Step 51:実践プロジェクト2 – 在庫管理システム構築

📦 Step 51: 実践プロジェクト2 – 在庫管理システム構築

入出庫を記録して、在庫をリアルタイムで把握しよう!

📋 このステップで学ぶこと

  • 在庫管理システムの設計と構築
  • 在庫マスタの作成
  • 入出庫記録の管理
  • 在庫残高の自動計算(SUMIFS関数)
  • 発注点アラート機能(IF関数+条件付き書式)
  • 在庫ダッシュボードの構築
  • 棚卸チェックと運用フロー

🎯 1. プロジェクト概要

在庫管理システムとは

在庫管理システムとは、商品の入庫(仕入)と出庫(販売)を記録し、現在の在庫数をリアルタイムで把握するための仕組みです。発注が必要な商品を自動検出し、在庫切れを防ぎます。

🏠 日常生活に例えると…

冷蔵庫の中身を管理するのと同じです。
  • 入庫:スーパーで買い物して冷蔵庫に入れる
  • 出庫:料理に使って冷蔵庫から出す
  • 在庫残高:今、冷蔵庫に何がどれだけあるか
  • 発注点:「牛乳が残り1本になったら買い足す」というルール
これをお店や会社の商品で行うのが在庫管理システムです。

システム要件

📋 このシステムで実現すること(※横スクロールできます)

【目的】 ・入庫(仕入)と出庫(販売)を記録 ・在庫残高をリアルタイムで把握 ・発注が必要な商品を自動検出 ・在庫切れを防ぐ 【4つのシート構成】 ┌─────────────────────────────────────────────────────────────┐ │ シート1: 在庫マスタ → 商品情報の一元管理 │ │ シート2: 入出庫記録 → 入庫・出庫の履歴 │ │ シート3: 在庫残高 → 現在の在庫数を自動計算 │ │ シート4: ダッシュボード → アラート・グラフで可視化 │ └─────────────────────────────────────────────────────────────┘ 【対象ユーザー】 ・小売店、ECサイト運営 ・製造業、倉庫管理 ・飲食店(食材管理) ・オフィス(消耗品管理)
🔑 在庫管理が重要な理由

在庫切れのリスク:
  • 販売機会の損失(売りたいのに売れない)
  • 顧客満足度の低下(「また品切れか…」)
  • 信用の失墜(リピーターが減る)
過剰在庫のリスク:
  • キャッシュフローの悪化(お金が在庫に変わっている)
  • 保管コストの増加(倉庫代、管理費)
  • 商品劣化・陳腐化(賞味期限切れ、流行遅れ)
→ 適正在庫を維持することが大切!

🏗️ 2. システム設計

シート構成の詳細

📋 4つのシートの役割(※横スクロールできます)

【シート1: 在庫マスタ】 商品の基本情報を登録するシート 列構成: A: 商品コード (例:P001) B: 商品名 (例:りんご) C: カテゴリ (例:食品) D: 単位 (例:個、箱、kg) E: 安全在庫数 (例:30) F: 発注点 (例:50) G: 発注単位 (例:100) H: 仕入先 (例:A商事) I: 備考 (例:季節商品) 【シート2: 入出庫記録】 入庫・出庫を記録するシート 列構成: A: 伝票番号 (自動採番) B: 日付 (入力) C: 区分 (入庫/出庫) D: 商品コード (ドロップダウン) E: 商品名 (VLOOKUP自動取得) F: 数量 (入力) G: 理由 (仕入/販売/返品/調整) H: 担当者 (ドロップダウン) I: 備考 (任意入力) 【シート3: 在庫残高】 現在の在庫数を自動計算するシート 列構成: A: 商品コード B: 商品名 C: 現在庫数 (SUMIFS自動計算) D: 安全在庫数 (マスタ参照) E: 発注点 (マスタ参照) F: ステータス (GOOD/WARNING/DANGER/在庫切れ) G: 発注推奨数 (条件判定) 【シート4: 在庫ダッシュボード】 全体を可視化するシート 表示内容: – 在庫切れ商品の一覧 – 発注が必要な商品 – カテゴリ別在庫数 – 在庫推移グラフ – KPI(総在庫数、アラート数など)

データの流れ

📊 システムの仕組み(※横スクロールできます)

【データの流れ】 在庫マスタ 入出庫記録 ┌──────────┐ ┌──────────┐ │商品情報 │────────────│入庫/出庫 │ │発注点 │ 参照 │を記録 │ │安全在庫 │ │ │ └──────────┘ └──────────┘ │ │ │ │ ▼ ▼ ┌──────────────────────────────────┐ │ 在庫残高 │ │ 入庫合計 – 出庫合計 = 現在庫 │ │ ステータス自動判定 │ └──────────────────────────────────┘ │ ▼ ┌──────────────────────────────────┐ │ ダッシュボード │ │ アラート表示・グラフ・KPI │ └──────────────────────────────────┘ 【ポイント】 ・入出庫を記録すると、在庫残高が自動更新 ・在庫が発注点を下回ると、自動でアラート ・ダッシュボードで一目で状況把握

📚 3. 在庫マスタの作成

在庫マスタとは

在庫マスタは、商品の基本情報を一元管理するシートです。ここに登録した商品情報を、他のシートから参照します。

サンプルデータ

📋 在庫マスタの例(※横スクロールできます)

【在庫マスタ(シート1)】 商品コード 商品名 カテゴリ 単位 安全在庫 発注点 発注単位 仕入先 P001 りんご 果物 個 30 50 100 A商事 P002 バナナ 果物 本 50 80 150 A商事 P003 牛乳 乳製品 本 20 30 50 B物産 P004 食パン パン 個 10 20 30 C製パン P005 コーヒー 飲料 袋 15 25 50 D商店 P006 洗剤 日用品 個 10 15 30 E商事 P007 ティッシュ 日用品 箱 20 30 50 E商事 P008 ノート 文具 冊 30 50 100 F文具 P009 ボールペン 文具 本 50 80 200 F文具 P010 電池 電気 個 20 30 100 G電機

発注点と安全在庫の設定基準

📋 計算方法(※横スクロールできます)

【発注点の計算】 発注点 = リードタイム × 1日平均販売数 + 安全在庫 例:りんごの場合 ・1日平均販売数:10個 ・仕入リードタイム:3日(発注から届くまで) ・安全在庫:20個(念のための余裕) 発注点 = 3 × 10 + 20 = 50個 → 在庫が50個を下回ったら発注! 【安全在庫の計算】 安全在庫 = 1日平均販売数 × 安全日数 例:りんごの場合 ・1日平均販売数:10個 ・安全日数:2日(予備として持っておく日数) 安全在庫 = 10 × 2 = 20個 【発注単位の決め方】 ・仕入先の最小発注単位に合わせる ・価格が安くなるロットに合わせる ・保管スペースを考慮する
✅ 発注点と安全在庫の違い

  • 発注点:この数を下回ったら発注する基準(WARNING)
  • 安全在庫:最低限維持したい数(下回るとDANGER)
発注点 > 安全在庫 になるように設定します。

📝 4. 入出庫記録シートの作成

入力フォームの設定

📋 各列の設定(※横スクロールできます)

【A列:伝票番号(自動採番)】 A2セルの数式: =IF(B2=””,””,ROW()-1) 説明: ・B列(日付)が入力されたら、行番号-1を表示 ・空白なら何も表示しない ・ROW()は現在の行番号を返す関数 【B列:日付】 入力規則の設定: 1. B列を選択 2. [データ] → [データの入力規則] 3. 条件:日付 4. 範囲:今日以前(未来の日付は不可) 【C列:区分(ドロップダウン)】 入力規則の設定: 1. C列を選択 2. [データ] → [データの入力規則] 3. 条件:リストを直接指定 4. 値:入庫,出庫 【D列:商品コード(ドロップダウン)】 入力規則の設定: 1. D列を選択 2. [データ] → [データの入力規則] 3. 条件:リストを範囲で指定 4. 元の値:在庫マスタ!$A$2:$A$100 【E列:商品名(VLOOKUP自動取得)】 E2セルの数式: =IF(D2=””,””,VLOOKUP(D2,在庫マスタ!$A:$B,2,FALSE)) 説明: ・D列の商品コードをもとに、在庫マスタから商品名を取得 ・商品コードが空なら空白を表示 【F列:数量】 入力規則の設定: 1. F列を選択 2. [データ] → [データの入力規則] 3. 条件:整数 4. 最小値:1(0以下は不可) 【G列:理由(ドロップダウン)】 入力規則の設定: ・入庫の理由:仕入,返品受入,棚卸調整,その他 ・出庫の理由:販売,返品出荷,廃棄,棚卸調整,その他 (1つのドロップダウンにまとめる場合) 値:仕入,販売,返品,廃棄,棚卸調整,その他 【H列:担当者(ドロップダウン)】 入力規則の設定: ・担当者リストを作成して参照 ・または直接入力:田中,佐藤,鈴木,山田 【I列:備考】 ・自由入力(入力規則なし)

入出庫記録のサンプルデータ

📋 記録の例(※横スクロールできます)

【入出庫記録(シート2)】 伝票番号 日付 区分 商品コード 商品名 数量 理由 担当者 備考 1 2025-01-05 入庫 P001 りんご 100 仕入 田中 初回仕入 2 2025-01-05 入庫 P002 バナナ 150 仕入 田中 3 2025-01-05 入庫 P003 牛乳 50 仕入 佐藤 4 2025-01-06 出庫 P001 りんご 10 販売 鈴木 5 2025-01-06 出庫 P002 バナナ 20 販売 鈴木 6 2025-01-07 出庫 P001 りんご 15 販売 山田 7 2025-01-07 出庫 P003 牛乳 8 販売 山田 8 2025-01-08 入庫 P001 りんご 50 仕入 田中 追加発注 9 2025-01-08 出庫 P001 りんご 12 販売 鈴木 10 2025-01-09 出庫 P002 バナナ 25 販売 山田 11 2025-01-09 出庫 P001 りんご 5 廃棄 佐藤 傷み 12 2025-01-10 出庫 P003 牛乳 10 販売 鈴木 【このデータから計算される在庫】 ・りんご:入庫(100+50) – 出庫(10+15+12+5) = 108個 ・バナナ:入庫(150) – 出庫(20+25) = 105本 ・牛乳:入庫(50) – 出庫(8+10) = 32本

📊 5. 在庫残高の自動計算

在庫残高シートの作成

📋 数式の設定(※横スクロールできます)

【在庫残高シート(シート3)の数式】 ■ A列:商品コード(マスタから参照) A2セル: =在庫マスタ!A2 (A3以降は下にコピー) ■ B列:商品名(マスタから参照) B2セル: =在庫マスタ!B2 ■ C列:現在庫数(★重要:入出庫から自動計算) C2セル: =SUMIFS(入出庫記録!$F:$F,入出庫記録!$D:$D,$A2,入出庫記録!$C:$C,”入庫”) -SUMIFS(入出庫記録!$F:$F,入出庫記録!$D:$D,$A2,入出庫記録!$C:$C,”出庫”) 【数式の意味】 SUMIFS(入出庫記録!$F:$F, ← 数量列を合計 入出庫記録!$D:$D,$A2, ← 商品コードが一致 入出庫記録!$C:$C,”入庫”) ← 区分が「入庫」 つまり: 該当商品の入庫合計 – 該当商品の出庫合計 = 現在庫 ■ D列:安全在庫数(マスタから参照) D2セル: =VLOOKUP($A2,在庫マスタ!$A:$E,5,FALSE) ■ E列:発注点(マスタから参照) E2セル: =VLOOKUP($A2,在庫マスタ!$A:$F,6,FALSE)

ステータスの自動判定

📋 IF関数でステータスを判定(※横スクロールできます)

【F列:ステータス(自動判定)】 F2セルの数式: =IF(C2=0,”在庫切れ”,IF(C2<D2,”DANGER”,IF(C2<E2,”WARNING”,”GOOD”))) 【判定の順序】 1. 在庫が0 → 「在庫切れ」(最も危険) 2. 在庫 < 安全在庫 → 「DANGER」(危険) 3. 在庫 < 発注点 → 「WARNING」(警告) 4. それ以外 → 「GOOD」(良好) 【数式の分解】 =IF(C2=0, ← 在庫が0なら “在庫切れ”, ← 「在庫切れ」 IF(C2<D2, ← そうでなく、在庫<安全在庫なら “DANGER”, ← 「DANGER」 IF(C2<E2, ← そうでなく、在庫<発注点なら “WARNING”, ← 「WARNING」 “GOOD” ← それ以外は「GOOD」 ) ) ) 【G列:発注推奨数】 G2セルの数式: =IF(F2=”GOOD”,”-“,VLOOKUP($A2,在庫マスタ!$A:$G,7,FALSE)) 説明: ・ステータスがGOODなら、発注不要なので「-」 ・それ以外(WARNING, DANGER, 在庫切れ)なら、マスタの発注単位を表示

条件付き書式で色分け

📋 ステータスに応じた色分け(※横スクロールできます)

【条件付き書式の設定手順】 1. F列(ステータス列)を選択 2. [ホーム] → [条件付き書式] → [新しいルール] 3. 以下の4つのルールを設定: 【ルール1:在庫切れ】 ・条件:セルの値が「在庫切れ」と等しい ・書式:背景色を赤(#FFCDD2)、文字を太字 【ルール2:DANGER】 ・条件:セルの値が「DANGER」と等しい ・書式:背景色をオレンジ(#FFCC80)、文字を太字 【ルール3:WARNING】 ・条件:セルの値が「WARNING」と等しい ・書式:背景色を黄色(#FFF9C4)、文字を太字 【ルール4:GOOD】 ・条件:セルの値が「GOOD」と等しい ・書式:背景色を緑(#C8E6C9) 【Googleスプレッドシートの場合】 1. F列を選択 2. [表示形式] → [条件付き書式] 3. [条件を追加] で各ルールを設定

在庫ステータスの表示例

📊 完成した在庫残高シート(※横スクロールできます)

【在庫残高シート(完成イメージ)】 商品コード 商品名 現在庫 安全在庫 発注点 ステータス 発注推奨 ───────────────────────────────────────────────────────────────── P001 りんご 108 30 50 GOOD – P002 バナナ 105 50 80 GOOD – P003 牛乳 32 20 30 GOOD – P004 食パン 0 10 20 在庫切れ 30 ← 赤背景 P005 コーヒー 18 15 25 WARNING 50 ← 黄背景 P006 洗剤 12 10 15 WARNING 30 ← 黄背景 P007 ティッシュ 8 20 30 DANGER 50 ← オレンジ背景 P008 ノート 45 30 50 WARNING 100 ← 黄背景 P009 ボールペン 70 50 80 WARNING 200 ← 黄背景 P010 電池 25 20 30 WARNING 100 ← 黄背景 【ステータスの意味】 ・GOOD(緑) :十分な在庫あり → 発注不要 ・WARNING(黄) :発注点を下回った → そろそろ発注 ・DANGER(橙) :安全在庫を下回った → 至急発注 ・在庫切れ(赤) :在庫ゼロ → 緊急発注!

📈 6. 在庫ダッシュボードの構築

KPI(重要指標)の表示

📋 ダッシュボードに表示する数値(※横スクロールできます)

【KPI計算の数式】 ■ 在庫切れ商品数 =COUNTIF(在庫残高!$F:$F,”在庫切れ”) ■ DANGER商品数 =COUNTIF(在庫残高!$F:$F,”DANGER”) ■ WARNING商品数 =COUNTIF(在庫残高!$F:$F,”WARNING”) ■ 発注必要商品数(WARNING以下の合計) =COUNTIF(在庫残高!$F:$F,”在庫切れ”)+COUNTIF(在庫残高!$F:$F,”DANGER”)+COUNTIF(在庫残高!$F:$F,”WARNING”) または =COUNTIFS(在庫残高!$F:$F,”<>GOOD”,在庫残高!$F:$F,”<>”) ■ 総在庫数 =SUM(在庫残高!$C:$C) ■ 商品点数(マスタの商品数) =COUNTA(在庫マスタ!$A:$A)-1 【KPI表示レイアウト例】 ┌─────────────┬─────────────┬─────────────┬─────────────┐ │ 在庫切れ │ DANGER │ WARNING │ 総在庫 │ │ 1 │ 1 │ 5 │ 423 │ │ 商品 │ 商品 │ 商品 │ 個 │ └─────────────┴─────────────┴─────────────┴─────────────┘

アラート一覧の作成

📋 発注が必要な商品の一覧(※横スクロールできます)

【アラート一覧(Excelの場合)】 ■ 方法1:フィルター機能 1. 在庫残高シートをコピー 2. フィルターでステータスが「GOOD」以外を表示 ■ 方法2:条件付き書式で行全体を強調 1. 在庫残高シートのデータ範囲を選択 2. 条件付き書式で「F列がGOOD以外」なら背景色変更 【アラート一覧(Googleスプレッドシートの場合)】 ■ QUERY関数で抽出 =QUERY(在庫残高!A:G, “SELECT A, B, C, F, G WHERE F <> ‘GOOD’ ORDER BY C”) 結果: 商品コード 商品名 現在庫 ステータス 発注推奨 P004 食パン 0 在庫切れ 30 P007 ティッシュ 8 DANGER 50 P005 コーヒー 18 WARNING 50 P006 洗剤 12 WARNING 30 … ※ ORDER BY C で在庫が少ない順に表示

グラフの作成

📋 ダッシュボードに配置するグラフ(※横スクロールできます)

【グラフ1:ステータス別商品数(円グラフ)】 データ: ステータス 商品数 GOOD 3 WARNING 5 DANGER 1 在庫切れ 1 作成手順: 1. データ範囲を選択 2. [挿入] → [グラフ] → [円グラフ] 3. タイトル:「在庫ステータス分布」 4. 色:GOOD=緑、WARNING=黄、DANGER=橙、在庫切れ=赤 【グラフ2:カテゴリ別在庫数(棒グラフ)】 データ(SUMIF で集計): カテゴリ 在庫数 果物 213 乳製品 32 パン 0 飲料 18 日用品 20 文具 115 電気 25 作成手順: 1. データ範囲を選択 2. [挿入] → [グラフ] → [棒グラフ] 3. タイトル:「カテゴリ別在庫数」 【グラフ3:在庫が少ない商品TOP5(横棒グラフ)】 作成手順: 1. 在庫残高を在庫数順にソート 2. 上位5商品のデータを使用 3. 横棒グラフで作成 4. 発注点のラインを追加(参照線)

🔧 7. システムの運用

日次の運用フロー

📋 毎日の作業(※横スクロールできます)

【朝一番のチェック】 1. ダッシュボードを開く 2. 在庫切れ商品がないか確認 → あれば緊急発注 3. DANGER商品を確認 → 今日中に発注手続き 4. WARNING商品を確認 → 明日以降の発注を検討 【仕入時(入庫の記録)】 1. 入出庫記録シートを開く 2. 日付を入力 3. 区分:「入庫」を選択 4. 商品コードを選択(ドロップダウン) 5. 数量を入力 6. 理由:「仕入」を選択 7. 担当者を選択 8. → 在庫残高が自動更新される 【販売時(出庫の記録)】 1. 入出庫記録シートを開く 2. 日付を入力 3. 区分:「出庫」を選択 4. 商品コードを選択 5. 数量を入力 6. 理由:「販売」を選択 7. 担当者を選択 8. → 在庫残高が自動更新される 【夕方のチェック】 1. 在庫残高を確認 2. アラートが出ている商品を確認 3. 必要なら発注手続きを行う

棚卸し(実地棚卸)

📋 月次の棚卸作業(※横スクロールできます)

【棚卸の目的】 ・システム在庫と実在庫の差異を発見 ・差異の原因を特定(入力漏れ、盗難、破損など) ・在庫データの正確性を維持 【棚卸の手順】 1. 実地棚卸を実施 – 倉庫・店舗の全商品を数える – 棚卸シートに記録 2. システム在庫と照合 – 在庫残高シートの数値と比較 – 差異がある商品をリストアップ 3. 差異の原因を調査 – 入力漏れがないか – 破損・廃棄の記録漏れがないか 4. 調整記録を入力 – 入出庫記録に「棚卸調整」で記録 – プラス差異:入庫として記録 – マイナス差異:出庫として記録 【例:棚卸調整】 システム在庫:50個 実在庫:45個 差異:-5個 → 入出庫記録に以下を入力: 区分:出庫 数量:5 理由:棚卸調整 備考:原因不明(調査中)
✅ 在庫管理のベストプラクティス

  • リアルタイム更新:入出庫があったらすぐに記録
  • 定期的な棚卸:月1回は実在庫とシステム在庫を照合
  • 発注点の見直し:季節変動や販売動向に応じて調整
  • ABC分析:重要な商品(売上の大きい商品)は厳格に管理
  • 先入先出(FIFO):古いものから販売・使用する

📝 実践課題

実践課題
総合

在庫管理システムを実際に構築してください

【要件】 1. 4つのシートを作成 □ 在庫マスタ □ 入出庫記録 □ 在庫残高 □ ダッシュボード 2. 在庫マスタに5〜10商品を登録 □ 商品コード、商品名、カテゴリ □ 安全在庫、発注点、発注単位を設定 3. 入出庫記録を20件以上入力 □ 入庫と出庫を混ぜる □ 複数の商品を使う □ VLOOKUPで商品名が自動取得される 4. 在庫残高の自動計算 □ SUMIFSで現在庫が計算される □ IF関数でステータスが判定される □ 条件付き書式で色分けされる 5. ダッシュボードの構築 □ KPI(在庫切れ数、発注必要数など) □ アラート一覧 □ グラフ1つ以上

構築手順:

【ステップ1:在庫マスタ作成】 1. 新しいシート「在庫マスタ」を作成 2. ヘッダー行を入力 A1:商品コード B1:商品名 C1:カテゴリ D1:単位 E1:安全在庫 F1:発注点 G1:発注単位 H1:仕入先 3. 5〜10商品のデータを入力 【ステップ2:入出庫記録シート作成】 1. 新しいシート「入出庫記録」を作成 2. ヘッダー行を入力 3. A列に伝票番号の数式を入力 =IF(B2=””,””,ROW()-1) 4. E列にVLOOKUPの数式を入力 =IF(D2=””,””,VLOOKUP(D2,在庫マスタ!$A:$B,2,FALSE)) 5. 各列に入力規則(ドロップダウン)を設定 【ステップ3:サンプルデータ入力】 1. 入庫データを10件入力 2. 出庫データを10件入力 3. 商品を分散させる 【ステップ4:在庫残高シート作成】 1. 新しいシート「在庫残高」を作成 2. A列・B列:マスタから商品情報を参照 3. C列:SUMIFSで現在庫を計算 4. D列・E列:VLOOKUPで安全在庫・発注点を参照 5. F列:IF関数でステータスを判定 6. G列:IF関数で発注推奨数を表示 7. F列に条件付き書式を設定 【ステップ5:ダッシュボード作成】 1. 新しいシート「ダッシュボード」を作成 2. KPIを表示する領域を作成 3. COUNTIFでステータス別商品数を計算 4. アラート一覧を作成 5. グラフを1つ以上作成 【ステップ6:テスト】 1. 新しい入出庫を追加 2. 在庫残高が正しく更新されるか確認 3. アラートが機能するか確認

完成チェックリスト:

□ 在庫マスタに5〜10商品が登録されている □ 入出庫記録に20件以上のデータがある □ 入出庫記録の商品名がVLOOKUPで自動取得される □ 在庫残高の現在庫がSUMIFSで計算される □ ステータスが正しく判定される(GOOD/WARNING/DANGER/在庫切れ) □ 条件付き書式で色分けされている □ ダッシュボードにKPIが表示される □ 新しい入出庫を追加すると、在庫残高が自動更新される すべて✓なら完成!

📝 Step 51 のまとめ

✅ このステップで学んだこと
  • 在庫管理の基本:入出庫記録と残高管理の仕組み
  • 在庫マスタ:商品情報と発注点・安全在庫の設定
  • 入出庫記録:VLOOKUPによる自動入力とドロップダウン
  • 在庫残高の自動計算:SUMIFSで入庫−出庫を計算
  • ステータス判定:IF関数で自動判定、条件付き書式で色分け
  • ダッシュボード:KPI表示、アラート一覧、グラフ
  • 運用フロー:日次・月次の業務手順
🎯 今回使った関数・機能まとめ

  • VLOOKUP:商品コードから商品名を自動取得
  • SUMIFS:複数条件で合計(入庫合計・出庫合計)
  • IF:ステータスの判定
  • COUNTIF:ステータス別の商品数をカウント
  • 入力規則:ドロップダウンリストの作成
  • 条件付き書式:ステータスに応じた色分け
  • QUERY(Googleスプレッドシート):アラート一覧の抽出
🎯 次のステップの予告

在庫管理システムを構築できました!次のStep 52では、「実践プロジェクト3 – 顧客管理データベース構築」に挑戦します。顧客情報を一元管理し、購買履歴を分析するシステムを作ります!

❓ よくある質問

Q1: 在庫数がマイナスになってしまいます
原因:実際の在庫より多く出庫を記録してしまった

対処法:
1. 入出庫記録を確認し、誤入力があれば修正
2. または「棚卸調整」として入庫を記録して修正

予防策:出庫時に在庫数をチェックする機能を追加
例:=IF(現在庫-出庫数<0,”在庫不足”,”OK”)
Q2: 実在庫とシステム在庫が合いません
原因:入出庫記録の入れ忘れ、誤入力、盗難・紛失・破損など

対処法:
1. 月次棚卸で実在庫を数える
2. システム在庫との差異を確認
3. 「棚卸調整」として入出庫を記録

例:システム50個、実在庫45個の場合
→ 出庫5個を「棚卸調整」で記録
Q3: 複数倉庫の在庫を管理したい
方法1:倉庫別にシートを分ける
・倉庫Aシート、倉庫Bシート…と分ける
・ダッシュボードで合算表示

方法2:入出庫記録に「倉庫」列を追加
・入出庫記録に倉庫コード列を追加
・在庫残高で倉庫別に集計
例:=SUMIFS(…, 商品, “P001”, 倉庫, “A”)

倉庫が3つ以上なら方法2がおすすめです。
Q4: 発注書を自動作成したい
発注書作成シートを追加する方法:

1. 発注が必要な商品を抽出(QUERYまたはフィルター)
2. 発注書フォーマットを作成
3. VLOOKUPで仕入先情報を取得
4. 印刷またはPDF出力

さらに高度な場合:
・Google Apps Scriptで自動メール送信
・発注履歴の記録
・発注残の管理
Q5: 売上管理システム(Step 50)と連携したい
同じファイル内での連携:
・売上データシートで販売を記録
・その販売データを入出庫記録に自動反映
・売上が発生したら、自動で出庫も記録される

別ファイルでの連携(Googleスプレッドシート):
・IMPORTRANGEで売上データを取得
・QUERYで必要なデータを抽出
・在庫の出庫に反映

メリット:
✓ 二重入力不要
✓ データの一貫性
✓ リアルタイム在庫把握
Q6: SUMIFSの数式が長くて難しいです
SUMIFSの構文を分解して理解しましょう:

=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, ...)

在庫計算の例:
=SUMIFS(入出庫記録!$F:$F, 入出庫記録!$D:$D, $A2, 入出庫記録!$C:$C, "入庫")

これは:
・F列(数量)を合計
・D列が$A2(商品コード)と一致
・C列が「入庫」と一致

つまり「この商品の入庫数の合計」という意味です。
Q7: Googleスプレッドシートでも同じことができますか?
はい、ほぼ同じことができます。違いは:

同じ機能:
・VLOOKUP、SUMIFS、IF、COUNTIF
・入力規則(ドロップダウン)
・条件付き書式
・グラフ作成

Googleスプレッドシート固有機能:
・QUERY関数でアラート一覧を簡単に抽出
・IMPORTRANGE関数で別ファイルと連携
・FILTER関数で動的なリスト作成

むしろGoogleスプレッドシートの方が便利な場面もあります!
📝

学習メモ

Excel・Googleスプレッドシート完全マスター - Step 51

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