法:最大値 結果:各月の最高売上を表示
🎯 よく使う組み合わせ

売上分析:合計、平均、最大値、最小値
顧客分析:個数(顧客数)、平均(客単価)
在庫分析:合計(総在庫)、最大値、最小値
品質管理:平均、標準偏差、分散

📈 4. 構成比(パーセント)の表示

構成比は、全体に対する各項目の割合を表示する機能です。

📋 構成比の表示手順
  1. 値フィールドをクリック(または右クリック)
  2. [値フィールドの設定] を選択
  3. [計算の種類] タブをクリック
  4. [計算方法] で構成比の種類を選択
  5. [OK] をクリック

📝 選択できる構成比の種類

総計に対する比率
すべての項目の合計を100%とした割合
列集計に対する比率
各列の合計を100%とした割合
行集計に対する比率
各行の合計を100%とした割合
親行集計に対する比率
グループの合計を100%とした割合
📊 金額と構成比を並べて表示
商品 売上金額 構成比
りんご 15,000円 42.9%
バナナ 8,000円 22.9%
みかん 12,000円 34.3%
総計 35,000円 100.0%
設定方法:「売上」フィールドを値エリアに2回追加 → 2つ目を「総計に対する比率」に変更

📝 構成比の使用例(※横スクロールできます)

【例1】商品別の売上構成比 元データ: 商品 売上 りんご 15,000円 バナナ 8,000円 みかん 12,000円 総計 35,000円 設定:総計に対する比率 結果: 商品 売上 構成比 りんご 15,000 42.9% バナナ 8,000 22.9% みかん 12,000 34.3% 総計 35,000 100.0% 【例2】月別×商品別の構成比(列集計に対する比率) 1月 2月 3月 総計 りんご 40% 50% 35% 42% バナナ 30% 20% 25% 25% みかん 30% 30% 40% 33% 総計 100% 100% 100% 100% ※各月を100%として、商品ごとの割合を表示
💡 構成比表示のコツ

金額と構成比を並べる:値フィールドを2回追加
パーセント表示:値フィールドの設定で表示形式を変更
小数点以下:1桁表示がおすすめ(42.9%)
合計の確認:合計が100%になることを確認

📊 5. 前年比・前月比の計算

前年比・前月比は、時系列データの変化を分析する重要な指標です。

📋 前年比・前月比の表示手順
  1. 値フィールドをクリック(または右クリック)
  2. [値フィールドの設定] を選択
  3. [計算の種類] タブをクリック
  4. [計算方法] で「基準値との差分の比率」を選択
  5. [基準フィールド] を選択(例:月)
  6. [基準アイテム] で「前の項目」を選択
  7. [OK] をクリック

📝 選択できる計算方法

基準値との差分
前の項目との差額を表示(例:+15,000円)
基準値に対する比率
前の項目に対する割合を表示(例:130%)
基準値との差分の比率
増減率を表示(例:+30%)※よく使う
累計
累積合計を表示(1月〜当月までの合計)
📊 売上と前月比を表示
売上 前月比
2025年1月 50,000円
2025年2月 65,000円 +30.0%
2025年3月 48,000円 −26.2%
計算式:(今月の売上 − 前月の売上) ÷ 前月の売上 × 100

📝 前年比・前月比の使用例(※横スクロールできます)

【例1】前月比の計算 元データ: 月 売上 2025年1月 50,000 2025年2月 65,000 2025年3月 48,000 設定: ・計算方法:基準値との差分の比率 ・基準フィールド:月 ・基準アイテム:前の項目 結果: 月 売上 前月比 2025年1月 50,000 – 2025年2月 65,000 +30.0% 2025年3月 48,000 -26.2% 【例2】前年同月比の計算 元データ: 年月 売上 2024年1月 45,000 2024年2月 52,000 2025年1月 50,000 2025年2月 65,000 設定: ・行:月(月でグループ化) ・列:年 ・値:売上、前年比 結果: 月 2024年 2025年 前年比 1月 45,000 50,000 +11.1% 2月 52,000 65,000 +25.0%
🎯 増減率の表示テクニック

条件付き書式を追加:
✓ プラスを緑、マイナスを赤で表示
✓ データバーで増減を視覚化
✓ アイコンセット(▲▼)で傾向を表示

分かりやすい表記:
✓ +記号を表示(+30.0%、−26.2%)
✓ パーセント表示に統一
✓ 小数点以下1桁が見やすい

🧩 6. 計算アイテムの活用

計算アイテムは、既存の行項目を使って新しい行を追加する機能です。

📋 計算アイテムの作成手順
  1. 行または列のフィールドを選択
  2. [ピボットテーブル分析] タブ → [フィールド/アイテム/セット]
  3. [集計アイテム] を選択
  4. ダイアログボックスで設定:
    名前:計算アイテムの名前(例:果物合計)
    数式:計算式(例:=りんご+バナナ+みかん)
  5. [追加] をクリック
  6. [OK] をクリック

📝 計算アイテムの使用例(※横スクロールできます)

【例1】カテゴリ別の小計を追加 元の項目: ・りんご ・バナナ ・みかん ・キャベツ ・トマト 計算アイテム: ・果物合計 = りんご + バナナ + みかん ・野菜合計 = キャベツ + トマト 結果: りんご 15,000 バナナ 8,000 みかん 12,000 果物合計 35,000 ← 計算アイテム キャベツ 16,000 トマト 12,000 野菜合計 28,000 ← 計算アイテム 【例2】地域グループの集計 元の項目: ・東京 ・神奈川 ・千葉 ・大阪 ・京都 計算アイテム: ・関東 = 東京 + 神奈川 + 千葉 ・関西 = 大阪 + 京都 【例3】四半期の集計 元の項目:1月、2月、3月…12月 計算アイテム: ・Q1 = 1月 + 2月 + 3月 ・Q2 = 4月 + 5月 + 6月 ・Q3 = 7月 + 8月 + 9月 ・Q4 = 10月 + 11月 + 12月
⚠️ 計算アイテムの注意点

二重計上に注意:総計に計算アイテムが含まれると二重計上になる
計算フィールドとの併用不可:同時には使えない
削除方法:フィールド/アイテム/セット → 集計アイテム → 削除
代替方法:カスタムグループ化の方が使いやすい場合が多い(Step 42参照)

📝 練習問題

練習 1
初級

利益を計算する計算フィールドを作成してください

📝 課題(※横スクロールできます)

ピボットテーブルに以下のフィールドがあります: ・売上 ・原価 「利益」という計算フィールドを作成してください 計算式:利益 = 売上 − 原価

手順:

1. ピボットテーブルを選択 2. [ピボットテーブル分析] タブ → [フィールド/アイテム/セット] 3. [集計フィールド] を選択 4. 設定: ・名前:利益 ・数式:=売上-原価 5. [追加] をクリック 6. [OK] をクリック

結果:

商品 売上 原価 利益 りんご 15,000 9,000 6,000 バナナ 8,000 5,600 2,400 みかん 12,000 7,200 4,800

解説:

計算フィールドは、ピボットテーブル内に新しい列を追加します。元データを変更せずに、ピボットテーブル上で計算ができます。フィールド名を使って数式を書くだけで、すべての行に自動的に適用されます。

練習 2
中級

商品別の売上構成比を表示してください

📝 課題(※横スクロールできます)

商品別売上のピボットテーブルがあります: 商品 売上 りんご 15,000 バナナ 8,000 みかん 12,000 総計 35,000 各商品の売上構成比(パーセント)を追加してください

手順:

1. 値エリアの「売上」フィールドをもう一度ドラッグ (値エリアに「売上」が2つ表示される) 2. 2つ目の「売上」をクリック 3. [値フィールドの設定] を選択 4. [計算の種類] タブをクリック 5. [計算方法] で「総計に対する比率」を選択 6. OK をクリック 7. 表示形式をパーセントに変更

結果:

商品 売上 構成比 りんご 15,000 42.9% バナナ 8,000 22.9% みかん 12,000 34.3% 総計 35,000 100.0%

解説:

同じフィールドを2回追加し、それぞれ異なる設定にすることで、金額と構成比を並べて表示できます。「総計に対する比率」を選ぶと、全体を100%とした割合が自動計算されます。

練習 3
中級

前月比を表示してください

📝 課題(※横スクロールできます)

月別売上のピボットテーブルがあります: 月 売上 1月 50,000 2月 65,000 3月 48,000 各月の前月比(増減率)を追加してください

手順:

1. 値エリアの「売上」フィールドをもう一度ドラッグ 2. 2つ目の「売上」をクリック 3. [値フィールドの設定] を選択 4. [計算の種類] タブをクリック 5. [計算方法] で「基準値との差分の比率」を選択 6. [基準フィールド]:月 7. [基準アイテム]:前の項目 8. OK をクリック

結果:

月 売上 前月比 1月 50,000 − 2月 65,000 +30.0% 3月 48,000 −26.2%

解説:

「基準値との差分の比率」を選ぶと、前の項目と比較した増減率が計算されます。1月は比較対象がないため「−」となります。プラスは増加、マイナスは減少を表します。

練習 4
上級

利益率を計算して20%未満を抽出してください

📝 課題(※横スクロールできます)

売上と原価のデータがあります。 要件: 1. 利益率 = (売上 − 原価) ÷ 売上 の計算フィールドを作成 2. 利益率をパーセント表示 3. 利益率が20%未満の商品のみを抽出

手順:

■ 1. 計算フィールドの作成 1. [フィールド/アイテム/セット] → [集計フィールド] 2. 設定: ・名前:利益率 ・数式:=(売上-原価)/売上 3. [追加] → [OK] ■ 2. パーセント表示に変更 1. 値エリアの「利益率」をクリック 2. [値フィールドの設定] 3. [表示形式] → パーセント → OK ■ 3. 20%未満を抽出 1. 行ラベルの▼をクリック 2. [値フィルター] → [指定の値より小さい] 3. 「0.2」と入力(20%=0.2) 4. OK をクリック

結果:

商品 売上 原価 利益率 商品B 8,000 6,800 15.0% 商品D 10,000 8,500 15.0%

解説:

計算フィールドで利益率を計算し、値フィルターで絞り込みます。利益率が低い商品を特定することで、価格戦略や原価削減の対象を見つけられます。このような分析は、経営判断に直結する重要な情報です。

❓ よくある質問

Q1: 計算フィールドと元データの計算列、どちらを使うべきですか?
計算フィールド:簡単な計算、ピボットテーブルだけで完結したい場合
元データの計算列:複雑な計算、IF関数など高度な処理が必要な場合

計算フィールドは集計後の値を使うため、行ごとの細かい計算には向きません。正確な計算が必要な場合は、元データに列を追加することをおすすめします。
Q2: 計算フィールドが作成できません
以下を確認してください:
✓ ピボットテーブルが選択されているか
計算アイテムを使っていないか(計算フィールドと併用不可)
✓ Excelのバージョンが対応しているか
✓ Googleスプレッドシートでは計算フィールド機能がない
Q3: 計算フィールドを削除したい
1. [フィールド/アイテム/セット] → [集計フィールド] を選択
2. 削除したいフィールドを選択
3. [削除] をクリック
4. [OK] をクリック
Q4: 前月比が正しく表示されません
日付フィールドが正しい順序で並んでいるか確認してください。文字列として認識されていると、順序が狂います。また、「基準フィールド」と「基準アイテム」の設定が正しいか確認してください。
Q5: Googleスプレッドシートで計算フィールドを使いたい
Googleスプレッドシートには計算フィールド機能がありません。代わりに:
1. 元データに計算列を追加する(最もシンプル)
2. ピボットテーブルの隣に計算列を追加する
のいずれかの方法を使ってください。
Q6: 計算フィールドで使えない関数はありますか?
計算フィールドでは、基本的な四則演算のみ使えます。
✓ 使える:+、−、*、/、括弧
✗ 使えない:IF、SUMIF、VLOOKUPなどのワークシート関数

複雑な条件分岐が必要な場合は、元データに計算列を追加してください。

📝 Step 43 のまとめ

✅ このステップで学んだこと

🧮 計算フィールド
新しい計算項目を追加(利益、利益率など)
📊 集計方法の変更
合計、平均、個数などの切り替え
📈 構成比
全体に対する各項目の割合を表示
📉 前年比・前月比
時系列データの変化率を計算
🧩 計算アイテム
新しい行項目を追加(カテゴリ別小計など)
🎯 次のステップへ

ピボットテーブルの計算フィールドをマスターしました!これでピボットテーブル編は完了です。次のStep 44からは、データ可視化編に入ります。グラフ作成の基礎を学びます。
📝

学習メモ

Excel・Googleスプレッドシート完全マスター - Step 43

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