🔍 STEP 10: その他の検定手法
母比率の検定、等分散性の検定、2標本の検定をマスターしよう
📖 このステップで学ぶこと
母比率の検定、等分散性の検定(F検定)、2標本の平均の差の検定を学びます。
📝 練習問題: 20問
🎯 到達目標: 母比率の検定ができる、等分散性の検定(F検定)ができる、2標本の平均の差の検定ができる、各検定の前提条件を理解する
🎯 到達目標: 母比率の検定ができる、等分散性の検定(F検定)ができる、2標本の平均の差の検定ができる、各検定の前提条件を理解する
1️⃣ 母比率の検定
母比率の検定
H₀: p = p₀
H₁: p ≠ p₀(または p > p₀ または p < p₀)
検定統計量:
Z = (p – p₀) / √[p₀(1-p₀)/n]
条件: np₀ ≥ 5 かつ n(1-p₀) ≥ 5
H₀下でZ ~ N(0, 1)
H₀: p = p₀
H₁: p ≠ p₀(または p > p₀ または p < p₀)
検定統計量:
Z = (p – p₀) / √[p₀(1-p₀)/n]
条件: np₀ ≥ 5 かつ n(1-p₀) ≥ 5
H₀下でZ ~ N(0, 1)
⚡ 母比率の検定のポイント
分母に注意!
信頼区間: √[p(1-p)/n] ← 標本比率を使う
検定: √[p₀(1-p₀)/n] ← 帰無仮説の値p₀を使う
検定ではH₀が正しいと仮定するので、p₀を使う!
分母に注意!
信頼区間: √[p(1-p)/n] ← 標本比率を使う
検定: √[p₀(1-p₀)/n] ← 帰無仮説の値p₀を使う
検定ではH₀が正しいと仮定するので、p₀を使う!
例題1: 新製品の不良率を5%以下にしたい。
200個検査したら8個が不良品だった。
不良率5%以下といえるか?(α=0.05、左片側検定)
200個検査したら8個が不良品だった。
不良率5%以下といえるか?(α=0.05、左片側検定)
解答: 5%以下とはいえない(有意差なし)
—
【ステップ1: 与えられた情報を整理】
—
【ステップ2: 仮説を設定】
H₀: p = 0.05(不良率は5%)
H₁: p < 0.05(不良率は5%より低い)
「5%以下」→ 「5%より低い」を証明したい → 左片側検定
—
【ステップ3: 正規近似の条件を確認】
np₀ = 200 × 0.05 = 10 ≥ 5 ✓
n(1-p₀) = 200 × 0.95 = 190 ≥ 5 ✓
条件を満たすので正規近似が使える
—
【ステップ4: 検定統計量を計算】
公式:
Z = (p-hat – p₀) / √[p₀(1-p₀)/n]
分母(標準誤差)を計算:
SE = √[p₀(1-p₀)/n]
= √[0.05 × 0.95 / 200]
= √[0.0475 / 200]
= √0.0002375
= 0.0154
検定統計量Zを計算:
Z = (p-hat – p₀) / SE
= (0.04 – 0.05) / 0.0154
= -0.01 / 0.0154
= -0.649
—
【ステップ5: 棄却域を確認】
α = 0.05 の左片側検定:
棄却域: Z < -1.645
—
【ステップ6: 判定】
Z = -0.649
-0.649 > -1.645 なので棄却域に入らない
—
【ステップ7: 結論】
H₀を棄却できない
「有意水準5%で、不良率が5%以下であるとはいえない」
—
【計算のまとめ】
—
【結果の解釈】
—
【ステップ1: 与えられた情報を整理】
・サンプルサイズ: n = 200 ・不良品の数: X = 8 ・標本比率: p-hat = 8/200 = 0.04(4%) ・帰無仮説の値: p₀ = 0.05(5%) ・有意水準: α = 0.05 ・検定の種類: 左片側検定(「以下」)
—
【ステップ2: 仮説を設定】
H₀: p = 0.05(不良率は5%)
H₁: p < 0.05(不良率は5%より低い)
「5%以下」→ 「5%より低い」を証明したい → 左片側検定
—
【ステップ3: 正規近似の条件を確認】
np₀ = 200 × 0.05 = 10 ≥ 5 ✓
n(1-p₀) = 200 × 0.95 = 190 ≥ 5 ✓
条件を満たすので正規近似が使える
—
【ステップ4: 検定統計量を計算】
公式:
Z = (p-hat – p₀) / √[p₀(1-p₀)/n]
分母(標準誤差)を計算:
SE = √[p₀(1-p₀)/n]
= √[0.05 × 0.95 / 200]
= √[0.0475 / 200]
= √0.0002375
= 0.0154
検定統計量Zを計算:
Z = (p-hat – p₀) / SE
= (0.04 – 0.05) / 0.0154
= -0.01 / 0.0154
= -0.649
—
【ステップ5: 棄却域を確認】
α = 0.05 の左片側検定:
棄却域: Z < -1.645
←── 95% ──→
5% ┌─────────────────────┐
│ 採択域 │
────┴─────────────────────────
-1.645 0
← 棄却域
—
【ステップ6: 判定】
Z = -0.649
-0.649 > -1.645 なので棄却域に入らない
—
【ステップ7: 結論】
H₀を棄却できない
「有意水準5%で、不良率が5%以下であるとはいえない」
—
【計算のまとめ】
Z = (p-hat - p₀) / √[p₀(1-p₀)/n] = (0.04 - 0.05) / √[0.05×0.95/200] = -0.01 / 0.0154 = -0.649 Z = -0.649 > -1.645(棄却域に入らない) → H₀を棄却できない → 有意差なし
—
【結果の解釈】
標本では不良率4%だったが、 これは「たまたま」かもしれない。 「本当に不良率5%のときでも、 4%という結果は十分ありえる」 → 5%より低いとは断言できない 注意: 「5%である」と証明したわけではない!
2️⃣ 等分散性の検定(F検定)
F検定(F-test)
2つの母集団の分散が等しいかを検定
H₀: σ₁² = σ₂²
H₁: σ₁² ≠ σ₂²
検定統計量:
F = s₁² / s₂²(大きい方を分子)
H₀下で F ~ F(n₁-1, n₂-1)
2つの母集団の分散が等しいかを検定
H₀: σ₁² = σ₂²
H₁: σ₁² ≠ σ₂²
検定統計量:
F = s₁² / s₂²(大きい方を分子)
H₀下で F ~ F(n₁-1, n₂-1)
例題2: A群(n₁=10, s₁²=25)、B群(n₂=8, s₂²=16)。
等分散といえるか?(α=0.10、両側検定)
F(9, 7, 0.05) = 3.68
等分散といえるか?(α=0.10、両側検定)
F(9, 7, 0.05) = 3.68
解答: 等分散といえる(有意差なし)
—
【ステップ1: 与えられた情報を整理】
—
【ステップ2: 仮説を設定】
H₀: σ₁² = σ₂²(等分散)
H₁: σ₁² ≠ σ₂²(等分散でない)
—
【ステップ3: 検定統計量を計算】
F検定のルール: 大きい方を分子にする
s₁² = 25 > s₂² = 16 なので…
F = s₁² / s₂² = 25 / 16 = 1.5625
—
【ステップ4: 自由度を確認】
分子の自由度: n₁ – 1 = 10 – 1 = 9
分母の自由度: n₂ – 1 = 8 – 1 = 7
F ~ F(9, 7)
—
【ステップ5: 棄却域を確認】
両側検定 α = 0.10 なので、片側 α/2 = 0.05
棄却域: F > F(9, 7, 0.05) = 3.68
—
【ステップ6: 判定】
F = 1.5625 < 3.68 なので棄却域に入らない
—
【ステップ7: 結論】
H₀を棄却できない
「有意水準10%で、等分散といえる」
(正確には「等分散でないとはいえない」)
—
【F検定の使いどころ】
—
【ステップ1: 与えられた情報を整理】
・A群: n₁ = 10, s₁² = 25 ・B群: n₂ = 8, s₂² = 16 ・有意水準: α = 0.10(両側検定) ・F(9, 7, 0.05) = 3.68
—
【ステップ2: 仮説を設定】
H₀: σ₁² = σ₂²(等分散)
H₁: σ₁² ≠ σ₂²(等分散でない)
—
【ステップ3: 検定統計量を計算】
F検定のルール: 大きい方を分子にする
s₁² = 25 > s₂² = 16 なので…
F = s₁² / s₂² = 25 / 16 = 1.5625
—
【ステップ4: 自由度を確認】
分子の自由度: n₁ – 1 = 10 – 1 = 9
分母の自由度: n₂ – 1 = 8 – 1 = 7
F ~ F(9, 7)
—
【ステップ5: 棄却域を確認】
両側検定 α = 0.10 なので、片側 α/2 = 0.05
棄却域: F > F(9, 7, 0.05) = 3.68
※大きい方を分子にしたので、
上側の棄却域だけ見ればよい
┌───────────────────┐
│ 採択域 │5%
────┴───────────────────┴────
0 3.68
棄却域 →
—
【ステップ6: 判定】
F = 1.5625 < 3.68 なので棄却域に入らない
—
【ステップ7: 結論】
H₀を棄却できない
「有意水準10%で、等分散といえる」
(正確には「等分散でないとはいえない」)
—
【F検定の使いどころ】
F検定は「2標本t検定の前検定」としてよく使う 等分散性を確認してから: ・等分散 → 通常の2標本t検定 ・等分散でない → Welchのt検定 今回は等分散と判断できたので、 2標本t検定ではプールした分散を使える
💡 F検定のポイント
• 大きい方を分子: 常に F ≥ 1
• 2標本t検定の前: 等分散かどうかを確認
• 正規性の仮定: 母集団が正規分布に従う必要
• 大きい方を分子: 常に F ≥ 1
• 2標本t検定の前: 等分散かどうかを確認
• 正規性の仮定: 母集団が正規分布に従う必要
3️⃣ 2標本の平均の差の検定
対応のない場合(独立な2標本)
等分散の場合
H₀: μ₁ = μ₂
H₁: μ₁ ≠ μ₂(または μ₁ > μ₂ または μ₁ < μ₂)
プールした分散:
s²ₚ = [(n₁-1)s₁² + (n₂-1)s₂²] / (n₁+n₂-2)
検定統計量:
T = (X₁ – X₂) / √[s²ₚ(1/n₁ + 1/n₂)]
自由度: ν = n₁ + n₂ – 2
H₀: μ₁ = μ₂
H₁: μ₁ ≠ μ₂(または μ₁ > μ₂ または μ₁ < μ₂)
プールした分散:
s²ₚ = [(n₁-1)s₁² + (n₂-1)s₂²] / (n₁+n₂-2)
検定統計量:
T = (X₁ – X₂) / √[s²ₚ(1/n₁ + 1/n₂)]
自由度: ν = n₁ + n₂ – 2
等分散でない場合(Welchの検定)
検定統計量:
T = (X₁ – X₂) / √(s₁²/n₁ + s₂²/n₂)
自由度は複雑な式で計算(近似値を使用)
検定統計量:
T = (X₁ – X₂) / √(s₁²/n₁ + s₂²/n₂)
自由度は複雑な式で計算(近似値を使用)
例題3: A群(n₁=10, X₁=75, s₁²=20)
B群(n₂=8, X₂=70, s₂²=18)
等分散として、平均に差があるか?(α=0.05、両側検定)
t(16, 0.025) = 2.120
B群(n₂=8, X₂=70, s₂²=18)
等分散として、平均に差があるか?(α=0.05、両側検定)
t(16, 0.025) = 2.120
解答: 平均に差があるといえる(有意)
—
【ステップ1: 与えられた情報を整理】
—
【ステップ2: 仮説を設定】
H₀: μ₁ = μ₂(A群とB群の平均は等しい)
H₁: μ₁ ≠ μ₂(A群とB群の平均は異なる)
—
【ステップ3: 自由度を計算】
ν = n₁ + n₂ – 2 = 10 + 8 – 2 = 16
—
【ステップ4: プールした分散を計算】
公式:
s²ₚ = [(n₁-1)s₁² + (n₂-1)s₂²] / (n₁+n₂-2)
分子を計算:
(n₁-1)s₁² = 9 × 20 = 180
(n₂-1)s₂² = 7 × 18 = 126
合計 = 180 + 126 = 306
分母:
n₁ + n₂ – 2 = 16
プールした分散:
s²ₚ = 306 / 16 = 19.125
—
【ステップ5: 標準誤差を計算】
SE = √[s²ₚ × (1/n₁ + 1/n₂)]
まず括弧内を計算:
1/n₁ + 1/n₂ = 1/10 + 1/8 = 0.1 + 0.125 = 0.225
s²ₚ × (1/n₁ + 1/n₂) = 19.125 × 0.225 = 4.303
SE = √4.303 = 2.074
—
【ステップ6: 検定統計量を計算】
T = (X̄₁ – X̄₂) / SE
= (75 – 70) / 2.074
= 5 / 2.074
= 2.410
—
【ステップ7: 棄却域を確認】
両側検定 α = 0.05 なので、両側にα/2 = 0.025ずつ
棄却域: |T| > t(16, 0.025) = 2.120
—
【ステップ8: 判定】
|T| = |2.410| = 2.410
2.410 > 2.120 なので棄却域に入る
—
【ステップ9: 結論】
H₀を棄却する
「有意水準5%で、A群とB群の平均に差があるといえる」
—
【計算のまとめ】
—
【ステップ1: 与えられた情報を整理】
・A群: n₁ = 10, X̄₁ = 75, s₁² = 20 ・B群: n₂ = 8, X̄₂ = 70, s₂² = 18 ・有意水準: α = 0.05(両側検定) ・t(16, 0.025) = 2.120 ・仮定: 等分散
—
【ステップ2: 仮説を設定】
H₀: μ₁ = μ₂(A群とB群の平均は等しい)
H₁: μ₁ ≠ μ₂(A群とB群の平均は異なる)
—
【ステップ3: 自由度を計算】
ν = n₁ + n₂ – 2 = 10 + 8 – 2 = 16
—
【ステップ4: プールした分散を計算】
公式:
s²ₚ = [(n₁-1)s₁² + (n₂-1)s₂²] / (n₁+n₂-2)
分子を計算:
(n₁-1)s₁² = 9 × 20 = 180
(n₂-1)s₂² = 7 × 18 = 126
合計 = 180 + 126 = 306
分母:
n₁ + n₂ – 2 = 16
プールした分散:
s²ₚ = 306 / 16 = 19.125
—
【ステップ5: 標準誤差を計算】
SE = √[s²ₚ × (1/n₁ + 1/n₂)]
まず括弧内を計算:
1/n₁ + 1/n₂ = 1/10 + 1/8 = 0.1 + 0.125 = 0.225
s²ₚ × (1/n₁ + 1/n₂) = 19.125 × 0.225 = 4.303
SE = √4.303 = 2.074
—
【ステップ6: 検定統計量を計算】
T = (X̄₁ – X̄₂) / SE
= (75 – 70) / 2.074
= 5 / 2.074
= 2.410
—
【ステップ7: 棄却域を確認】
両側検定 α = 0.05 なので、両側にα/2 = 0.025ずつ
棄却域: |T| > t(16, 0.025) = 2.120
←── 95% ──→
┌────────────────────┐
2.5%│ 採択域 │2.5%
────┴────────────────────┴────
-2.120 0 2.120
← 棄却域 棄却域 →
—
【ステップ8: 判定】
|T| = |2.410| = 2.410
2.410 > 2.120 なので棄却域に入る
—
【ステップ9: 結論】
H₀を棄却する
「有意水準5%で、A群とB群の平均に差があるといえる」
—
【計算のまとめ】
s²ₚ = (9×20 + 7×18) / 16 = 306/16 = 19.125 SE = √[19.125 × (1/10 + 1/8)] = √4.303 = 2.074 T = (75 - 70) / 2.074 = 2.410 |T| = 2.410 > 2.120(棄却域) → H₀を棄却 → 平均に差がある
対応のある場合(対標本)
対標本t検定
同じ対象の前後比較など
差 d = X₁ – X₂ を計算
H₀: μd = 0
H₁: μd ≠ 0
検定統計量:
T = d / (sd/√n)
自由度: ν = n – 1
同じ対象の前後比較など
差 d = X₁ – X₂ を計算
H₀: μd = 0
H₁: μd ≠ 0
検定統計量:
T = d / (sd/√n)
自由度: ν = n – 1
例題4: 10人のダイエット前後の体重。
d = -2.5kg, sd = 3.0kg
効果があるといえるか?(α=0.05、左片側検定)
t(9, 0.05) = 1.833
d = -2.5kg, sd = 3.0kg
効果があるといえるか?(α=0.05、左片側検定)
t(9, 0.05) = 1.833
解答: 効果があるといえる(有意)
—
【ステップ1: 与えられた情報を整理】
—
【ステップ2: 仮説を設定】
差 d = (後) – (前) = 体重の変化
d < 0 なら体重が減った = ダイエット効果あり
H₀: μd = 0(効果なし、変化なし)
H₁: μd < 0(効果あり、体重減少)
—
【ステップ3: 自由度を確認】
ν = n – 1 = 10 – 1 = 9
—
【ステップ4: 検定統計量を計算】
標準誤差を計算:
SE = sd / √n = 3.0 / √10 = 3.0 / 3.162 = 0.949
検定統計量Tを計算:
T = d̄ / SE
= -2.5 / 0.949
= -2.634
—
【ステップ5: 棄却域を確認】
α = 0.05 の左片側検定:
棄却域: T < -t(9, 0.05) = -1.833
—
【ステップ6: 判定】
T = -2.634 < -1.833 なので棄却域に入る
—
【ステップ7: 結論】
H₀を棄却する
「有意水準5%で、ダイエット効果があるといえる」
—
【対標本t検定のポイント】
—
【ステップ1: 与えられた情報を整理】
・対象数: n = 10人 ・差の平均: d̄ = -2.5kg(マイナス=減った) ・差の標準偏差: sd = 3.0kg ・有意水準: α = 0.05 ・検定の種類: 左片側検定(「減った」= 効果あり) ・t(9, 0.05) = 1.833
—
【ステップ2: 仮説を設定】
差 d = (後) – (前) = 体重の変化
d < 0 なら体重が減った = ダイエット効果あり
H₀: μd = 0(効果なし、変化なし)
H₁: μd < 0(効果あり、体重減少)
—
【ステップ3: 自由度を確認】
ν = n – 1 = 10 – 1 = 9
—
【ステップ4: 検定統計量を計算】
標準誤差を計算:
SE = sd / √n = 3.0 / √10 = 3.0 / 3.162 = 0.949
検定統計量Tを計算:
T = d̄ / SE
= -2.5 / 0.949
= -2.634
—
【ステップ5: 棄却域を確認】
α = 0.05 の左片側検定:
棄却域: T < -t(9, 0.05) = -1.833
←── 95% ──→
5% ┌─────────────────────┐
│ 採択域 │
────┴─────────────────────────
-1.833 0
← 棄却域
—
【ステップ6: 判定】
T = -2.634 < -1.833 なので棄却域に入る
—
【ステップ7: 結論】
H₀を棄却する
「有意水準5%で、ダイエット効果があるといえる」
—
【対標本t検定のポイント】
・同じ人の前後比較 → 対応あり ・差dを計算してから、1標本t検定と同じ形 ・自由度はペア数-1(n-1) ・2標本t検定より検出力が高い(個人差を除去)
4️⃣ 各検定の前提条件と使い分け
検定手法の選択フローチャート
1標本の場合:
• 平均の検定 → z検定(σ既知)またはt検定(σ未知)
• 比率の検定 → z検定(正規近似)
2標本の場合:
• 分散の検定 → F検定
• 平均の検定 →
対応なし:2標本t検定(等分散)またはWelch検定(等分散でない)
対応あり:対標本t検定
1標本の場合:
• 平均の検定 → z検定(σ既知)またはt検定(σ未知)
• 比率の検定 → z検定(正規近似)
2標本の場合:
• 分散の検定 → F検定
• 平均の検定 →
対応なし:2標本t検定(等分散)またはWelch検定(等分散でない)
対応あり:対標本t検定
⚡ 対応の有無の判断
対応あり:
• 同じ対象の前後比較(ダイエット、治療効果)
• ペアになっている(双子、夫婦)
• マッチングされている
対応なし:
• 完全に独立した2群
• 異なる対象の比較
対応あり:
• 同じ対象の前後比較(ダイエット、治療効果)
• ペアになっている(双子、夫婦)
• マッチングされている
対応なし:
• 完全に独立した2群
• 異なる対象の比較
【2標本t検定の手順】
① 対応の有無を確認
・対応あり → 対標本t検定へ
・対応なし → ②へ
② F検定で等分散性を確認
・等分散 → 2標本t検定(プールした分散)
・等分散でない → Welchのt検定
③ 検定統計量を計算し、判定
📝 練習問題(20問)
このステップの理解度を確認しましょう。16問以上正解できれば次のステップへ進めます。
問題 1
母比率検定の統計量
母比率の検定統計量の公式は?
解答: Z = (p-hat – p₀) / √[p₀(1-p₀)/n]
【解き方】
H₀下でp₀を使う(標本比率p-hatではない)
信頼区間との違いに注意!
【解き方】
H₀下でp₀を使う(標本比率p-hatではない)
信頼区間との違いに注意!
問題 2
F検定の用途
F検定は何を検定するか?
解答: 2つの母分散が等しいかどうか
【解き方】
等分散性の検定
2標本t検定の前検定として使用
【解き方】
等分散性の検定
2標本t検定の前検定として使用
問題 3
F統計量
F検定の検定統計量の計算方法は?
解答: F = s₁² / s₂²(大きい方を分子)
【解き方】
常に F ≥ 1 になるようにする
大きい方の分散を分子に置く
【解き方】
常に F ≥ 1 になるようにする
大きい方の分散を分子に置く
問題 4
対応の有無
同じ人の治療前後を比較するとき、対応あり・なしどちら?
解答: 対応あり
【解き方】
対標本t検定を使う
差dを計算してから検定
【解き方】
対標本t検定を使う
差dを計算してから検定
問題 5
対標本t検定
対標本t検定の検定統計量は?
解答: T = d̄ / (sd/√n)
【解き方】
差の平均を検定
自由度はn-1
【解き方】
差の平均を検定
自由度はn-1
問題 6
等分散の仮定
2標本t検定の前に何を確認すべきか?
解答: 等分散かどうか(F検定で確認)
【解き方】
等分散でないならWelch検定を使う
【解き方】
等分散でないならWelch検定を使う
問題 7
プールした分散
等分散の2標本t検定で、プールした分散を使う理由は?
解答: より正確な推定のため(2つの標本の情報を統合)
【解き方】
共通の分散を仮定
情報を有効活用できる
【解き方】
共通の分散を仮定
情報を有効活用できる
問題 8
母比率検定の計算
n=100, X=35, p₀=0.3のとき、検定統計量Zは?
解答: Z ≈ 1.09
【解き方】
p-hat = 35/100 = 0.35
SE = √[0.30×0.70/100] = √0.0021 = 0.0458
Z = (0.35-0.30)/0.0458 ≈ 1.09
【解き方】
p-hat = 35/100 = 0.35
SE = √[0.30×0.70/100] = √0.0021 = 0.0458
Z = (0.35-0.30)/0.0458 ≈ 1.09
問題 9
F検定の自由度
n₁=10, n₂=8のF検定で、F統計量の自由度は?
解答: (9, 7)
【解き方】
(n₁-1, n₂-1) = (10-1, 8-1) = (9, 7)
大きい方を分子にした場合
【解き方】
(n₁-1, n₂-1) = (10-1, 8-1) = (9, 7)
大きい方を分子にした場合
問題 10
2標本t検定の自由度
等分散の2標本t検定(n₁=12, n₂=10)で、自由度は?
解答: 20
【解き方】
n₁ + n₂ – 2 = 12 + 10 – 2 = 20
【解き方】
n₁ + n₂ – 2 = 12 + 10 – 2 = 20
問題 11
対標本の自由度
対標本t検定(n=15ペア)で、自由度は?
解答: 14
【解き方】
n – 1 = 15 – 1 = 14
ペア数から1を引く
【解き方】
n – 1 = 15 – 1 = 14
ペア数から1を引く
問題 12
Welch検定
Welch検定を使うのはどんなとき?
解答: 等分散でないとき
【解き方】
F検定で等分散が棄却されたとき
プールした分散を使わない
【解き方】
F検定で等分散が棄却されたとき
プールした分散を使わない
問題 13
検定の選択1
2つのクラスの平均点を比較したい。何検定を使うか?
解答: 2標本t検定(対応なし)
【解き方】
まずF検定で等分散性を確認
独立した2群なので対応なし
【解き方】
まずF検定で等分散性を確認
独立した2群なので対応なし
問題 14
検定の選択2
新薬の効果を前後比較したい。何検定を使うか?
解答: 対標本t検定
【解き方】
同じ対象の前後なので対応あり
差dを計算して検定
【解き方】
同じ対象の前後なので対応あり
差dを計算して検定
問題 15
検定の選択3
不良品率が10%以下か調べたい。何検定を使うか?
解答: 母比率の検定(左片側)
【解き方】
H₁: p < 0.10(10%より低い)
比率の検定なのでz検定
【解き方】
H₁: p < 0.10(10%より低い)
比率の検定なのでz検定
問題 16
母比率検定の条件
母比率の検定で正規近似を使う条件は?
解答: np₀ ≥ 5 かつ n(1-p₀) ≥ 5
【解き方】
標本サイズが十分大きい
帰無仮説のp₀を使って確認
【解き方】
標本サイズが十分大きい
帰無仮説のp₀を使って確認
問題 17
F検定の前提
F検定の前提条件は?
解答: 両方の母集団が正規分布に従う
【解き方】
正規性の仮定が重要
正規性が疑わしい場合は注意
【解き方】
正規性の仮定が重要
正規性が疑わしい場合は注意
問題 18
片側F検定
F検定は通常、片側・両側どちらを使うか?
解答: 両側検定(ただし片側のF値のみ使用)
【解き方】
大きい方を分子にするため
上側の棄却域だけ見ればよい
【解き方】
大きい方を分子にするため
上側の棄却域だけ見ればよい
問題 19
総合問題1
s₁²=30, s₂²=20のとき、F統計量は?
解答: F = 1.5
【解き方】
大きい方を分子: 30/20 = 1.5
常にF ≥ 1になる
【解き方】
大きい方を分子: 30/20 = 1.5
常にF ≥ 1になる
問題 20
総合問題2
対標本でn=10, d̄=-3, sd=5。検定統計量Tは?
解答: T ≈ -1.897
【解き方】
SE = sd/√n = 5/√10 = 5/3.162 = 1.581
T = d̄/SE = -3/1.581 ≈ -1.897
【解き方】
SE = sd/√n = 5/√10 = 5/3.162 = 1.581
T = d̄/SE = -3/1.581 ≈ -1.897
⚠️ よくあるつまずきポイントと対策
母比率検定の分母でp-hatを使ってしまう
対策: 検定では帰無仮説の値p₀を使いましょう。
- 信頼区間: √[p-hat(1-p-hat)/n] ← 標本比率を使う
- 検定: √[p₀(1-p₀)/n] ← 帰無仮説の値を使う
- 検定ではH₀が正しいと仮定するので、p₀を使う
F検定で小さい方を分子にしてしまう
対策: 「大きい方を分子」と覚えましょう。
- F = (大きい分散)/(小さい分散)
- 常にF ≥ 1になる
- 上側の棄却域だけ見ればよい
対応あり・なしを間違える
対策: 「同じ対象か?」で判断しましょう。
- 対応あり: 同じ人の前後、双子、ペア
- 対応なし: 別々の人、独立した2群
- 対応ありの方が検出力が高い
自由度を間違える
対策: 検定の種類ごとに覚えましょう。
- F検定: (n₁-1, n₂-1)
- 2標本t検定(等分散): n₁+n₂-2
- 対標本t検定: n-1(ペア数-1)
📚 このステップのまとめ
🎯 学習したこと
- 母比率の検定: Z=(p-hat-p₀)/√[p₀(1-p₀)/n]
- F検定: F=s₁²/s₂²、等分散性の検定
- 2標本t検定: 等分散ならプールした分散
- 対標本t検定: 差を検定、対応あり
- Welch検定: 等分散でないとき
- 使い分け: 対応の有無、等分散性
💡 次のステップへ進む前に
練習問題で16問以上(80%以上)正解できたら、STEP 11に進みましょう!
各検定の使い分けが重要です。
対応の有無、等分散性を正しく判断しましょう!
練習問題で16問以上(80%以上)正解できたら、STEP 11に進みましょう!
各検定の使い分けが重要です。
対応の有無、等分散性を正しく判断しましょう!
学習メモ
統計検定2級対策 - Step 10
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