💪 STEP 10: 実践問題演習(基礎編)
統計学3級レベルの典型問題をパターン別に演習し、実力を固めよう
📖 このステップで学ぶこと
このステップでは、統計学3級レベルの典型問題をパターン別に演習します。STEP 1-9で学んだ知識を総動員して、実際の試験レベルの問題に挑戦しましょう。制限時間内に解く力と、計算ミスを防ぐ力を養います。
📝 練習問題: 30問(過去問レベル)
🎯 到達目標: 統計学3級レベルの典型問題が解け、制限時間内に問題を解く力がつき、自分の弱点分野を把握できる
📚 学習の進め方
1. パターン別に演習
• まず分野ごとに集中して解く
• 各パターンの解き方を身につける
2. 時間を測って解く
• 1問あたり2分を目安に
• 時間配分の感覚を養う
3. 解き直しを徹底
• 間違えた問題は必ず解き直す
• なぜ間違えたかを分析する
4. 弱点分野の復習
• 間違いが多い分野を特定
• 該当するSTEPに戻って復習
5. 計算ミスの防止
• 検算の習慣をつける
• 途中式を丁寧に書く
1️⃣ パターン1: データの整理(度数分布・代表値)
度数分布表、ヒストグラム、平均値・中央値・最頻値に関する問題です。
度数分布表の読み取り
次の度数分布表は、あるクラスの数学のテストの結果です。
点数(点)| 度数(人)
———-|———-
0〜20未満 | 2
20〜40 | 5
40〜60 | 12
60〜80 | 10
80〜100 | 6
(1) このクラスの人数は何人ですか?
(2) 最も多い階級はどれですか?
(1) 35人
(2) 40〜60点の階級
解説:
(1) 度数の合計: 2+5+12+10+6 = 35人
(2) 度数が最も多いのは40〜60点の階級(12人)
この階級を「最頻階級」という
平均値の計算
5人の生徒の身長が、155cm、160cm、158cm、162cm、165cmです。
平均身長を求めなさい。
解説:
平均 = (155+160+158+162+165) ÷ 5
= 800 ÷ 5 = 160cm
中央値の計算
7人の生徒のテストの点数が、65、70、75、80、80、85、90点でした。
中央値を求めなさい。
解説:
データを小さい順に並べる(すでに並んでいる)
65, 70, 75, [80], 80, 85, 90
7個のデータなので、真ん中は4番目 → 80点
最頻値の理解
次のデータの最頻値を求めなさい。
3, 5, 5, 7, 8, 8, 8, 10, 12
解説:
最頻値(モード)= 最も多く出現する値
• 5が2回
• 8が3回 ← 最多
• その他は1回
→ 最頻値は8
代表値の選択
データに極端な値(外れ値)がある場合、平均値と中央値のどちらが適切ですか?
解説:
• 平均値は極端な値に大きく影響される
• 中央値は極端な値の影響を受けにくい
例: 10, 12, 13, 15, 100のとき
平均 = 30(100に引っ張られる)
中央値 = 13(代表的な値)
2️⃣ パターン2: ばらつき(分散・標準偏差)
偏差、分散、標準偏差、変動係数に関する問題です。
偏差の計算
平均が50点のテストで、太郎君は65点でした。太郎君の偏差を求めなさい。
解説:
偏差 = データの値 − 平均
= 65 − 50 = +15点
正の偏差 → 平均より高い
分散の計算
3つのデータ 2, 5, 8 の分散を求めなさい。
解説:
1. 平均: (2+5+8) ÷ 3 = 5
2. 各偏差: 2-5=-3, 5-5=0, 8-5=3
3. 偏差の2乗: (-3)²=9, 0²=0, 3²=9
4. 分散: (9+0+9) ÷ 3 = 18 ÷ 3 = 6
標準偏差の計算
分散が16のとき、標準偏差を求めなさい。
解説:
標準偏差 = √分散
= √16 = 4
変動係数の理解
変動係数は何を表していますか?
解説:
変動係数 = (標準偏差 ÷ 平均) × 100 (%)
• 単位や平均値が異なるデータを比較できる
• 値が大きいほど、相対的にばらつきが大きい
標準偏差の意味
標準偏差が大きいデータと小さいデータ、どちらがばらついていますか?
解説:
• 標準偏差が大きい → ばらつきが大きい
• 標準偏差が小さい → データが平均の周りに集まっている
• 標準偏差が0 → すべてのデータが同じ値
3️⃣ パターン3: 相関関係
散布図と相関係数に関する問題です。
正の相関の理解
身長と体重の関係は、一般的にどのような相関ですか?
解説:
• 身長が高い人ほど体重も重い傾向
• 一方が増えると他方も増える
• 散布図は右上がりになる
負の相関の理解
次のうち、負の相関が見られるものはどれですか?
(1) 勉強時間と成績
(2) 気温とエアコンの売上
(3) 価格と販売数量
解説:
(1) 正の相関(勉強時間↑ → 成績↑)
(2) 正の相関(気温↑ → エアコン売上↑)
(3) 負の相関(価格↑ → 販売数量↓)
相関係数の範囲
相関係数rの取りうる値の範囲を答えなさい。
解説:
• r = 1: 完全な正の相関
• r = -1: 完全な負の相関
• r = 0: 相関なし
• |r| が1に近いほど相関が強い
相関と因果関係
相関関係があっても、必ずしも因果関係があるとは限りません。その例を説明しなさい。
解説:
• アイスの売上と水難事故には正の相関がある
• しかし、アイスを食べると水難事故が起きるわけではない
• どちらも「気温が高い」という共通の原因
• これを「疑似相関」という
散布図の読み取り
散布図で点が右下がりに分布している。これは何を意味しますか?
解説:
• 右下がり → 負の相関
• xが増えるとyが減る傾向
• 相関係数rは負の値
4️⃣ パターン4: 確率計算
確率の基本、和の法則、積の法則、条件付き確率に関する問題です。
基本的な確率
サイコロを1回振って、3以下の目が出る確率を求めなさい。
解説:
• 3以下の目: 1, 2, 3 の3通り
• 全体の場合の数: 6通り
• 確率 = 3/6 = 1/2
和の法則(または)
トランプ52枚から1枚引くとき、ハートまたはキングが出る確率を求めなさい。
解説:
• ハート: 13枚
• キング: 4枚
• ハートのキング: 1枚(重複)
• P(ハートまたはキング) = (13+4-1)/52 = 16/52 = 4/13
※ 重複を引くのを忘れない
積の法則(かつ)
コインを2回投げて、両方とも表が出る確率を求めなさい。
解説:
• 1回目が表: 1/2
• 2回目が表: 1/2
• 両方表(かつ): 1/2 × 1/2 = 1/4
余事象の確率
サイコロを1回振って、1が出ない確率を求めなさい。
解説:
• 1が出る確率: 1/6
• 1が出ない確率 = 1 − 1/6 = 5/6
※ P(Aでない) = 1 − P(A)
二項分布の期待値
コインを10回投げるとき、表が出る回数の期待値を求めなさい。
解説:
• 二項分布 B(n, p) の期待値 = n × p
• n = 10, p = 1/2
• E(X) = 10 × 1/2 = 5回
5️⃣ パターン5: グラフの読み取り
棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、誤解を招く表現に関する問題です。
適切なグラフの選択
「2020年から2024年までの売上推移を見たい」
最も適したグラフは?
解説:
• 時系列データ(年度別の推移)
• 変化の傾向を見る → 折れ線グラフ
円グラフの読み取り
円グラフで、ある項目が90度を占めています。その項目の割合は何%ですか?
解説:
• 円全体(100%)= 360度
• 90度 ÷ 360度 = 1/4 = 25%
縦軸の確認
縦軸が0から始まっていないグラフの問題点は?
解説:
• わずかな変化でも大きく見える
• 必ず縦軸の目盛りを確認
• 数値でも確認する習慣を
時系列データの読み取り
折れ線グラフが右肩上がりになっている。これは何を意味しますか?
解説:
• 時間とともに値が増加している
• 長期的な増加傾向を表す
グラフの不適切な使用
時系列データを円グラフで表すことの問題点は?
解説:
• 円グラフは「全体を100%としたときの内訳」用
• 時系列データは折れ線グラフや棒グラフを使う
• 変化の傾向が見えない
6️⃣ 総合問題(複数分野)
複数の知識を組み合わせて解く問題です。
平均と標準偏差の活用
あるテストの平均が60点、標準偏差が10点です。
正規分布に従うとき、約68%の生徒の点数はどの範囲ですか?
解説:
• 68-95-99.7ルール
• 平均 ± 1σ の範囲に約68%
• 60 ± 10 → 50〜70点
標本調査と母集団
日本の成人全員の意見を知りたいとき、2000人を無作為に選んで調査した。
この場合の母集団と標本は?
母集団: 日本の成人全員
標本: 選ばれた2000人
解説:
• 知りたい対象全体 = 母集団
• 実際に調査した一部 = 標本
確率と期待値
くじで、1等(1000円)が1本、2等(100円)が9本、はずれ(0円)が90本。
このくじの期待値(1本あたりの平均賞金)は?
解説:
E(X) = 1000×(1/100) + 100×(9/100) + 0×(90/100)
= 10 + 9 + 0 = 19円
相関と散布図
散布図で点が右上がりに分布し、相関係数がr=0.8。
これはどのような関係ですか?
解説:
• 右上がり → 正の相関
• r=0.8(1に近い)→ 強い相関
• xが増えるとyも増える傾向が強い
データの特性値
次のデータ: 10, 20, 30, 40, 100
平均と中央値を求め、どちらが代表値として適切か考えなさい。
平均: 40
中央値: 30
適切なのは: 中央値
解説:
• 平均 = (10+20+30+40+100)÷5 = 200÷5 = 40
• 中央値 = 30(真ん中の値)
• 100が極端な値(外れ値)なので、中央値の方が代表的
✅ 計算ミス防止のチェックリスト
□ 問題文を2回読んで、何を求めるか確認
□ 単位を確認(点、cm、%など)
□ 使う公式を思い出す
計算中
□ 途中式を丁寧に書く
□ 分数は約分できるか確認
□ 小数点の位置に注意
□ 負の数の計算に注意
計算後
□ 答えに単位をつけた��
□ 答えが問題文の求めるものか確認
□ 答えが常識的な範囲か確認(例: 確率が1を超えていないか)
□ 可能なら検算する
特に注意
• 偏差の計算: データ − 平均(順番注意)
• 分散: 偏差の2乗の平均(√を取らない)
• 標準偏差: √分散
• 確率: 分子と分母を逆にしない
• 中央値: データを並び替える
⏱️ 時間配分の練習
• 試験時間: 60分
• 問題数: 約30問
• 1問あたり: 約2分
推奨される時間配分
第1ラウンド(45分)
• すべての問題に一通り目を通す
• 解ける問題から解く
• わからない問題は飛ばす
• 簡単な問題: 1分
• 普通の問題: 2分
• 難しい問題: 3分
第2ラウンド(10分)
• 飛ばした問題に挑戦
• 部分点を狙う
第3ラウンド(5分)
• 見直し
• 計算ミスがないか確認
• マークミスがないか確認
時間管理のコツ
• 1問に3分以上かけない
• 全問解答を目指す(空欄を作らない)
• 時計を見る習慣をつける
📚 このステップのまとめ
🎯 学習したパターン
- データの整理: 度数分布、平均・中央値・最頻値
- ばらつき: 偏差、分散、標準偏差
- 相関関係: 散布図、相関係数、因果関係との違い
- 確率計算: 基本確率、和の法則、積の法則、期待値
- グラフの読み取り: 適切なグラフ選択、誤解を招く表現
30問中21問以上(70%以上)正解できたら、模擬試験に進みましょう!
正解率が低い分野は、該当するSTEPに戻って復習してください。
弱点分野の復習方法:
• データの整理が苦手 → STEP 3に戻る
• ばらつきが苦手 → STEP 4に戻る
• 相関が苦手 → STEP 5に戻る
• 確率が苦手 → STEP 6-7に戻る
• グラフが苦手 → STEP 9に戻る
学習メモ
統計検定3級対策 - Step 10