STEP 2:高校数学の必須項目(基礎編)

📊 STEP 2: 高校数学の必須項目(基礎編)

統計学に必要な数学の基礎を固めよう

📖 このステップで学ぶこと

このステップでは、統計学3級レベルに必要な高校数学の基礎を学びます。平方根、累乗、1次関数、方程式・不等式、場合の数、Σ記号など、統計学で頻繁に使う数学の知識を身につけます。

📝 練習問題: 15問
🎯 到達目標: 平方根と累乗の計算、1次関数のグラフ、場合の数、Σ記号の計算ができる

1️⃣ 平方根と累乗の計算

平方根(ルート)とは

平方根($\sqrt{\phantom{x}}$)は、「2乗するとその数になる値」のことです。統計では標準偏差の計算などで使います。

平方根の基本
• $\sqrt{4} = 2$($2^2 = 4$ だから)
• $\sqrt{9} = 3$($3^2 = 9$ だから)
• $\sqrt{16} = 4$($4^2 = 16$ だから)
• $\sqrt{25} = 5$($5^2 = 25$ だから)
例題1: 次の平方根を求めなさい
(1) $\sqrt{36}$
(2) $\sqrt{49}$
(3) $\sqrt{100}$
解答:
(1) $\sqrt{36} = 6$ ($6^2 = 36$)
(2) $\sqrt{49} = 7$ ($7^2 = 49$)
(3) $\sqrt{100} = 10$ ($10^2 = 100$)

累乗(べき乗)とは

累乗は、同じ数を何度も掛け合わせることです。例えば、$3^4 = 3 \times 3 \times 3 \times 3 = 81$ です。

累乗の基本
• $2^2 = 2 \times 2 = 4$
• $2^3 = 2 \times 2 \times 2 = 8$
• $2^4 = 2 \times 2 \times 2 \times 2 = 16$
• $3^2 = 9$、$3^3 = 27$、$3^4 = 81$
例題2: 次の計算をしなさい
(1) $5^2$
(2) $2^5$
(3) $10^3$
解答:
(1) $5^2 = 5 \times 5 = 25$
(2) $2^5 = 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 = 32$
(3) $10^3 = 10 \times 10 \times 10 = 1000$
💡 つまずきポイントと対策
平方根は $\sqrt{\phantom{x}}$ の中身を簡単にする練習を繰り返しましょう。
例: $\sqrt{8} = \sqrt{4 \times 2} = \sqrt{4} \times \sqrt{2} = 2\sqrt{2}$

2️⃣ 1次関数とグラフの読み方

1次関数は、$y = ax + b$ の形で表される関数です。統計では散布図や回帰直線で使います。

1次関数の基本

$y = ax + b$ の意味
$a$: 傾き(グラフの傾き具合)
$b$: 切片($y$軸との交点)
• $a$ が正 → 右上がりのグラフ
• $a$ が負 → 右下がりのグラフ
例題3: 次の1次関数について答えなさい
関数 $y = 2x + 3$
(1) 傾きはいくつですか?
(2) 切片はいくつですか?
(3) $x = 2$ のとき、$y$ の値を求めなさい
解答:
(1) 傾き $= 2$
(2) 切片 $= 3$
(3) $y = 2 \times 2 + 3 = 4 + 3 = 7$

グラフの読み方

1次関数のグラフは直線になります。傾きと切片からグラフの形が決まります。

グラフを読むポイント
1. 切片($b$)を見つける → $y$軸との交点
2. 傾き($a$)を使って別の点を見つける
 例: 傾きが2なら、$x$が1増えると$y$が2増える
3. 2点を結んで直線を引く
例題4: $y = -x + 4$ のグラフについて
(1) $x = 0$ のとき、$y$ はいくつですか?
(2) $x = 1$ のとき、$y$ はいくつですか?
(3) このグラフは右上がりですか、右下がりですか?
解答:
(1) $y = -0 + 4 = 4$
(2) $y = -1 + 4 = 3$
(3) 傾きが $-1$(負)なので、右下がり
💡 つまずきポイントと対策
傾きと切片の意味を図で理解しましょう。
• 傾き = グラフの急さ(大きいほど急)
• 切片 = スタート地点($y$軸との交点)

3️⃣ 簡単な方程式・不等式

1次方程式

方程式は、「$x$ の値を求める」問題です。等式の性質を使って解きます。

方程式を解く基本ルール
• 両辺に同じ数を足しても等しい
• 両辺から同じ数を引いても等しい
• 両辺に同じ数を掛けても等しい
• 両辺を同じ数で割っても等しい
例題5: 次の方程式を解きなさい
(1) $x + 5 = 12$
(2) $3x = 15$
(3) $2x + 3 = 11$
解答:
(1) $x + 5 = 12$
  $x = 12 – 5 = 7$

(2) $3x = 15$
  $x = 15 \div 3 = 5$

(3) $2x + 3 = 11$
  $2x = 11 – 3 = 8$
  $x = 8 \div 2 = 4$

不等式

不等式は、「大小関係」を表す式です。

不等号の意味
• $>$ : より大きい(greater than)
• $<$ : より小さい(less than)
• $\geqq$ : 以上(greater than or equal to)
• $\leqq$ : 以下(less than or equal to)
例題6: 次の不等式を解きなさい
(1) $x + 3 > 7$
(2) $2x \leqq 10$
(3) $3x – 1 < 8$
解答:
(1) $x + 3 > 7$
  $x > 7 – 3$
  $x > 4$

(2) $2x \leqq 10$
  $x \leqq 10 \div 2$
  $x \leqq 5$

(3) $3x – 1 < 8$
  $3x < 8 + 1$
  $3x < 9$
  $x < 3$
💡 つまずきポイントと対策
方程式も不等式も、$x$ を一人ぼっちにすることが目標です。
両辺に同じ操作をして、少しずつ $x$ を孤立させましょう。

4️⃣ 場合の数と順列・組合せの基礎

場合の数の数え方

場合の数は、「何通りあるか」を数える問題です。

場合の数の基本ルール
掛け算の法則: A通りとB通り → $A \times B$ 通り
足し算の法則: AまたはB → $A + B$ 通り
例題7: 次の場合の数を求めなさい
(1) サイコロを2回振るとき、出る目の組み合わせは何通り?
(2) 3種類のパンと4種類の飲み物から1つずつ選ぶ方法は何通り?
解答:
(1) 1回目 6通り × 2回目 6通り $= 36$ 通り

(2) パン 3通り × 飲み物 4通り $= 12$ 通り

階乗(かいじょう)とは

順列と組合せを理解するために、まず階乗を覚えましょう。

📐 階乗の定義

$n$ の階乗($n!$)は、$n$ から 1 までの整数をすべて掛け合わせた値です。

$$n! = n \times (n-1) \times (n-2) \times \cdots \times 2 \times 1$$ 具体例:
• $1! = 1$
• $2! = 2 \times 1 = 2$
• $3! = 3 \times 2 \times 1 = 6$
• $4! = 4 \times 3 \times 2 \times 1 = 24$
• $5! = 5 \times 4 \times 3 \times 2 \times 1 = 120$
• $0! = 1$(特別な約束)

順列(Permutation)

順列は順番を考える場合の数です。「並べる」問題で使います。

📐 順列の公式

$n$ 個のものから $r$ 個を選んで並べる方法の数

$$_nP_r = \frac{n!}{(n-r)!} = n \times (n-1) \times \cdots \times (n-r+1)$$ 読み方:「nパーミュテーションr」または「n個からr個の順列」
例題8: 5人から3人を選んで1列に並べる方法は何通り?
解答:
方法1(公式を使う):
$_5P_3 = \dfrac{5!}{(5-3)!} = \dfrac{5!}{2!} = \dfrac{120}{2} = 60$ 通り

方法2(順番に考える):
• 1人目: 5通り
• 2人目: 4通り(残り)
• 3人目: 3通り(残り)
$5 \times 4 \times 3 = 60$ 通り

組合せ(Combination)

組合せは順番を考えない場合の数です。「選ぶ」だけの問題で使います。

📐 組合せの公式

$n$ 個のものから $r$ 個を選ぶ方法の数

$$_nC_r = \frac{n!}{r!(n-r)!} = \frac{_nP_r}{r!}$$ 読み方:「nコンビネーションr」または「n個からr個の組合せ」
例題9: 5人から3人を選んでチームを作る方法は何通り?
解答:
方法1(公式を使う):
$_5C_3 = \dfrac{5!}{3!(5-3)!} = \dfrac{5!}{3! \times 2!} = \dfrac{120}{6 \times 2} = \dfrac{120}{12} = 10$ 通り

方法2(順列から考える):
• 順列 $_5P_3 = 60$ 通り
• 3人の並び順 $3! = 6$ 通りは同じチーム
$60 \div 6 = 10$ 通り
順列と組合せの使い分け

順列を使う場面:
• 「並べる」「順番をつける」問題
• 例:委員長・副委員長を選ぶ、レースの順位

組合せを使う場面:
• 「選ぶ」だけの問題
• 例:チームメンバーを選ぶ、くじを引く
例題10: A、B、C、Dの4人から
(1) 2人を選んで委員長と副委員長を決める方法は何通り?
(2) 2人を選んでチームを作る方法は何通り?
解答:
(1) 順列(委員長・副委員長は順番が大事)
$_4P_2 = 4 \times 3 = 12$ 通り

(2) 組合せ(チームは順番関係なし)
$_4C_2 = \dfrac{4 \times 3}{2 \times 1} = \dfrac{12}{2} = 6$ 通り
💡 つまずきポイントと対策
「順番が大事かどうか」で判断しましょう。
• 順列 → 「1番、2番」のように順番が大事
• 組合せ → 「メンバー選び」のように順番は関係ない

覚え方のコツ:
組合せ = 順列 ÷ 並び替えの数($r!$)

5️⃣ Σ(シグマ)記号の意味と計算

Σ(シグマ)は、「合計」を表す記号です。統計では平均や分散の計算で頻繁に使います。

Σ記号の基本

📐 Σの読み方と意味

Σ(シグマ、Sigma)は「総和(sum)」を意味します。

$$\sum_{i=1}^{5} i = 1 + 2 + 3 + 4 + 5 = 15$$ 読み方:「$i$ が 1 から 5 までの $i$ の和」
例題11: 次のΣを計算しなさい
(1) $\displaystyle\sum_{i=1}^{4} i$
(2) $\displaystyle\sum_{i=1}^{5} 2i$
(3) $\displaystyle\sum_{i=1}^{3} i^2$
解答:
(1) $\displaystyle\sum_{i=1}^{4} i = 1 + 2 + 3 + 4 = 10$

(2) $\displaystyle\sum_{i=1}^{5} 2i = 2 \times 1 + 2 \times 2 + 2 \times 3 + 2 \times 4 + 2 \times 5$
  $= 2 + 4 + 6 + 8 + 10 = 30$

(3) $\displaystyle\sum_{i=1}^{3} i^2 = 1^2 + 2^2 + 3^2 = 1 + 4 + 9 = 14$

Σの性質

Σの便利な性質
1. $\displaystyle\sum(a + b) = \sum a + \sum b$(分けられる)
2. $\displaystyle\sum(ka) = k \times \sum a$(定数は外に出せる)
3. $\displaystyle\sum_{i=1}^{n} c = n \times c$(定数 $c$ を $n$ 回足す)
例題12: Σの性質を使って計算しなさい
$\displaystyle\sum_{i=1}^{4} (2i + 3)$ を計算しなさい
解答:
方法1(普通に計算):
$(2 \times 1 + 3) + (2 \times 2 + 3) + (2 \times 3 + 3) + (2 \times 4 + 3)$
$= 5 + 7 + 9 + 11 = 32$

方法2(性質を使う):
$\displaystyle\sum_{i=1}^{4}(2i + 3) = \sum_{i=1}^{4} 2i + \sum_{i=1}^{4} 3$
$= 2\displaystyle\sum_{i=1}^{4} i + 4 \times 3$
$= 2(1+2+3+4) + 12$
$= 2 \times 10 + 12 = 32$

統計学でのΣの使い方

統計学では、Σを使ってデータの合計や平均を表します。

📐 統計学での重要な公式

平均値($\bar{x}$)の公式:

$$\bar{x} = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} x_i = \frac{x_1 + x_2 + \cdots + x_n}{n}$$

$x_i$ は $i$ 番目のデータ、$n$ はデータの個数

例題13: データ 3, 5, 7, 9, 11 の平均値をΣを使って表し、計算しなさい
解答:
$n = 5$(データの個数)
$x_1 = 3, x_2 = 5, x_3 = 7, x_4 = 9, x_5 = 11$

$\bar{x} = \dfrac{1}{5}\displaystyle\sum_{i=1}^{5} x_i = \dfrac{3 + 5 + 7 + 9 + 11}{5} = \dfrac{35}{5} = 7$
💡 つまずきポイントと対策
Σは具体的に書き出してから一般化する練習をしましょう。
例: $\displaystyle\sum_{i=1}^{3} i = ?$ → まず $1+2+3$ と書いてみる → $6$

統計でよく使う表現:
• $\sum x_i$ = データの合計
• $\sum x_i^2$ = データの2乗の合計
• $\dfrac{1}{n}\sum x_i$ = 平均値

📝 練習問題(15問)

このステップの理解度を確認しましょう。各問題に挑戦してから、解答を確認してください。

問題 1

平方根の計算

$\sqrt{64}$ を求めなさい

解答: 8

解説:
$8^2 = 64$ なので、$\sqrt{64} = 8$
問題 2

累乗の計算

$4^3$ を計算しなさい

解答: 64

解説:
$4^3 = 4 \times 4 \times 4 = 64$
問題 3

平方根と累乗の混合

$\sqrt{5^2}$ を計算しなさい

解答: 5

解説:
$5^2 = 25$
$\sqrt{25} = 5$
問題 4

1次関数の傾き

$y = 3x – 2$ の傾きを答えなさい

解答: 3

解説:
$y = ax + b$ の形で、$a$ が傾きです。
この式では $a = 3$
問題 5

1次関数の値

$y = 2x + 1$ で、$x = 3$ のとき $y$ の値を求めなさい

解答: 7

解説:
$y = 2 \times 3 + 1 = 6 + 1 = 7$
問題 6

グラフの傾き

$y = -2x + 5$ のグラフは右上がりですか、右下がりですか?

解答: 右下がり

解説:
傾き $= -2$(負)なので、右下がりのグラフです。
問題 7

1次方程式

$2x + 5 = 13$ を解きなさい

解答: $x = 4$

解説:
$2x + 5 = 13$
$2x = 13 – 5$
$2x = 8$
$x = 4$
問題 8

不等式

$3x > 12$ を解きなさい

解答: $x > 4$

解説:
$3x > 12$
$x > 12 \div 3$
$x > 4$
問題 9

不等式の応用

$x – 3 \leqq 5$ を解きなさい

解答: $x \leqq 8$

解説:
$x – 3 \leqq 5$
$x \leqq 5 + 3$
$x \leqq 8$
問題 10

場合の数の基本

コインを3回投げるとき、表と裏の出方は何通りありますか?

解答: 8通り

解説:
1回目: 2通り(表or裏)
2回目: 2通り
3回目: 2通り
$2 \times 2 \times 2 = 8$ 通り
問題 11

順列の計算

$_6P_2$ を計算しなさい

解答: 30

解説:
$_6P_2 = 6 \times 5 = 30$

または公式で:
$_6P_2 = \dfrac{6!}{(6-2)!} = \dfrac{6!}{4!} = \dfrac{720}{24} = 30$
問題 12

組合せの計算

$_5C_2$ を計算しなさい

解答: 10

解説:
$_5C_2 = \dfrac{5 \times 4}{2 \times 1} = \dfrac{20}{2} = 10$

または公式で:
$_5C_2 = \dfrac{5!}{2!(5-2)!} = \dfrac{120}{2 \times 6} = 10$
問題 13

Σの基本計算

$\displaystyle\sum_{i=1}^{5} i$ を計算しなさい

解答: 15

解説:
$1 + 2 + 3 + 4 + 5 = 15$
問題 14

Σの計算(係数あり)

$\displaystyle\sum_{i=1}^{4} 3i$ を計算しなさい

解答: 30

解説:
$3 \times 1 + 3 \times 2 + 3 \times 3 + 3 \times 4$
$= 3 + 6 + 9 + 12 = 30$

または:$3(1+2+3+4) = 3 \times 10 = 30$
問題 15

Σの計算(2乗)

$\displaystyle\sum_{i=1}^{4} i^2$ を計算しなさい

解答: 30

解説:
$1^2 + 2^2 + 3^2 + 4^2$
$= 1 + 4 + 9 + 16 = 30$

📚 このステップのまとめ

🎯 学習したこと

  • 平方根と累乗: $\sqrt{\phantom{x}}$ の計算と累乗の計算ができる
  • 1次関数: $y = ax + b$ の傾きと切片を理解し、グラフが読める
  • 方程式・不等式: 基本的な方程式と不等式が解ける
  • 階乗: $n! = n \times (n-1) \times \cdots \times 1$ を理解
  • 順列: $_nP_r = \dfrac{n!}{(n-r)!}$(順番を考える場合の数)
  • 組合せ: $_nC_r = \dfrac{n!}{r!(n-r)!}$(順番を考えない場合の数)
  • Σ記号: Σの意味を理解し、基本的な計算ができる
💡 次のステップへ進む前に
練習問題で12問以上正解できたら、確認テストに進みましょう!
STEP 1と2の内容がしっかり理解できているか、確認テストで確かめます。
📝

学習メモ

統計検定3級対策 - Step 2

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