📋 このステップで学ぶこと
- 売上管理システムの設計
- 売上データ入力フォームの作成
- 自動集計の仕組み構築
- 月次レポートの作成
- ダッシュボードの構築
- グラフを使った可視化
- データ検証と入力規則
レベル: これまで学んだすべての知識を統合する総合プロジェクト
📝 1. プロジェクト概要
中小企業向けの売上管理システムを、ExcelまたはGoogleスプレッドシートで構築します。
📋 システム要件(※横スクロールできます)
【システム要件】
■ 目的
・日々の売上データを記録
・月次での売上集計
・商品別・顧客別の分析
・経営判断に使えるダッシュボード
■ 機能
1. 売上データ入力フォーム
– 日付、顧客名、商品名、数量、単価
– 入力規則で誤入力を防ぐ
– 自動計算(金額 = 数量 × 単価)
2. 自動集計
– 日別・月別の売上合計
– 商品別の売上ランキング
– 顧客別の売上金額
3. 月次レポート
– 月次サマリー
– 前月比較
– 目標達成率
4. ダッシュボード
– 売上推移グラフ
– 商品別売上グラフ
– KPI表示
■ 対象ユーザー
・小売店
・飲食店
・サービス業
・フリーランス
🔑 プロジェクトの学習ポイント
このプロジェクトで、これまで学んだすべてのスキルを使います:
✓ 数式と関数(SUM, SUMIF, VLOOKUP, IF)
✓ データ検証(入力規則)
✓ 条件付き書式
✓ ピボットテーブル
✓ グラフ作成
✓ データクレンジング
✓ シート設計
実務で即使える、実践的なシステムを構築します!
🏗️ 2. システム設計
まず、システム全体の構造を設計します。
📋 シート構成(※横スクロールできます)
【シート構成】
■ シート1: 売上データ(データベース)
役割: すべての売上データを記録
列:
A: 伝票番号(自動採番)
B: 日付
C: 顧客名
D: 商品名
E: 数量
F: 単価
G: 金額(自動計算 = E × F)
H: 担当者
データ例:
伝票番号 日付 顧客名 商品名 数量 単価 金額 担当者
1 2025-01-15 A社 商品A 10 1,000 10,000 田中
2 2025-01-15 B社 商品B 5 2,000 10,000 佐藤
3 2025-01-16 C社 商品A 20 1,000 20,000 田中
■ シート2: マスタデータ
役割: 商品、顧客、担当者の一覧
商品マスタ(A列~C列):
商品コード 商品名 単価
P001 商品A 1,000
P002 商品B 2,000
P003 商品C 1,500
顧客マスタ(E列~F列):
顧客コード 顧客名
C001 A社
C002 B社
C003 C社
担当者マスタ(H列~I列):
担当者コード 担当者名
S001 田中
S002 佐藤
S003 鈴木
■ シート3: 月次サマリー
役割: 月別の集計結果
集計項目:
月 売上合計 前月比 目標 達成率
2025-01 500,000 – 600,000 83%
2025-02 650,000 +30% 600,000 108%
■ シート4: ダッシュボード
役割: 経営状況を一目で把握
表示内容:
– 今月の売上(大きく表示)
– 今月の目標達成率
– 売上推移グラフ(直近6ヶ月)
– 商品別売上グラフ
– 顧客別売上トップ5
📊 データフロー(※横スクロールできます)
【データフロー】
1. 売上発生
↓
2. 売上データシートに入力
・日付、顧客、商品、数量を入力
・単価はVLOOKUPで自動取得
・金額は自動計算
↓
3. 自動集計
・月次サマリーシートで自動集計
・SUMIFS, COUNTIFS で集計
↓
4. ダッシュボードで可視化
・グラフが自動更新
・KPIが自動計算
↓
5. 経営判断
・売上トレンドの確認
・問題点の発見
・対策の立案
📊 システム構成イメージ
📝 シート1: 売上データ(入力用)
役割: データの入力と保存
機能: 入力規則、自動計算、VLOOKUP
📚 シート2: マスタデータ(参照用)
役割: 商品・顧客・担当者の一元管理
機能: VLOOKUPの参照元
📊 シート3: 月次サマリー(集計)
役割: 月別の自動集計
機能: SUMIFS、前月比計算、達成率計算
📈 シート4: ダッシュボード(可視化)
役割: 経営状況の可視化
機能: グラフ、KPI表示、条件付き書式
📝 3. 売上データ入力フォームの作成
売上データシートを作成し、入力しやすく、ミスが起きにくい仕組みを作ります。
📋 ステップ1: 基本テーブルの作成(※横スクロールできます)
【ステップ1: 基本テーブルの作成】
■ シート名: 売上データ
■ ヘッダー行(1行目)
A1: 伝票番号
B1: 日付
C1: 顧客名
D1: 商品名
E1: 数量
F1: 単価
G1: 金額
H1: 担当者
書式:
・太字
・背景色: 薄いブルー
・中央揃え
■ データ開始行: 2行目から
📋 ステップ2: 伝票番号の自動採番(※横スクロールできます)
【ステップ2: 伝票番号の自動採番】
■ A2セルの数式
=IF(B2=””,””,ROW()-1)
説明:
・日付が入力されたら、行番号-1を表示
・日付が空白なら、空白を表示
例:
A2: 1(2行目なので2-1=1)
A3: 2
A4: 3
■ 下にコピー
A2の数式をA3以降にコピー
📋 ステップ3: 日付の入力規則(※横スクロールできます)
【ステップ3: 日付の入力規則】
■ B列の設定
1. B2:B1000を選択
2. [データ] → [データの入力規則]
3. 設定:
– 入力値の種類: 日付
– データ: 次の値以上
– 開始日: 2025/01/01
4. 入力時メッセージ:
「日付を入力してください(例: 2025/01/15)」
5. エラーメッセージ:
「2025年1月1日以降の日付を入力してください」
効果:
・正しい形式の日付のみ入力可能
・過去の日付は入力不可(任意)
📋 ステップ4: ドロップダウンの設定(※横スクロールできます)
【ステップ4: 顧客名・商品名・担当者のドロップダウン】
■ C列(顧客名)のドロップダウン
1. C2:C1000を選択
2. [データ] → [データの入力規則]
3. 設定:
– 入力値の種類: リスト
– 元の値: マスタデータ!$F$2:$F$100
4. [OK]
効果:
・顧客マスタから選択式で入力
・入力ミスが防げる
■ D列(商品名)のドロップダウン
1. D2:D1000を選択
2. [データ] → [データの入力規則]
3. 設定:
– 元の値: マスタデータ!$B$2:$B$100
■ H列(担当者)のドロップダウン
1. H2:H1000を選択
2. 設定:
– 元の値: マスタデータ!$I$2:$I$100
📋 ステップ5: 数量の入力規則(※横スクロールできます)
【ステップ5: 数量の入力規則】
■ E列(数量)の設定
1. E2:E1000を選択
2. [データ] → [データの入力規則]
3. 設定:
– 入力値の種類: 整数
– データ: 次の値以上
– 最小値: 1
4. エラーメッセージ:
「1以上の整数を入力してください」
効果:
・負の数や0は入力不可
・小数も入力不可
📋 ステップ6: 単価の自動取得(VLOOKUP)(※横スクロールできます)
【ステップ6: 単価の自動取得(VLOOKUP)】
■ F2セルの数式
=IF(D2=””,””,VLOOKUP(D2,マスタデータ!$B$2:$C$100,2,FALSE))
説明:
・商品名(D2)が入力されたら
・マスタデータシートの商品マスタから
・その商品の単価を自動取得
例:
D2に「商品A」と入力
→ F2に「1,000」が自動表示
■ エラー処理(推奨)
=IF(D2=””,””,IFERROR(VLOOKUP(D2,マスタデータ!$B$2:$C$100,2,FALSE),”商品マスタに未登録”))
■ 下にコピー
F2の数式をF3以降にコピー
📋 ステップ7: 金額の自動計算(※横スクロールできます)
【ステップ7: 金額の自動計算】
■ G2セルの数式
=IF(E2=””,””,E2*F2)
説明:
・数量(E2)× 単価(F2)
・数量が空白なら、空白を表示
■ 表示形式
1. G列を選択
2. [ホーム] → [表示形式] → [通貨]
3. 「¥」マークと桁区切りが表示
例:
E2: 10、F2: 1,000
→ G2: ¥10,000
■ 下にコピー
G2の数式をG3以降にコピー
💡 入力フォームの完成イメージ
ユーザーが入力するのは:
✓ 日付(入力規則でチェック)
✓ 顧客名(ドロップダウンから選択)
✓ 商品名(ドロップダウンから選択)
✓ 数量(1以上の整数のみ)
✓ 担当者(ドロップダウンから選択)
自動で入力されるのは:
✓ 伝票番号
✓ 単価(VLOOKUPで自動取得)
✓ 金額(数量×単価で自動計算)
これで、入力ミスが激減し、作業効率が大幅アップ!
📊 4. 月次サマリーの自動集計
月次サマリーシートで、売上データを自動集計します。
📋 ステップ1: 月次サマリーシートの作成(※横スクロールできます)
【ステップ1: 月次サマリーシートの作成】
■ シート名: 月次サマリー
■ ヘッダー行
A1: 年月
B1: 売上合計
C1: 販売件数
D1: 前月比
E1: 目標金額
F1: 達成率
書式:
・太字、背景色: 薄い緑、中央揃え
■ 年月リスト(A列)
A2: 2025-01
A3: 2025-02
A4: 2025-03
…
または、数式で自動生成:
A2: =DATE(2025,1,1)
A3: =EDATE(A2,1)
→ 下にコピー
表示形式: yyyy-mm
📋 ステップ2: 売上合計の計算(SUMIFS)(※横スクロールできます)
【ステップ2: 売上合計の計算(SUMIFS)】
■ B2セルの数式
=SUMIFS(売上データ!$G:$G,売上データ!$B:$B,”>=”&A2,売上データ!$B:$B,”<"&EDATE(A2,1))
説明:
・売上データシートのG列(金額)を合計
・条件1: B列(日付)が A2(2025-01-01)以上
・条件2: B列(日付)が 2025-02-01未満
→ つまり、2025年1月のデータのみ合計
■ 簡易版(TEXT関数で月の判定)
=SUMIFS(売上データ!$G:$G,売上データ!$B:$B,">=”&A2,売上データ!$B:$B,”<"&EDATE(A2,1))
■ 下にコピー
B2の数式をB3以降にコピー
→ 各月の売上が自動計算される!
📋 ステップ3: 販売件数の計算(COUNTIFS)(※横スクロールできます)
【ステップ3: 販売件数の計算(COUNTIFS)】
■ C2セルの数式
=COUNTIFS(売上データ!$B:$B,”>=”&A2,売上データ!$B:$B,”<"&EDATE(A2,1))
説明:
・売上データシートのB列(日付)をカウント
・2025年1月のデータ件数
■ 下にコピー
📋 ステップ4-5: 前月比・達成率の計算(※横スクロールできます)
【ステップ4: 前月比の計算】
■ D3セルの数式(D2は空白)
=IF(B3=””,””,IF(B2=0,””,TEXT((B3-B2)/B2,”+0%;-0%”)))
説明:
・今月の売上(B3)- 前月の売上(B2)
・それを前月の売上(B2)で割る
・パーセント表示(+/-付き)
例:
前月: 500,000、今月: 650,000
→ (650,000 – 500,000) / 500,000 = +30%
■ D3以降にコピー
注意:
D2(1月)は前月がないので空白
【ステップ5: 目標金額と達成率】
■ E列: 目標金額(手動入力)
E2: 600,000
E3: 650,000
E4: 700,000
■ F2セルの数式(達成率)
=IF(E2=””,””,B2/E2)
表示形式: パーセント
例:
売上: 650,000、目標: 600,000
→ 650,000 / 600,000 = 108%
■ 下にコピー
📋 ステップ6: 条件付き書式で達成状況を可視化(※横スクロールできます)
【ステップ6: 条件付き書式で達成状況を可視化】
■ 達成率(F列)に色を付ける
1. F2:F13を選択
2. [ホーム] → [条件付き書式]
3. [新しいルール]
4. [数式を使用…]
5. 数式: =$F2>=1
6. 書式: 緑の背景色
7. [OK]
8. もう1つルール追加
9. 数式: =$F2<0.9
10. 書式: 赤の背景色
結果:
・100%以上: 緑(目標達成!)
・90%未満: 赤(要改善)
・90~100%: 色なし(もう少し)
📈 5. ダッシュボードの構築
ダッシュボードで、経営状況を一目で把握できるようにします。
📋 ステップ1: KPIカードの作成(※横スクロールできます)
【ステップ1: KPIカードの作成】
■ 今月の売上(大きく表示)
1. セルA1に「今月の売上」
2. セルA2に数式:
=月次サマリー!B13
(B13は最新月の売上)
3. A2のフォントサイズ: 36pt
4. 表示形式: ¥#,##0
5. 背景色: 薄い青
■ 目標達成率
1. セルC1に「目標達成率」
2. セルC2に数式:
=月次サマリー!F13
3. 表示形式: 0%
4. 条件付き書式:
– >=100%: 緑
– <90%: 赤
■ 前月比
1. セルE1に「前月比」
2. セルE2に数式:
=月次サマリー!D13
3. 条件付き書式:
- >0: 緑(成長)
– <0: 赤(下降)
📊 ステップ2-3: グラフの作成(※横スクロールできます)
【ステップ2: 売上推移グラフ】
■ 直近6ヶ月の売上推移
1. 月次サマリーシートのデータを使う:
– 範囲: A8:B13(直近6ヶ月)
2. グラフの挿入:
– [挿入] → [グラフ] → [折れ線グラフ]
3. グラフのカスタマイズ:
– タイトル: 「売上推移(直近6ヶ月)」
– 横軸: 年月
– 縦軸: 売上(円)
– 色: ブルー
– データラベル: 表示(売上金額)
4. ダッシュボードシートに配置
【ステップ3: 商品別売上グラフ】
■ 商品別の売上集計
1. 新しいセクション(A15以降)
2. A15: 商品名
3. B15: 売上
4. 商品ごとにSUMIFSで集計:
=SUMIFS(売上データ!$G:$G,売上データ!$D:$D,A16)
5. 横棒グラフを作成:
– [挿入] → [グラフ] → [横棒グラフ]
– タイトル: 「商品別売上」
– 降順で表示
6. ダッシュボードに配置
【Googleスプレッドシートの場合】(専用機能)
=QUERY(売上データ!A:G, “SELECT D, SUM(G) WHERE D != ” GROUP BY D ORDER BY SUM(G) DESC”)
📊 ステップ4-5: 顧客ランキングとレイアウト(※横スクロールできます)
【ステップ4: 顧客別売上トップ5】
■ 顧客別の売上集計
1. 新しいセクション
2. A25: 順位
3. B25: 顧客名
4. C25: 売上
5. 集計方法:
– 補助シートで全顧客を集計(SUMIF)
– 並べ替えで上位5件を表示
6. 表の装飾:
– 1位: 金色の背景
– 2位: 銀色の背景
– 3位: 銅色の背景
【ステップ5: ダッシュボード全体のレイアウト】
■ レイアウト例
┌─────────────────────────────────┐
│ 今月の売上 目標達成率 前月比 │
│ ¥2,500,000 108% +15% │
├─────────────────────────────────┤
│ 売上推移(直近6ヶ月) │
│ [折れ線グラフ] │
├──────────────┬────────────────┤
│ 商品別売上 │ 顧客別トップ5 │
│ [横棒グラフ] │ [ランキング表] │
└──────────────┴────────────────┘
■ デザインのポイント
・KPIは大きく目立つように
・グラフは見やすいサイズで
・色を統一(ブルー系)
・余白を適切に
🎯 ダッシュボード作成のベストプラクティス
1. 情報の優先順位:
最重要KPIは左上に大きく表示
2. 色の使い方:
・赤: 警告、目標未達
・緑: 良好、目標達成
・青: 中立、標準
3. グラフの選択:
・時系列: 折れ線グラフ
・比較: 棒グラフ
・構成比: 円グラフ
4. シンプルに:
1画面で全体像が把握できるように、詳細は別シートへ
🔧 6. 完成システムの使い方
構築したシステムの日常的な使い方を説明します。
📋 日次・月次の運用(※横スクロールできます)
【日次の運用】
■ 朝一番
1. ダッシュボードを確認
– 前日の売上
– 月累計
– 目標との差
■ 売上発生時
1. 売上データシートを開く
2. 新しい行に入力:
– 日付: 今日の日付
– 顧客名: ドロップダウンから選択
– 商品名: ドロップダウンから選択
– 数量: 数値を入力
– 担当者: ドロップダウンから選択
3. 単価と金額が自動表示されることを確認
■ 夕方
1. その日の売上を確認
2. 異常値がないかチェック
3. ダッシュボードで月累計を確認
【月次の運用】
■ 月初(前月締め後)
1. 月次サマリーを確認
– 前月の売上合計
– 目標達成率
– 前月比
2. レポート作成:
– ダッシュボードをPDFに出力
– 経営会議資料として使用
3. 目標設定:
– 今月の目標金額を入力
– 前月の実績を参考に
■ 月中
1. 進捗確認:
– 目標に対する進捗
– 商品別の売れ行き
– 顧客別の動向
2. アクション:
– 遅れている場合は対策
– 好調な商品は在庫確保
📋 マスタデータの更新とバックアップ(※横スクロールできます)
【マスタデータの更新】
■ 新商品追加
1. マスタデータシートを開く
2. 商品マスタに追加:
– 商品コード
– 商品名
– 単価
3. 売上データシートのドロップダウンに自動反映
■ 新規顧客追加
1. 顧客マスタに追加:
– 顧客コード
– 顧客名
2. 売上データシートで選択可能に
■ 価格変更
1. 商品マスタの単価を変更
2. 以降の売上データで新価格が自動適用
注意:
過去のデータは変更されない
(過去の単価が保持される)
【データのバックアップ】
■ 定期的なバックアップ
1. 毎月末にファイルをコピー
2. ファイル名: 売上管理_2025-01.xlsx
■ Googleスプレッドシートの場合
1. [ファイル] → [コピーを作成]
2. または、バージョン履歴で自動保存
■ 重要なポイント
・元データは絶対に削除しない
・月次締め後にバックアップ
・年度末に年間バックアップ
⚠️ 運用上の注意点
1. データの一貫性:
・過去のデータは原則修正しない
・間違いがあれば、訂正の記録を残す
2. 複数人での使用:
・Googleスプレッドシートなら同時編集可能
・Excelの場合は、OneDriveで共有
3. 権限管理:
・マスタデータは管理者のみ編集可
・売上データは営業担当が入力
・ダッシュボードは閲覧のみ
4. 定期的なチェック:
・数式が消えていないか
・異常値がないか
・グラフが正しく更新されているか
📝 実践課題
実践課題
総合
売上管理システムを実際に構築してください
要件:
1. 以下のシートを作成
– 売上データ
– マスタデータ
– 月次サマリー
– ダッシュボード
2. 最低限の機能
– 売上データの入力(入力規則付き)
– 単価の自動取得(VLOOKUP)
– 金額の自動計算
– 月次売上の自動集計
– 売上推移グラフ
3. サンプルデータを10件以上入力
4. ダッシュボードで可視化
5. PDFでレポート出力
構築手順:
【ステップ1: 準備(15分)】
1. 新しいスプレッドシートを作成
2. シート名を変更:
– シート1 → 売上データ
– シート2 → マスタデータ
– シート3 → 月次サマリー
– シート4 → ダッシュボード
【ステップ2: マスタデータ作成(20分)】
1. マスタデータシートを開く
2. 商品マスタを作成(A1:C10):
– 商品コード、商品名、単価
– 5~10個の商品を登録
3. 顧客マスタを作成(E1:F10):
– 顧客コード、顧客名
– 5~10社の顧客を登録
4. 担当者マスタを作成(H1:I5):
– 担当者コード、担当者名
– 3~5人の担当者を登録
【ステップ3: 売上データシート作成(40分)】
1. ヘッダー行を作成
2. 伝票番号の自動採番(A2)
3. 日付の入力規則(B列)
4. 顧客名のドロップダウン(C列)
5. 商品名のドロップダウン(D列)
6. 数量の入力規則(E列)
7. 単価の自動取得(F2):
=VLOOKUP(D2,マスタデータ!$B$2:$C$100,2,FALSE)
8. 金額の自動計算(G2):
=E2*F2
9. 担当者のドロップダウン(H列)
10. すべての数式を100行目までコピー
【ステップ4: サンプルデータ入力(20分)】
1. 売上データを10~20件入力
2. 複数の日付、商品、顧客を混ぜる
3. 自動計算が正しく動作するか確認
【ステップ5: 月次サマリー作成(30分)】
1. ヘッダー行を作成
2. 年月リストを作成(A2:A13)
3. 売上合計を計算(B2):
=SUMIFS(売上データ!$G:$G,売上データ!$B:$B,”>=”&A2,…)
4. 販売件数を計算(C2)
5. 前月比を計算(D3)
6. 目標金額を入力(E列)
7. 達成率を計算(F2)
8. 条件付き書式を設定
【ステップ6: ダッシュボード作成(40分)】
1. KPIカードを作成:
– 今月の売上(A1:B2)
– 目標達成率(D1:E2)
– 前月比(G1:H2)
2. 売上推移グラフを挿入
3. 商品別売上グラフを作成
4. 顧客別トップ5を表示
5. 全体のレイアウトを調整
6. 色・フォントを統一
【ステップ7: テストと調整(30分)】
1. 新しい売上データを追加
2. 自動更新されるか確認
3. グラフが更新されるか確認
4. 数式エラーがないか確認
5. 見た目を調整
【ステップ8: 完成・出力(15分)】
1. ダッシュボードをPDF出力
2. 使い方マニュアルを作成(任意)
3. バックアップを保存
合計: 約3.5時間
チェックリスト:
□ 売上データシート
□ 伝票番号が自動採番される
□ ドロップダウンで入力できる
□ 単価が自動取得される
□ 金額が自動計算される
□ 入力規則が機能している
□ マスタデータシート
□ 商品マスタが整理されている
□ 顧客マスタが整理されている
□ 担当者マスタが整理されている
□ 月次サマリーシート
□ 売上が自動集計される
□ 前月比が計算される
□ 達成率が計算される
□ 条件付き書式が効いている
□ ダッシュボードシート
□ KPIが表示される
□ グラフが表示される
□ レイアウトがきれい
□ 色が統一されている
□ 全体
□ サンプルデータが入っている
□ すべての機能が動作する
□ PDFで出力できる
すべて✓なら完成!
📝 Step 50 のまとめ
✅ このステップで学んだこと
- システム設計: 実務で使えるシステムの構造
- 入力フォーム: 入力規則とドロップダウンで効率化
- 自動化: VLOOKUP、数式で自動計算・集計
- 可視化: グラフとKPIでダッシュボード構築
- 運用: 日次・月次の業務フロー
- 保守: マスタデータ管理とバックアップ
🎯 このシステムで実現できること
✓ 売上の見える化: リアルタイムで状況把握
✓ 入力の効率化: ドロップダウンで入力時間70%削減
✓ ミスの削減: 入力規則と自動計算でヒューマンエラー防止
✓ 分析の高速化: 月次レポートが自動生成
✓ 意思決定の迅速化: ダッシュボードで課題発見
小規模ビジネスなら、このシステムだけで十分運用可能!
🎯 次のステップの予告
売上管理システムを構築できました!次のSTEP 51では、「実践プロジェクト2 – 在庫管理システム構築」に挑戦します。入出庫を記録し、在庫状況をリアルタイムで把握するシステムを作ります!
❓ よくある質問
Q1: VLOOKUPがエラーになります
原因と対処法:
#N/A エラー:
→ 商品名がマスタに登録されていない
→ マスタデータシートで商品を追加
#REF! エラー:
→ 参照範囲が間違っている
→ マスタデータ!$B$2:$C$100 を確認
#VALUE! エラー:
→ 列番号が間違っている
→ 2列目を取得するなら、最後の引数は2
推奨: IFERRORでエラー処理
=IFERROR(VLOOKUP(…), “未登録”)
Q2: 月次サマリーの集計がおかしいです
確認ポイント:
1. 日付の形式: 日付型になっているか?
→ 文字列になっていると集計されない
2. SUMIFSの範囲: $マークで固定されているか?
→ 売上データ!$G:$G(絶対参照)
3. 条件式: 正しい月のデータを取得しているか?
→ 数式をセルごとに確認
4. 空白行: 空白行が含まれていないか?
→ G列に0や空白があると合計に影響
デバッグ: 小さいデータで試して、1件ずつ確認
Q3: グラフが自動更新されません
原因: グラフの範囲が固定されている
解決方法:
1. グラフを選択
2. [グラフのデザイン] → [データの選択]
3. 範囲を確認・修正
動的範囲の設定(Excel):
テーブル機能を使う
1. データ範囲を選択
2. [挿入] → [テーブル]
3. グラフはテーブルを参照
→ データが増えても自動拡張
Googleスプレッドシート:
範囲を A:G のように列全体で指定
Q4: 複数人で使いたいのですが…
Googleスプレッドシートの場合:
✓ 自然に複数人で同時編集可能
✓ 共有設定で権限を管理
✓ 変更履歴が自動保存
Excelの場合:
1. OneDriveに保存:
→ Web版Excelで同時編集可能
2. SharePointに保存:
→ 複数人で同時編集
3. ローカルファイル:
→ 同時編集は不可
→ ファイルの受け渡しが必要
推奨: 複数人で使うならGoogleスプレッドシート
Q5: もっと高度な機能を追加したいです
追加できる機能:
1. 在庫連動:
→ 売上と同時に在庫を減らす(STEP 51で学習)
2. 請求書自動作成:
→ 売上データから請求書を生成
3. メール通知:
→ 目標未達時に自動メール(Google Apps Script)
4. 予測分析:
→ 来月の売上を予測(FORECAST関数)
5. 外部連携:
→ POSシステムからデータ自動取込(API連携)
より高度な機能は、Google Apps ScriptやExcel VBAが必要です。
Q6: ドロップダウンに新しい項目を追加したのに表示されません
原因と対処法:
原因1: 参照範囲が固定されている
→ $F$2:$F$10 のように範囲が限定されている
→ $F$2:$F$100 のように広めに設定し直す
原因2: 空白行がある
→ マスタデータに空白行があると、そこで終わる
→ 空白行を削除する
原因3: 別のセルに入力している
→ マスタデータの正しい列に入力しているか確認
推奨設定:
入力規則の参照範囲を列全体で指定
例: マスタデータ!$F:$F(F列全体)
Q7: 過去の売上データを修正した場合、月次サマリーは更新されますか?
はい、自動的に更新されます。
月次サマリーの数式(SUMIFS、COUNTIFS)は、売上データシートを参照しているため、元データを修正すると自動的に再計算されます。
注意点:
✓ 修正した場合は、修正履歴を残すことを推奨
✓ 月末締め後は原則修正しない運用がベスト
✓ どうしても修正が必要な場合は、別途「修正記録」シートを作成
修正記録の例:
日付、修正内容、修正前の値、修正後の値、修正者、修正理由
を記録しておくと、後から追跡できます。
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