🎲 STEP 2b: 高校数学の強化(確率・データ編)
順列・組合せ、条件付き確率、データ分析を学び、統計学の基礎を固めよう
📖 このステップで学ぶこと
統計学2級レベルでは、確率とデータ分析の深い理解が必要です。このステップでは、順列・組合せの応用、確率の基本定理、条件付き確率、独立試行の確率、データの分析(分散・標準偏差・相関係数)を学びます。
🎯 到達目標: 順列・組合せの応用問題が解ける、条件付き確率を正確に計算できる、データの分析(標準偏差まで)が完璧にできる、確率の基本定理を使いこなせる
1️⃣ 場合の数・順列・組合せの応用
統計学では、確率計算の基礎として場合の数を正確に数える必要があります。
場合の数の基本
AとBを続けて行うとき、Aのやり方がm通り、Bのやり方がn通りなら
全体は m × n 通り
和の法則
AまたはBを行うとき、Aがm通り、Bがn通り(重複なし)なら
全体は m + n 通り
それぞれ1つずつ選ぶ。何通りの選び方があるか。
【どの法則を使うか判断】
ステップ1: 問題文を確認
「それぞれ1つずつ選ぶ」
→ メインを選んで「かつ」デザートも選ぶ
→ 積の法則を使う!
ステップ2: 各選択肢の数を確認
• メインディッシュ: 6種類(6通り)
• デザート: 4種類(4通り)
ステップ3: 積の法則で計算
全体の選び方 = 6 × 4 = 24通り
—
【積の法則 vs 和の法則の使い分け】
| キーワード | 法則 | 計算 |
|———–|——|——|
| 「かつ」「それぞれ」「両方」 | 積の法則 | 掛け算 |
| 「または」「どちらか」 | 和の法則 | 足し算 |
【イメージ図】
メイン(6種類) × デザート(4種類)
├── 肉 ─┬─ ケーキ
│ ├─ プリン
│ ├─ アイス
│ └─ フルーツ
├── 魚 ─┬─ ケーキ
│ ├─ ...
...
各メインに対して4種類のデザートがあるので、6×4=24通り
順列(Permutation)
n個からr個を選んで順番をつけて並べる
記号: ₙPᵣ または P(n, r)
公式: ₙPᵣ = n!/(n-r)!
= n × (n-1) × (n-2) × … × (n-r+1)
特に: ₙPₙ = n!(全部並べる)
【順列を使う理由】
ステップ1: 問題のタイプを判断
「1列に並べる」→ 順番が大事!
→ 順列(P)を使う
ステップ2: n と r を確認
• n = 5(全体の人数)
• r = 3(選ぶ人数)
—
【解法1: 直接計算(おすすめ)】
ステップ3: 順番に考える
• 1番目に並ぶ人: 5人から選べる → 5通り
• 2番目に並ぶ人: 残り4人から選べる → 4通り
• 3番目に並ぶ人: 残り3人から選べる → 3通り
ステップ4: 積の法則で計算
₅P₃ = 5 × 4 × 3 = 60通り
—
【解法2: 公式を使う】
₅P₃ = 5!/(5-3)!
= 5!/2!
= (5×4×3×2×1)/(2×1)
= 120/2
= 60通り
【ポイント】
順列の計算は「上からr個掛ける」と覚えると楽!
₅P₃ = 5 × 4 × 3(5から3つ掛ける)
組合せ(Combination)
n個からr個を選ぶ(順番は考えない)
記号: ₙCᵣ または C(n, r) または (n choose r)
公式: ₙCᵣ = ₙPᵣ / r! = n!/(r!(n-r)!)
性質: ₙCᵣ = ₙCₙ₋ᵣ
【組合せを使う理由】
ステップ1: 問題のタイプを判断
「委員を選ぶ」→ 順番は関係ない!
A,B,Cを選んでも、C,A,Bを選んでも同じ委員
→ 組合せ(C)を使う
ステップ2: n と r を確認
• n = 7(全体の人数)
• r = 3(選ぶ人数)
—
【組合せの計算】
ステップ3: 公式に当てはめる
₇C₃ = 7!/(3! × 4!)
ステップ4: 分子を計算(上からr個)
分子 = 7 × 6 × 5 = 210
ステップ5: 分母を計算(r!)
分母 = 3! = 3 × 2 × 1 = 6
ステップ6: 割り算
₇C₃ = 210 ÷ 6 = 35通り
—
【組合せの計算テクニック】
₇C₃ = (7 × 6 × 5) / (3 × 2 × 1)
↑上から3個 ↑下から3個
分子と分母で約分すると楽!
= (7 × 6 × 5) / (3 × 2 × 1)
= 7 × (6/3) × (5/1) / 2
= 7 × 2 × 5 / 2
= 35
• 順列(P): 順番を考える(並べる、配置する)
• 組合せ(C): 順番を考えない(選ぶ、グループ分け)
判断のコツ:
「AさんとBさん」と「BさんとAさん」が同じなら → 組合せ
「AさんとBさん」と「BさんとAさん」が違うなら → 順列
2️⃣ 確率の基本定理
確率計算の基礎となる重要な定理を学びます。
確率の基本
事象Aが起こる確率: P(A) = (Aが起こる場合の数)/(すべての場合の数)
確率の性質
• 0 ≦ P(A) ≦ 1
• P(全事象) = 1
• P(空事象) = 0
確率の加法定理
P(A ∪ B) = P(A) + P(B) – P(A ∩ B)
加法定理(排反事象)
A と B が排反(同時に起こらない)のとき:
P(A ∪ B) = P(A) + P(B)
余事象の確率
P(Ā) = 1 – P(A)
「3の倍数が出る」事象をA、「偶数が出る」事象をBとする。
P(A ∪ B)を求めなさい。
【加法定理を使う手順】
ステップ1: 各事象の要素を書き出す
サイコロの目: {1, 2, 3, 4, 5, 6}
A = 3の倍数 = {3, 6}
B = 偶数 = {2, 4, 6}
ステップ2: 積事象(共通部分)を求める
A ∩ B = 3の倍数かつ偶数 = {6}
ステップ3: 各確率を計算
P(A) = 2/6 = 1/3(3の倍数は2つ)
P(B) = 3/6 = 1/2(偶数は3つ)
P(A ∩ B) = 1/6(共通は1つ)
ステップ4: 加法定理に代入
P(A ∪ B) = P(A) + P(B) – P(A ∩ B)
= 1/3 + 1/2 – 1/6
ステップ5: 通分して計算
= 2/6 + 3/6 – 1/6
= (2 + 3 – 1)/6
= 4/6
= 2/3
—
【ベン図でイメージ】
A B
┌───┐ ┌───┐
│ 3 │ 6 │2,4│
└───┘ └───┘
└─┬─┘
A ∩ B
A ∪ B = {2, 3, 4, 6}(4つの要素)
P(A ∪ B) = 4/6 = 2/3 ✓
【なぜ引き算が必要?】
P(A) + P(B)だと、6を2回数えてしまう
→ 重複分 P(A ∩ B) を1回引く
確率の乗法定理
P(A ∩ B) = P(A) × P(B|A)
乗法定理(独立)
A と B が独立のとき:
P(A ∩ B) = P(A) × P(B)
• 加法定理: 「または」のとき(重複を引く)
• 乗法定理: 「かつ」のとき
• 排反: 同時に起こらない → そのまま足す
• 独立: 互いに影響しない → そのまま掛ける
3️⃣ 条件付き確率の応用
統計学で最も重要な概念の1つが条件付き確率です。
条件付き確率の定義
事象Aが起こったという条件のもとで、事象Bが起こる確率
記号: P(B|A) (「AのもとでB」)
公式: P(B|A) = P(A ∩ B) / P(A) (P(A) > 0のとき)
意味: Aが起こった後、全体がAに限定される
1枚目が赤(ハート・ダイヤ)だったとき、2枚目も赤である確率は?
(52枚、赤26枚、黒26枚)
【条件付き確率の考え方】
ステップ1: 「条件」を確認
条件: 1枚目が赤だった
求めるもの: 2枚目も赤である確率
ステップ2: 条件の後の状況を把握
1枚目に赤を引いた後:
• 残りのカード: 52 – 1 = 51枚
• 残りの赤: 26 – 1 = 25枚
• 残りの黒: 26枚(変化なし)
ステップ3: 新しい全体で確率を計算
P(2枚目が赤 | 1枚目が赤)
= 残りの赤 / 残りの全体
= 25/51
—
【条件付き確率のイメージ】
【最初の世界】52枚 赤26枚 ████████████████████████████ 黒26枚 ████████████████████████████ ↓ 1枚目に赤を引いた! 【条件後の世界】51枚 赤25枚 ██████████████████████████ 黒26枚 ████████████████████████████ この「新しい世界」で確率を計算 → 25/51
【ポイント】
条件付き確率では「全体が変わる」ことを意識する!
条件が成立した後の世界で考える
条件付き確率の性質
P(A ∩ B) = P(A) × P(B|A)
= P(B) × P(A|B)
独立性の判定
A と B が独立 ⇔ P(B|A) = P(B)
⇔ P(A ∩ B) = P(A) × P(B)
玉を2個取り出すとき、2個とも赤である確率は?(非復元)
【乗法定理を使う】
ステップ1: 求めるものを式で表す
P(1個目が赤 ∩ 2個目が赤)
= P(1個目が赤) × P(2個目が赤 | 1個目が赤)
ステップ2: P(1個目が赤)を計算
袋の中: 赤4個、白6個、計10個
P(1個目が赤) = 4/10 = 2/5
ステップ3: 条件付き確率を計算
1個目に赤を取った後:
• 残り: 赤3個、白6個、計9個
P(2個目が赤 | 1個目が赤) = 3/9 = 1/3
ステップ4: 乗法定理で掛ける
P(2個とも赤)
= (4/10) × (3/9)
= (2/5) × (1/3)
= 2/15
—
【樹形図でイメージ】
1個目 2個目 結果
┌─ 赤(3/9)→ 赤赤 ← これ!
赤(4/10)─┤
└─ 白(6/9)→ 赤白
───┤
┌─ 赤(4/9)→ 白赤
白(6/10)─┤
└─ 白(5/9)→ 白白
P(赤赤) = (4/10) × (3/9) = 12/90 = 2/15
【非復元抽出のポイント】
• 取り出したら戻さない → 数が減る
• 2回目の確率は1回目の結果に依存
• だから条件付き確率を使う
• P(B|A): 「Aが起こった後」の世界で考える
• 全体が変わる: 条件により標本空間が限定される
• 非復元抽出: 条件付き確率が典型的に現れる
• 樹形図: 視覚化すると理解しやすい
4️⃣ 独立試行の確率
同じ試行を繰り返すとき、各試行が互いに影響しない場合を独立試行といいます。
独立試行の定義
1回の試行の結果が、他の試行に影響を与えない
例:
• コインを何回か投げる(各回独立)
• サイコロを何回か振る(各回独立)
• 復元抽出(元に戻すので独立)
独立試行の確率計算
事象Aが起こる確率がpのとき、
n回の独立試行で、Aがちょうどr回起こる確率:
P(r回) = ₙCᵣ × pʳ × (1-p)ⁿ⁻ʳ
※これは二項分布の公式です
表がちょうど3回出る確率を求めなさい。
【独立試行の公式を使う】
ステップ1: 設定を確認
• n = 5(投げる回数)
• r = 3(表が出る回数)
• p = 1/2(表が出る確率)
• 1-p = 1/2(裏が出る確率)
ステップ2: 公式を確認
P(r回) = ₙCᵣ × pʳ × (1-p)ⁿ⁻ʳ
ステップ3: 各部分を計算
①組合せ ₅C₃ を計算
5回中どの3回で表が出るか?
₅C₃ = (5×4×3)/(3×2×1) = 10通り
②表が出る確率 p³ を計算
(1/2)³ = 1/8
③裏が出る確率 (1-p)² を計算
(1/2)² = 1/4
ステップ4: すべて掛け合わせる
P(3回) = 10 × (1/8) × (1/4)
= 10 × (1/32)
= 10/32
= 5/16
—
【公式の意味を理解する】
例: 「表表表裏裏」となる確率 = (1/2)×(1/2)×(1/2)×(1/2)×(1/2) = 1/32 でも「表が3回」のパターンは他にもある: • 表表表裏裏 • 表表裏表裏 • 表表裏裏表 • 表裏表表裏 • ... 全部で₅C₃ = 10パターン だから 10 × (1/32) = 5/16
「6の目」が少なくとも1回出る確率を求めなさい。
【「少なくとも」は余事象を使う!】
ステップ1: なぜ余事象を使うか?
「少なくとも1回」を直接計算すると:
= P(1回) + P(2回) + P(3回) + P(4回)
→ 4つも計算が必要で大変!
余事象を使うと:
P(少なくとも1回) = 1 – P(1回も出ない)
→ 1つの計算だけでOK!
ステップ2: 余事象の確率を計算
「1回も6が出ない」確率を求める
1回で6が出ない確率 = 5/6
(1,2,3,4,5のどれかが出る)
4回とも6が出ない確率(独立なので掛ける)
= (5/6)⁴
= (5×5×5×5)/(6×6×6×6)
= 625/1296
ステップ3: 余事象から元の確率を求める
P(少なくとも1回6が出る)
= 1 – P(1回も出ない)
= 1 – 625/1296
= 1296/1296 – 625/1296
= 671/1296
—
【余事象を使うべき場面】
• 「少なくとも〜」→ 余事象
• 「〜以上」→ 余事象
• 「〜を除いて」→ 余事象
【公式】
P(少なくとも1回) = 1 – P(0回)
= 1 – (1-p)ⁿ
• 独立: 各試行が互いに影響しない
• 公式: ₙCᵣ × pʳ × (1-p)ⁿ⁻ʳ
• 「少なくとも」: 余事象を使うと楽
• 復元抽出: 元に戻すので独立試行
5️⃣ データの分析(分散・標準偏差・相関係数)
統計学の基本中の基本であるデータの要約統計量を完璧にしましょう。
平均値
データの中心を表す値
記号: x(エックスバー)
公式: x = (x₁ + x₂ + … + xₙ) / n
= Σxᵢ / n
分散と標準偏差
データの散らばり具合を表す値
記号: s²(標本分散)、σ²(母分散)
公式: s² = Σ(xᵢ – x)² / n
標準偏差(standard deviation)
分散の平方根(元のデータと同じ単位)
記号: s(標本標準偏差)、σ(母標準偏差)
公式: s = √s²
平均値: 6
分散: 8
標準偏差: 2√2 ≒ 2.83
【平均値の計算】
ステップ1: すべてのデータを足す
2 + 4 + 6 + 8 + 10 = 30
ステップ2: データの個数で割る
x = 30 ÷ 5 = 6
—
【分散の計算】
ステップ1: 各データの偏差を求める(データ – 平均)
| データ | 偏差(xᵢ – 6)|
|——–|—————|
| 2 | 2 – 6 = -4 |
| 4 | 4 – 6 = -2 |
| 6 | 6 – 6 = 0 |
| 8 | 8 – 6 = 2 |
| 10 | 10 – 6 = 4 |
ステップ2: 偏差を2乗する
| データ | 偏差 | 偏差² |
|——–|——|——-|
| 2 | -4 | 16 |
| 4 | -2 | 4 |
| 6 | 0 | 0 |
| 8 | 2 | 4 |
| 10 | 4 | 16 |
ステップ3: 偏差²の合計を求める
16 + 4 + 0 + 4 + 16 = 40
ステップ4: データ数で割る
s² = 40 ÷ 5 = 8
—
【標準偏差の計算】
s = √(分散) = √8 = √(4×2) = 2√2 ≒ 2.83
—
【分散の計算(便利な公式)】
s² = (2乗の平均) – (平均の2乗)
2乗の平均:
= (2² + 4² + 6² + 8² + 10²) / 5
= (4 + 16 + 36 + 64 + 100) / 5
= 220 / 5 = 44
平均の2乗:
= 6² = 36
分散:
= 44 – 36 = 8 ✓
この公式を使うと計算が楽になることが多い!
s² = (Σxᵢ²)/n – x²
この公式を使うと計算が楽になります!
「2乗の平均 – 平均の2乗」
共分散と相関係数
2つのデータの関係性を表す値
記号: sₓᵧ
公式: sₓᵧ = Σ(xᵢ – x)(yᵢ – y) / n
相関係数(correlation coefficient)
共分散を標準化したもの(-1 ≦ r ≦ 1)
記号: r
公式: r = sₓᵧ / (sₓ × sᵧ)
• r = 1: 完全な正の相関(右上がりの直線)
• r = 0: 相関なし(無関係)
• r = -1: 完全な負の相関(右下がりの直線)
• |r| ≧ 0.7: 強い相関
• 0.4 ≦ |r| < 0.7: 中程度の相関
• |r| < 0.4: 弱い相関
• 平均値: データの中心
• 分散: データの散らばり(単位が2乗)
• 標準偏差: 散らばり(元の単位)
• 相関係数: 2つのデータの関係(-1〜1)
• 計算の工夫: 便利な公式を使う
📝 練習問題(25問)
このステップの理解度を確認しましょう。20問以上正解できれば次のステップへ進めます。
順列の計算
6人の中から3人を選んで1列に並べる。何通りの並べ方があるか。
【解き方】
「並べる」→ 順列を使う
₆P₃ = 6 × 5 × 4 = 120通り
組合せの計算
8人の中から4人の代表を選ぶ。何通りの選び方があるか。
【解き方】
「選ぶ」→ 組合せを使う
₈C₄ = (8×7×6×5)/(4×3×2×1) = 1680/24 = 70通り
円順列
5人が円卓に座る。何通りの座り方があるか。
【解き方】
円順列は1人を固定して残りを並べる
(n-1)! = (5-1)! = 4! = 24通り
重複組合せ
3種類のアイスから重複を許して4個買う。何通りの買い方があるか。
【解き方】
重複組合せ: ₙ₊ᵣ₋₁Cᵣ
n=3, r=4 より
₆C₄ = ₆C₂ = 15通り
場合の数の応用
「STATISTICS」の10文字を並べ替える。何通りの並べ方があるか。
【解き方】
同じ文字: S:3個, T:3個, I:2個, A:1個, C:1個
10! / (3! × 3! × 2!) = 3,628,800 / 72 = 50,400通り
加法定理
P(A) = 0.4, P(B) = 0.3, P(A ∩ B) = 0.1 のとき、P(A ∪ B) を求めなさい。
【解き方】
P(A ∪ B) = P(A) + P(B) – P(A ∩ B)
= 0.4 + 0.3 – 0.1 = 0.6
余事象
P(A) = 0.35 のとき、P(Ā) を求めなさい。
【解き方】
P(Ā) = 1 – P(A) = 1 – 0.35 = 0.65
排反事象
A と B が排反で、P(A) = 0.3, P(B) = 0.4 のとき、P(A ∪ B) を求めなさい。
【解き方】
排反 → P(A ∩ B) = 0
P(A ∪ B) = P(A) + P(B) = 0.3 + 0.4 = 0.7
独立事象
A と B が独立で、P(A) = 0.6, P(B) = 0.5 のとき、P(A ∩ B) を求めなさい。
【解き方】
独立 → P(A ∩ B) = P(A) × P(B)
= 0.6 × 0.5 = 0.3
確率の計算
トランプ52枚から1枚引く。絵札(J, Q, K)またはハートである確率は?
【解き方】
A: 絵札 → 12枚
B: ハート → 13枚
A ∩ B: ハートの絵札 → 3枚
P(A ∪ B) = 12/52 + 13/52 – 3/52 = 22/52 = 11/26
条件付き確率の計算
P(A) = 0.6, P(A ∩ B) = 0.3 のとき、P(B|A) を求めなさい。
【解き方】
P(B|A) = P(A ∩ B) / P(A)
= 0.3 / 0.6 = 0.5
非復元抽出
赤玉5個、白玉3個の袋から2個取り出す(非復元)。2個とも赤である確率は?
【解き方】
P(1個目赤) = 5/8
P(2個目赤|1個目赤) = 4/7
P(2個とも赤) = (5/8) × (4/7) = 20/56 = 5/14
条件付き確率の応用
箱Aに赤玉3個・白玉2個、箱Bに赤玉2個・白玉3個。サイコロを振り、1,2の目なら箱A、それ以外なら箱Bから玉を1個取り出す。取り出した玉が赤である確率は?
【解き方】
P(箱A) = 2/6 = 1/3、P(箱B) = 4/6 = 2/3
P(赤|箱A) = 3/5、P(赤|箱B) = 2/5
P(赤) = P(箱A)×P(赤|箱A) + P(箱B)×P(赤|箱B)
= (1/3)×(3/5) + (2/3)×(2/5)
= 3/15 + 4/15 = 7/15
独立性の判定
P(A) = 0.4, P(B) = 0.5, P(A ∩ B) = 0.2 のとき、A と B は独立か?
【解き方】
P(A) × P(B) = 0.4 × 0.5 = 0.2
P(A ∩ B) = 0.2(与えられた値)
一致するので独立
乗法定理
P(A) = 0.7, P(B|A) = 0.6 のとき、P(A ∩ B) を求めなさい。
【解き方】
P(A ∩ B) = P(A) × P(B|A)
= 0.7 × 0.6 = 0.42
独立試行の基本
コインを4回投げる。表がちょうど2回出る確率を求めなさい。
【解き方】
₄C₂ × (1/2)² × (1/2)²
= 6 × (1/4) × (1/4)
= 6/16 = 3/8
少なくとも1回
サイコロを3回振る。「1の目」が少なくとも1回出る確率を求めなさい。
【解き方】
余事象を使う
P(少なくとも1回) = 1 – P(0回)
= 1 – (5/6)³ = 1 – 125/216 = 91/216
二項分布
成功率0.2の試行を5回行う。成功がちょうど1回である確率は?
【解き方】
₅C₁ × (0.2)¹ × (0.8)⁴
= 5 × 0.2 × 0.4096 = 0.4096
復元抽出
赤玉2個、白玉3個の袋から玉を1個取り出し、元に戻す操作を3回行う。赤がちょうど2回出る確率は?
【解き方】
復元抽出 → 独立試行
p = 2/5
₃C₂ × (2/5)² × (3/5)¹
= 3 × (4/25) × (3/5) = 36/125
すべて異なる
サイコロを4回振る。すべて異なる目が出る確率を求めなさい。
【解き方】
すべて異なる: ₆P₄通り
全体: 6⁴通り
P = ₆P₄ / 6⁴ = (6×5×4×3) / 1296
= 360/1296 = 5/18
平均値
データ {3, 5, 7, 9, 11} の平均値を求めなさい。
【解き方】
x = (3+5+7+9+11)/5 = 35/5 = 7
分散
データ {1, 3, 5, 7, 9} の分散を求めなさい。
【解き方】
x = 5
偏差²: 16, 4, 0, 4, 16
s² = (16+4+0+4+16)/5 = 40/5 = 8
標準偏差
分散が25のとき、標準偏差を求めなさい。
【解き方】
s = √s² = √25 = 5
分散の計算(便利な公式)
データ {2, 4, 6} の分散を「2乗の平均 – 平均の2乗」の公式で求めなさい。
【解き方】
x = 4
2乗の平均 = (4+16+36)/3 = 56/3
平均の2乗 = 16 = 48/3
s² = 56/3 – 48/3 = 8/3
相関係数の意味
相関係数 r = -0.8 の意味を説明しなさい。
【解き方】
r = -0.8(負の値)→ 負の相関
|r| = 0.8 ≧ 0.7 → 強い相関
一方が増えると他方が減る傾向が強い
⚠️ よくあるつまずきポイントと対策
順列と組合せの混同
対策: 「順番を考えるか」で判断しましょう。
- 「並べる」「配置する」「順位」→ 順列(P)
- 「選ぶ」「グループ分け」「委員」→ 組合せ(C)
条件付き確率の誤解
対策: P(B|A) は「Aが起こった後の世界」で考えます。
- 全体(標本空間)がAに限定される
- 樹形図を描いて視覚化する
独立と排反の混同
対策: 意味をしっかり区別しましょう。
- 独立: 互いに影響しない(P(A∩B) = P(A)×P(B))
- 排反: 同時に起こらない(P(A∩B) = 0)
標準偏差の単位
対策: 分散は単位が2乗、標準偏差は元の単位です。
- 分散: cm² (面積の単位)
- 標準偏差: cm (長さの単位)
📚 このステップのまとめ
🎯 学習したこと
- 順列・組合せ: ₙPᵣ、ₙCᵣ の計算と使い分け
- 確率の基本定理: 加法定理、乗法定理
- 条件付き確率: P(B|A) = P(A∩B)/P(A)
- 独立試行: ₙCᵣ × pʳ × (1-p)ⁿ⁻ʳ
- データ分析: 平均、分散、標準偏差、相関係数
練習問題で20問以上(80%以上)正解できたら、STEP 3に進みましょう!
このステップで学んだ内容は、統計学2級レベルの土台です。
特に条件付き確率とデータ分析は頻出なので、
計算が自動的にできるレベルまで練習しましょう!
学習メモ
統計検定2級対策 - Step 2